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【J2:第3節 徳島 vs 北九州】レポート:前半の戦いが尾を引いた徳島。90分進化を見せ続けた北九州に敗れる。(11.08.06)

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8月5日(金) 2011 J2リーグ戦 第3節
徳島 0 - 1 北九州 (19:04/鳴門大塚/3,262人)
得点者:63' 安田晃大(北九州)
スカパー!再放送 Ch185 8/6(土)後03:00〜
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はじめに、昨日お亡くなりになった松田直樹選手のご冥福を心よりお祈りいたします。
サッカーに対し限りない愛情を注がれた松田選手のプレーと生き様はきっといつまでも、同じピッチに立った仲間やファン・サポーターの胸の中で生き続けることと思います。

さて、スタジアムの全員でその松田選手へ黙祷を捧げた後始まった注目の一戦だが、結果から言うとホーム徳島、敗戦。チームは8試合ぶりの黒星を喫することとなった。美濃部直彦監督は「勝負事ですから勝ち続けるとか、いつも我々にいい事がおこるわけではなく、苦い経験や苦い結果というのはでてくるものです」とすぐの切り替えを図る言葉を口にしていたが、それでもやはり今節は首位に踊り出た勢いを加速させたかったゲームだけに、その結果が徳島にとって非常に痛いものであるのは間違いないだろう。

ただ内容的なところを振り返ると、徳島としては勝利を引き寄せるに十分な戦いが出来なかったと認めざるを得ない。特に最初の45分は貪欲にゴールへ向かう形がなかったことにより攻撃は停滞。事実「前半は後ろからきれいに崩していこうという意識が強かったかもしれません」とディビッドソン 純マーカスも反省を語っていたが、繋ぐパスのほとんどが足元から足元で、それによって展開にスピードアップや迫力が全くといっていいほど付かなかった。
さらに前半の徳島には前線の動き出しや動き直しが明らかに欠けていたと言えよう。最終ラインからボランチへボールが入りディビッドソンや斉藤大介がルックアップしてもそこから前にほとんど受けようとするモーションが起こらないまま。そのため実際に何度もボランチ2人は最終ラインへ再びボールを返す選択を強いられていたのである。確かに津田知宏や佐藤晃大、衛藤裕らは北九州が実践した活発なラインコントロールに強くけん制されてはいたが、とは言えそれを差し引いても彼らのボールを引き出す動きは足りていたと言えないところだ。

しかし迎えた後半、先制点を奪われてようやく徳島のギアが上がってくる。津田と佐藤が北九州の最終ラインと駆け引きしながらスペースへ流れてボールを受け少しずつ起点を作り始めると、西嶋弘之、島村毅の両サイドバックも前への意識を強めて高い位置へ進出。再三展開に加わって攻めの幅と厚みを作っていった─。ただ、北九州ゴールへ襲い掛かるシーンこそ増えるも、徳島のフィニッシュはことごとく入らない。これまで何度も素晴らしいゴールを生み出してきた島村やエリゼウのヘディングはどれも僅かにヒットせず枠を捉え切れないし、80分にディビッドソンが放った強烈なミドルもバーに嫌われてしまう。そして終了間際にドウグラスの見せたダイビングヘッドも僅かにポストの横へ外れ、これで万事休す。チームはネットを揺らすことのないままタイムアップの笛を聞くことになってしまった。

と、こうして敗れた徳島だが、後半のシュート精度ももちろんながら問題であったのはやはり何より前半の戦いであろう。斉藤も「最初からもっと積極的に点を取りにいく姿勢を持っていてもよかったと思います」と悔やんでいたが、ホームゲームでもあったのだからそこでもっと全体の活性を出し、それを主導権の先行掌握に結び付けなくてはならなかった。そしてこのような動きの少ない前半はほんの3節前の東京V戦で苦しい戦いを招いたばかりのはず(最終結果はドローに持ち込んだが)。過去に反省し改善したはずの課題を再び発生させてはさすがにいけない。
いずれにしても、「もっともっと普段から謙虚に努力して、もっともっといいチームになれるように、そして昇格できるように明日からまた取り組んでいきたいと思います」と再スタートの気持ちを述べた指揮官のもと、徳島の選手たちにはこの敗戦を糧にしたさらなる成長が求められる。それが出来なければ目指す先へ辿り着くことも難しくなると肝に銘じ、最大限の努力をもってそれを追求しなくてはならない。

対して北九州は自らの進化を今節でもハッキリ表現したと言えるだろう。浸透しつつある細かなパスによる攻撃の組み立てもそうだし、それ以上にプレビューでも触れた飛躍的向上を見せている粘り強い守備は存分に存在感を示していた。三浦泰年監督も試合後「前半から我々が狙いとするサッカーがある程度は出来ていたのかなと思います」と振り返っていたが、このゲームは北九州にとって間違いなく育ってきた自信をいっそう大きくする肥やしになったのではないだろうか。
また安田晃大が63分に決めた決勝点は今のチームが纏う上昇気流を象徴するものであった。最終的にシュートは徳島の三木隆司に当たってコースが変わりラッキーゴールのようにもなったが、ブロックされながらもボールはしっかりマウスの中へと転がっていったのだから。その結果からも北九州の勢いはまだ当分止まらなさそうである。

以上


2011.08.06 Reported by 松下英樹
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