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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【スルガ銀行チャンピオンシップ 2011 SHIZUOKA 磐田 vs インデ】プレビュー:サックスブルーと南米の古豪がエコパで激突!異なる国のスタイルが真っ向からぶつかる好ゲームを期待したい!(11.08.02)

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8月3日(水)スルガ銀行チャンピオンシップ 2011 SHIZUOKA
磐田 vs インデ(19:00KICK OFF/エコパ)

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日本と南米のカップウィナーが激突するスルガ銀行チャンピオンシップは今年で4回を迎える。今年は昨年のJリーグヤマザキナビスコカップを制したジュビロ磐田がJリーグを代表してこの一戦に臨むことになるが、南米のクラブとの対戦はチーム、個人の完成度をさらに高める上で絶好のチャンスだ。

思い返せば昨年のカップ戦優勝は劇的なものだった。予選リーグを首位で突破した磐田は準々決勝で仙台、準決勝で川崎Fを破って決勝進出。ファイナルでは広島に延長戦で競り勝ち、クラブ史上12年ぶり2度目となるヤマザキナビスコカップ優勝を果たした。今季は山田大記、小林裕紀、金園英学という即戦力の大卒ルーキーを獲得。3選手とも期待を超える活躍を見せており、チーム作りを加速させている。川口能活、駒野友一、前田遼一といったチームの”核”となる選手のパフォーマンスは相変わらず高いものがあり、フレッシュなパワーと上手く合致。チームとしても就任3年目のシーズンを迎えた柳下正明監督の下で組織的な戦術を根付かせており、切り替えの速い堅実な守備とサイドを起点とした攻撃は一定の水準に達していると言っていいだろう。

たが、さらに積み重ねるべき点があることも事実だ。今季リーグ戦19試合を終えて7勝6分6敗。チームとしての成熟度が低いわけではないが、上位陣と比べて高いわけでもない。先月30日の第19節・G大阪戦で柳下監督は試合後、「90分を通して悪いゲームではなかった」とした上で、守備面において「個の弱さ」を指摘している。また、試合を前日に控えた2日には「(インデペンディエンテは)アルゼンチンのクラブということで強さや厳しさを持っていると思うし、そういったことを肌で感じることが(選手達の)成長につながれば」と語っていたが、上位浮上のためにはまさに“個”の部分のさらなるブラッシュアップが必要である。その意味でもリーグ最中のミッドウィークに開催されタイトなスケジュールではあるが、南米特有の強烈な“個”に触れるまたとない機会となる。

ただ、明日の先発メンバーは直近のリーグ戦から若干の変更を余儀なくされることを付け加えなければならない。金園(左足首痛)、小林(胃腸炎)に加え、2日の練習で前田が途中リタイア。1日の練習で左のハムストリングを痛めており、この試合の出場は難しい状況となっている。

一方、『リベルタドーレスカップ』と並び、南米の重要なカップ戦の一つである『コパ・スダメリカーナ』を制し、この一戦に臨むのはアルゼンチンの古豪・インデペンディエンテ。クラブ創立は1905年とその歴史は長く、1964年にはアルゼンチンのクラブ史上初めてリベルタドーレスカップを制し、1972年からは同大会4連覇も達成している。

ただ、長い歴史を持つ古豪もコパ・スダメリカーナのタイトルは初めてだった。昨年秋に行われた同大会では“大逆転”の末に初優勝を果たしている。ホーム&アウェイの2回戦制によるノックアウト方式で行われる同大会だが、ラウンド16で対戦したのはデフェンソール(ウルグアイ)。第1戦を0-1で落とした後にアントニオ・モハメド氏が監督に就任。第2戦でトータルスコアを逆転してラウンド16を突破すると準決勝では前年の優勝チームであるリガ・デ・キト(エクアドル)を破って決勝に進出。ゴイアス(ブラジル)と対戦したファイナルでは第1戦のアウェイゲームを0-2で落としたものの、第2戦のホームゲームを3-1で勝利。驚異的な粘り強さでトータルスコアを五分とするとPK戦を制して同大会初優勝を決めた。

前期と後期に分けて行われるアルゼンチンリーグは現在、オフシーズンにあたる。6月に昨季の後期リーグを終えたインデペンディエンテはアメリカ・ロサンゼルスなどで調整を行い、7月29日に来日。新シーズンの前期リーグ戦の開幕はこのスルガ銀行チャンピオンシップの翌週であり、彼らの準備段階は最終的な局面を迎えている。自国リーグ開幕直前にあるこのゲームは異国で開催されるものとはいえ、自然と熱を帯びたものになるだろう。

そして、彼らにとってこの一年が非常に重要なものとなる点にも触れておきたい。全20チームで行われる同国のリーグ戦は過去3シーズンの成績を反映して同2部リーグとの入れ替えが行われる。過去3シーズンの“ランキング”において19位、20位のクラブは自動降格、17位、18位のクラブは同2部のクラブとの入れ替え戦に回ることになる。昨季の入れ替え戦で敗れた名門、リーベル・プレートがクラブ史上初めて2部に降格するというニュースは遠く離れた日本にも届いたが、この結果には彼らも肝を冷やしたはずだ。先の“ランキング”で12位と予断を許さない位置にいる彼らはボカ・ジュニオルスと共にこれまで2部降格の経験がない名門クラブの一つであり、リーベルに訪れた“悲劇”に危機感を強めたことだろう。今季前期リーグの目標は「優勝」(アントニオ・モハメド監督)。リーベルと同じ“過ち”は許されず、100年を越える歴史を持つクラブの威信を懸けた一年となることは間違いない。

彼らのスタイルはショートパスを多用したアグレッシブなものであり、南米らしいテンポのいいパスワークで相手ゴールに迫るだろう。注目選手は背番号10を背負うアルゼンチン人のFWパトリシオだ。21歳の若きゲームメイカーがパスやドリブルで攻撃の起点を作る。組織的なディフェンスにも定評があり、南米のクラブらしい“狡猾さ”も持ち合わせている。ボールサイドの激しさもあるだけに1対1の局面では熾烈なマッチアップが展開されるだろう。

懸念すべき点があるとすれば日本の気候だ。静岡での練習時間を夕方に変更したというモハメド監督はこの日の会見で「やはりこの土地は暑くて湿気がある。それは少し体に辛いとは思うが、最終的には自分達はこれにしっかり適応できると思っている」と話す。19時開始のナイトゲームとはいえ、この時期らしい蒸し暑さが残る静岡のピッチで本来の力を発揮できるか。

異国の文化が激しくぶつかる好ゲームが今、エコパスタジアムで幕を開けようとしている。

以上

2011.08.02 Reported by 南間健治
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