7月13日(水) 2011 J1リーグ戦 第4節
仙台 0 - 0 清水 (19:03/ユアスタ/11,585人)
スカパー!再放送 Ch183 7/14(木)後02:00〜
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このマッチレポートにつけたタイトルの件に最後は触れたいため、今回は急ぎ、試合内容を振り返ろう。
仙台の視点で言えば、今節は相手の陣容も、それから自分たちの先発メンバーも違えど、内容は前節の柏戦と似た、双方がブロックを組んでカウンターをケアするという立ち上がりだったように思う。
清水は3トップこそ維持したものの、中盤は3人のうち、山本真希と枝村匠馬が若干守備意識高めのポジショニング。アフシン・ゴトビ監督がゲームでの注意点として考えていた仙台のカウンターに対処するための布陣が敷かれていた。
しかし、仙台もブロック守備に引っ掛かり攻めの糸口をなかなかつかめず、今季初めての敗戦となった前回対決( /jsgoal_archive/game/2011/20110100010220110626.html )と同じ轍は踏まない。2トップは赤嶺真吾と太田吉彰。特に太田が、清水のブロック守備をかいくぐるポジショニングで、仙台の攻撃にスピードを与えた。「最初の15分はどうしても裏を狙おうとして最終ラインに(2トップが)並んでいるシーンもあったが、15分過ぎから、太田が少しずつ下りて、そこで受けて、サイドに散らせるようになってきた。そこから攻撃のかたちができて、外からのアタックが再三できた」(手倉森誠監督)と、上手くピッチ上でのアジャストができた仙台は、徐々にサイドの高い位置で起点を作れるようになってくる。
ところが、そんな仙台に前回同様立ちはだかったのが、GKの碓井健平。松下年宏の強烈なミドルに素晴らしい反応を見せ調子の良さを披露すると、続いて松下が入れたライナー性の素晴らしい右CKに、ニアで赤嶺が完璧な逸らしを見せたゴール左隅へのヘディングシュートも、あり得ない反射神経と横っ飛びで、右手一本で掻き出してみせた。ゴトビ監督は「まるで猫のよう」と評したが、清水のサプライヤー的には…その姿はピューマ。
後半に入っても碓井の大当たりは変わらず。後半開始直後の、再び松下からの右CKに対し今度は角田誠が正面でヘッドを合わせた場面でも、碓井は至近距離からのシュートを掻き出した。
仙台の選手は試合後、口々に「決めるところを決めきれなかったことが悔やまれる」と語っていたが、ゲームの終盤、チャンスが多く巡ってくることはなかったことを考えても、その認識は正しかった。
「仙台はだいたい60分を過ぎると疲れが出てきて、オーガナイズやエネルギーを失う点がある。その点を突かれ(仙台と対戦する)他のチームに結果が出ているところもある思う」。ゴトビ監督は会見で数字を挙げてこう断言した。そしてその通り、この日のゲームも、60分前後を境にペースは清水へと流れていく。
そうした認識があるからこそ、ゴトビ監督の采配には迷いがなかったのだろう。53分の小野伸二から高原直泰への交代を皮切りに、先手先手の交代で攻撃の選手を次々と投入。早々と3人の交代枠を使い果たした上で、仙台を自陣へと釘付け状態にしていった。
一方の仙台はどうか。ポストに抜け出しに奮闘していた赤嶺真吾から中島裕希への67分の交代は、角田の縦パスに反応して、中島と太田が同時にDFラインの裏を取りかけた場面が示すとおり、スピードが欲しいという監督の意図通りの結果を一旦生んだ。
だが、持続的な効果は発揮しなかった。78分の中原貴之投入。中島が入ったことでサイドに起点ができ、そこからクロスを入れられるという分析からの判断だったが、この頃にはゴトビ監督が指摘していた「オーガナイズやエネルギーの喪失」が顕著となり、中盤より後方が、前へと飛び出していくのが難しい状況に。サイド深くからゴール前へのクロスとはいかなかった。
そうなると、自陣深くなった守備エリアと、前線を繋ぐ存在として、関口訓充が重宝するシチュエーションとなっていたが、前節の、田村直也が後半に足をつり、交代枠を1つ使わざるを得なくなった展開がよぎると、どうしても長い残り時間を抱えたままで最後の1枠を使うのはリスクがある。
とはいえ、終盤は劣勢となっていた仙台が、最後の砦を破られることはなかった。4試合勝ちなしではあるが、未だ無敗を続けているホームで今季初の連敗は回避している。
さて、最後に仙台の現状の検証である。
4試合勝てていないのは確かだが、では昨年の今頃ならば、こうした試合展開でどういう結末を迎えていたか。
おそらく、小さくない確率で、相手の攻撃に耐えきれずゴールをこじ開けられていたが、この日は苦しみながらも耐え抜いた。
「過去J1で、7月に勝利がないが?」という質問が、この日の会見で飛んだ。ただ、7月ということをクローズアップするのであれば、まだ今季7月2試合しか終えていない段階で未勝利の部分だけを取り上げるのではなく、失点を低く抑えられていることも触れるべきだろう。昨年は7月の3試合だけで計7失点。さらに7、8月の9試合で、完封はわずか1度だった。
派手な玉砕戦法ならば、ある意味でどのチームでもできるが、それでおつりが来るチームはほんの一握り。仙台は昨年の反省から、より大崩れしないチーム作りを目指した。ゲームの拮抗状態を意地させさえすれば、昨年以上に多士済々の陣容が揃った攻撃陣が効果を発揮できる。そのためにも、終盤に足が止まらないための、90分を通じたペース配分が必要なのは確かだが、少なくとも勝利に向けてどこを手直しすれば良いのか見失いかけていた昨年の夏とは違うのではないか。
以上
■この試合のHOT BALLER:碓井健平選手(清水)
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