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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第19節 湘南 vs 東京V】レポート:好調東京Vの勢い止まらず、平塚の呪縛をも解いて4連勝。5連敗の湘南にも兆しあり。(11.07.03)

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7月2日(土) 2011 J2リーグ戦 第19節
湘南 1 - 3 東京V (19:03/平塚/6,336人)
得点者:10' 飯尾一慶(東京V)、30' 阿部拓馬(東京V)、35' 佐々木竜太(湘南)、45'+3 阿部拓馬(東京V)
スカパー!再放送 Ch182 7/3(日)後00:30〜
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3連勝と波に乗るチームはこの日も幸先がいい。試合開始からまだ間もない10分、相手のクリアボールを拾うとすかさず縦を目指す。阿部拓馬が落とし、菊岡拓朗がダイレクトで前線へ。3人目の動きで抜け出したマラニョンがDFに勝負を仕掛け、こぼれ球を飯尾一慶がフォローし、巧くコースを突いた。先制に成功した東京Vはさらに30分、中盤でボールを奪うと小林祐希が素早く前に送り、受けた阿部の巧みなループシュートによって追加点を挙げる。

東京Vのゴールへと向かう一連の絵は、川勝良一監督の言葉に端的だ。「スピードや判断をできるだけスピーディーに行ない、相手の陣形が整う前に相手の背中で勝負できている」。実際、ボール奪取からゴールへ向かう流れはシンプルで、受け手の動き出しも速く連動性が備わっていた。

一方の湘南も、連敗を止めるべく立ち上がりから攻勢に出ていた。右サイドを中心に仕掛け、ボールホルダーを追い越す動きを絡めながらゴールに近づいてもいた。しかし悪い流れとはこんなものなのか、チャンスを逸すると、得点の場面ではクリアボールが相手に渡りシュートまで持ち込まれている。反面、先制点の飯尾はフリーでフィニッシュに持ち込んでおり、2点目をアシストした小林も余裕を持って前を向けていた。この試合に限らず、チャレンジとは異なるミスによってボールを失い、自らリズムを失するという背景もある。言い換えれば、隙を逃さぬ相手の巧さもある。そうした細かな要素が幾重にも折り重なり、劣勢は生まれているといえるだろう。

前節までの4連敗の渦中、湘南はゴールを挙げていない。しかし、この日は違った。高山薫が右サイドの裏へ抜け、鎌田翔雅からのパスを収める。さらに高山は相手DFをかわして折り返す。菊池大介が中で潰れた先で足元に収めたのは、3試合ぶりにスタメンに入った佐々木竜太だ。右隅を狙い、チームとして5試合ぶり、自身にとっては開幕戦以来となるゴールを見舞う。

35分の佐々木のこのゴールによって、追撃の狼煙は上がった。前半終盤にはフリーキックの先で大井健太郎が枠を狙い、さらにハン・グギョンも畳みかける。かたや東京Vも体を張って持ちこたえる。さらに東京Vは自陣で奪うと素早く攻撃に転じ、阿部がペナルティエリアに攻め入りファウルを誘う。両者にとって大きな次の1点は、間もなく笛が鳴ろうかという前半終了間際、阿部自らのPKによって生まれるのだった。

2点差で迎えた後半、湘南は再び攻めた。交代出場の中村祐也が前でひとつ起点をつくり、パスワークを活性化する。東京Vの攻から守への戻りも鈍い。また守ってはGK西部洋平が好守を重ね、攻撃に繋げていく。だがゴールを脅かすまでには至らず、パワープレーも届かない。そうして長い笛が響き、東京Vの勝利を告げる。

2006年に両チームが初めてJ2を舞台に対峙して以降、東京Vにとって平塚競技場は2分4敗と鬼門だった。攻撃陣が波に乗るチームの好調は、そんな負の呪縛をも解いた。逆に湘南は5連敗を刻んだ。結果は重い。だが一方で、中2日の状況下でも人とボールは動き、ビハインドにも下を向かずゴールも挙げた。相手あってのものだとは当然ながら、自分たちの足元に目を遣れば、5つの黒星のなかにも光は見える。

反町康治監督は言った。「小さいながら光がすこし見えてきた。その光をどう掴んでいくかがこれから大事になる。もちろん課題は多い。2、3日や1週間で解決できるような問題ではないかもしれない。それでもサッカーは続いていく。もう一回自分を見つめ直し、サッカーが続くかぎりチームを鼓舞してやっていきたい」。指揮官の言葉にシンクロするように、湘南サポーターが横断幕に込めたメッセージが胸に届く。『湘南はこんなもんじゃない』。

■この試合のCOOL BALLER:阿部拓馬(東京V)

以上

2011.07.03 Reported by 隈元大吾
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