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★「PRIDE OF 中四国」特集ページ
※岡山側プレビューはこちら
アウェイ3連戦を終えて、愛媛は3週間ぶりにホームのニンジニアスタジアムに帰ってくる。九州でも、そして関東でも、行く先々で雨にたたられ、梅雨空の下で戦ったアウェイの締めくくりは草津戦だった。そこでは、激しい雨によってキックオフが30分遅れるハプニングにも見舞われた。その天候だけでなく、愛媛にとっては難しい試合が続いたアウェイでの3戦だった。鳥栖、熊本、草津と同じような勝点で順位を争う3チームとの対戦。まずは鳥栖を下して7位から3位に浮上し、その翌節は熊本に敗れて再び7位に転落。一進一退の中で最後の草津戦はスコアレスドロー、同じ順位に踏み止まった。
結果として、1勝1分1敗というアウェイロードは決して悪い成績ではないと思う。内容的にもバルバリッチ監督は唯一敗れた熊本戦を振り返り、「同点に追いついてもおかしくなかった」と悔しさをにじませたし、選手たちにとっても「勝てた」という思いはどの試合でも持っている。それは裏を返せば、自信を持って毎試合戦えていたということでもある。ドローで終わった草津戦に関しては相手が前からプレスをかけてこなかったこともあるが、序盤に失点をする悪癖を克服。バルバリッチ監督も「いつもより強い集中力をもっていたし、全体的にはやりたいことができた」と、その戦いぶりに好評価を下している。
とは言え、混戦の中でもう一度上を目指そうとするならば、今節は3試合ぶりの勝利が欲しい。五分五分の星勘定を続けていれば、ズルズルと順位を下げてしまうだろう。そうなると岐阜、鳥取を連破したホームでの連勝を伸ばしたいのがこの岡山戦だ。ただ、ホームに関してこの岡山戦は相性がよくない。2009シーズン、ホームでの初対戦でスコアレスドローに終わった後は、バルバリッチ監督初采配のゲームで０−１の敗戦。昨年の開幕戦でも敗れており、公式戦では1分2敗。今季も4月に行われたチャリティーマッチでスコアレスドローに終わっている。唯一、勝利を収めているのがシーズン前に行われたトレーニングマッチだけ、という結果だ。
愛媛にとって、現状は悪い流れではないが「今回はストヤノフやチアゴが出てくる」とバルバリッチ監督が警戒するように、春先の対戦とは違う問題を突きつけられる今節の岡山戦も苦戦を強いられることになる。その中で愛媛のキーマンをあげるなら、ワントップに入るFWだ。それはジョジマールである可能性が高いが、失点を防ぐためには前線からの守備が必要。「ストヤノフはパスが上手いからね」とジョジマールが気をつけるように、ファーストディフェンダーとしての役割は小さくない。前線からパスコースを限定し、岡山の自由を奪ってこそ、目指すポゼッションサッカーに移れる。その一方で攻撃に転じれば「勝つためにはゴールが必要」と、得点への意欲を見せるジョジマール。今季は既に昨季の4得点と同じ数のゴールを決めているが、これからも勝点を積み上げるため、ジョジマールには更なるゴールを期待したい。
「（試合終盤は）もちろん、疲れているよ。でも、最後まであきらめずに集中を切らしていない。だから後半で（今季17点中）13点も取れているんだ。それはすごいことだよ」と流暢な日本語で笑顔とともに語るジョジマールは、鳥栖戦でも69分、89分に2ゴール。チームとしても、そしてジョジマール自身も今は終盤のタフさが武器になっている。対する岡山も、得点のおよそ7割を後半で挙げている。第16節に行われた“PRIDE OF 中四国”の徳島戦では、アディショナルタイムに追いついた粘り強さも印象的だ。その“PRIDE OF 中四国”はこれまでいずれの試合も1点差以内の接戦。今節の岡山戦も同じように拮抗した試合になるだろう。しかし、今シーズンから始まったこのバトルを制するためにも、まずは今節の岡山戦で勝点3を奪い、目下の首位、徳島に迫りたい。
■この試合注目のCOOL BALLER：ジョジマール（愛媛）
以上
2011.07.02 Reported by 近藤義博
