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【J1:第17節 仙台 vs 甲府】レポート:とにかく精彩を欠いた甲府を尻目に、仙台は今季最多の4ゴールを奪取。大勝劇に、平日昼間のユアスタはさらに沸騰した(11.06.23)

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6月22日(水) 2011 J1リーグ戦 第17節
仙台 4 - 0 甲府 (14:03/ユアスタ/11,356人)
得点者:19' 梁勇基(仙台)、36' 渡辺広大(仙台)、69' 赤嶺真吾(仙台)、75' 中島裕希(仙台)
スカパー!再放送 Ch183 6/23(木)後05:00〜
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J1での初対決となった今節、スコアはこのカードとしては予想外の展開に。疲労がたまる連戦の中では、時にこうした大量点、あるいはワンサイドマッチとなることが往々にしてあるのだが、それでもこの結果は驚きである。
ただ甲府・三浦俊也監督が「仙台の勝利が妥当であり、我々の負けも妥当だったように思う」と語ったことが示すとおり、両チームの出来には大きな開きがあった。

球技専用のユアテックスタジアム仙台、高い位置の座席からだと、ピッチを俯瞰している感覚で試合を見ることが出来る。
試合の立ち上がりから、甲府は守備の際、しっかりと4-4-2の美しいラインを形成していた。さすが三浦監督、どのチームを率いても判を押したように同じ布陣を敷くのかと感心するとともに、いつも彼が率いるチームと対戦する際の苦労が思い出されてくる。

ただ、甲府には厳しい言い回しになるが、この日の甲府が演じていた「三浦イズム」は、まさにこの「形」のみだった。序盤から甲府は、守備の破綻を露呈する。最終ライン、あるいはボランチ辺りからの長い縦パスに合わせて飛び出してくる仙台の選手に対し、甲府は簡単に裏を取らせ続けた。そうしてDFラインが押し下げられると、今度は中盤に開く広大なスペース。そこを仙台は、これまでの「カウンターから素早く攻める」攻撃とは違う、新たな可能性を見せつける魅惑の攻撃で攻略する。
赤嶺真吾に、移籍後初先発の柳沢敦の2トップは、DFライン裏にも守備ブロックのただ中に空くスペースにも顔を出し、甲府にとっては嫌なエリアへ球を引き出す。すると梁勇基、そして2試合ぶりの先発となった松下年宏の、足元の正確なタッチとフリーランニングのセンスを併せ持つ攻撃的MF2枚がそこへ絡み、生まれるテンポ良いパス交換。さらにボランチや両サイドバックが絡み、狭いスペースでダイレクトパスがつながり出すと、もう甲府にそれを止める術はなかった。

19分。きっかけはGK林卓人からの長いボール。甲府エンドの中央で赤嶺が競り勝ち柳沢へ落とす。柳沢は潰れながらも確実なポストプレーで赤嶺に戻すと、赤嶺はゴール正面でぽっかりスペースを空けていた甲府DFラインを見逃さずにスルーパス。ここに走り込んだのは、19日に待望の第一子が誕生し、大阪での出産に立ち会って戻ってきたばかりの梁だった。GK荻晃太との1対1を冷静に決めて今季初ゴール。大人数でのゆりかごダンスもばっちり決まる。仙台はこれ以上ない展開で試合を動かす。
さらに右サイドで梁のヒールパスに松下が抜け出すという美しい流れで仙台はCKを得ると、ここで甲府はセットプレーでも守備の緩慢さを露呈し、仙台に突かれてしまう。ゾーン守備でセットプレーに対応していた甲府だが、並ぶ選手の間、そしてゴールから遠い位置を狙われるというセオリーのリスクに対し、あまりに不用心だった。梁から放たれた、ゴールから離れていく速いキックに対し、逆サイドから勢いをつけて飛び込んできた渡辺広大が簡単にフリーに。強烈なヘディングシュートで仙台に追加点がもたらされた。

攻守においてあまりに内容が悪い甲府も、後半開始とともに修正を図り、一旦はペースをつかみかける。前目の4人が全く持ち味を発揮できなかった前半を受け、ハーフタイムに片桐淳至と阿部吉朗を投入した甲府は、その片桐の低い位置からのボールと、阿部吉朗の斜めに走り込むDFライン裏を突く動きで仙台守備を揺さぶる。前から奪いに行けなくなった仙台を尻目に、前半はほとんどなかった効果的なサイドチェンジも入り始め、ハーフナー マイクへもボールが収まり出すなど、流れは明らかに変わってきていた。

ところが、3点目は仙台に。それも甲府のミスが理由とあれば、もはやゲームはここで決まった。69分、林のパントキックが素晴らしい飛距離で甲府ゴール前まで行くと、甲府は2人いた中央のDFがクリアにもたつき、たった1人詰めていた赤嶺にヘッドで競り負けてしまう。ループ気味のヘディングシュートとなった赤嶺のタッチに対し、慌てて飛び出した荻はなんとかボールに触れるものの、枠に向かっていたボールを掻き出しきるには至らず。

見ていても明らかに、ここで甲府は「キレた」。冒頭で触れた4枚の2ラインは形こそ維持されているものの、FWの守備連動はまるでなし。低い位置で自由にボールを持てる仙台は、そこからさらに甲府を押し込む。
75分、自陣まで守備に戻っていたパウリ―ニョが、攻め上がって残っていた朴柱成のチェックを受け、自陣のペナルティーアークへパスを出してしまうというあり得ない失態。ここでボールを受けた松下のシュートは守備に跳ね返されるが、それをペナルティーエリア外で拾った途中投入の中島裕希が低い弾道のミドルを突き刺して4-0。J1での4年目にして初の4得点差大勝を果たした仙台には夢の、甲府には悪夢の90分を締めくくった。

それにしても、両チームのコンディションの差は何だったのか。ハーフナーの出場停止が明けたり、ケガ人という要因はあるものの、前節から6人も先発を代えてきた甲府が、三浦監督が首をかしげるほどに立ち上がりから全く動きに精彩を欠く一方、前節からは2人の変更にとどめた仙台は、代わって先発となった柳沢と松下が各々の持ち味をフルに発揮し、他の選手のエネルギーを引き出すかのような働きぶり。
さらに先発を回避したことで、太田吉彰、関口訓充には十分な休養が与えられ、さらに梁、角田誠といった、ここまで全試合先発出場を続けていた選手も、後半の早い時間に交代させることができた。そもそもここまで上手く運んだ試合ならば、出た選手の疲労も軽減されるだろう。
先週のG大阪戦同様、平日昼間ながら1万人超えとなったスタンドからの力も受け、仙台は自信とエネルギーを手にしつつ、次節は昨年5-1の大敗を喫したアウェイでの清水戦(6/26@アウスタ)に臨む。

以上
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