今季の『バトル オブ 九州』において、最も注目していた大分対熊本は期待通りの試合となった。互いに長所と短所がハッキリ出る荒削りな内容であったが、終了間際の得点で勝点を分け合うドラマが生まれ、見応え十分だった。また、随所に大分対熊本ならではの見どころがあり、楽しませてもらった。
まず、13分の熊本の先制点だが、自陣からエジミウソンを起点にパスを経由し、長い距離を走った原田拓のマイナスのクロスを松橋章太が押し込んだ。得点に絡んだ3人は以前、大分で活躍した選手とあってトリニータサポーターにとって悔しくもうれしい複雑なゴールとなった。一方、ロアッソサポーターも同じ心境に陥ったのが、53分の大分・西弘則の逆転ゴールだ。昨季まで熊本に在籍していた『ニッシ』が、最も対戦を意識した相手にMVP級の活躍を見せた。83分にはゴールライン際で得意のドリブルで一気に3人の抜き去り、入れば試合を決定づけたシュートはバーに当あたりノーゴール。「完全に力んでしまった」と悔しがる西は、熊本の選手から「余計なことすんな」とドヤされようだ。
ほかにも数々の人間ドラマが交差した。キックオフ前に熊本の長沢駿が清水で4年間お世話になった田坂和昭監督に挨拶に行った。長沢は恩師の前で恩返しゴールを目論んでいたが、かつての恩師は「駿はゴールキックのターゲットになるので本来マークするはずのミヤ(宮沢)をカバーに回し、阪田をつけ徹底的に潰した」と愛のムチで成長を続ける弟子に課題を与えた。ほかにも森島康仁が「めっちゃ対戦するのを待っていた」エジミウソンと肉弾戦を繰り広げ、バチバチと火花を散らした。「エジはビビってたはずや」と森島が言えば、「マダマダ甘イネ」とエジも返し、名勝負の決着は次回の対戦に持ち越しになった。
番外編として、後半の大分の怒濤の攻撃を受けたシーンを「気を失ったような空白の時間だった」と表現した高木琢也監督はウィットに富んでいた。遅延行為でプロ5年目で初めて警告を受けた阪田章裕は、その3分後に武富孝介の至近距離のシュートを顔面に受け、試合後すぐに病院送りに。幸い大事には至らず翌日「顔より警告を受けたのが痛い」と秀逸なコメントを残している。
勝敗だけでなく、個々のプレーに心理戦、コメントと大いに盛り上げてくれたバトキュー・大分対熊本。次回はどんなドラマがあるのか楽しみだ。
以上
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2011.06.21 Reported by 柚野真也
J’s GOALニュース
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(C)柚野真也
大の仲良しであるエジミウソン選手との肉弾戦で、腕や背中など体中に戦利傷が残った森島選手。「今度こそ祭ったる」と再戦を楽しみにしている。
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