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【J2:第17節 F東京 vs 徳島】レポート:F東京「背番号10」が仕掛けた完璧な「いたずら」が、徳島の組織立った守備を混乱に陥れる。(11.06.20)

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6月19日(日) 2011 J2リーグ戦 第17節
F東京 1 - 0 徳島 (18:04/味スタ/14,530人)
得点者:45'+1 梶山陽平(F東京)
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ロベルト・セザーが笑顔で駆け寄る。殊勲の決勝点を挙げた背番号10も倒れ込んだまま、その場で両手を掲げた。F東京は19日、ホーム・味の素スタジアムで徳島と対戦して1−0で勝利した。前半終了直前にMF梶山陽平が決勝点を決めて先制。徳島の反撃を振り切り、今季初の連勝を飾った。東京は4位浮上。徳島は8位まで順位を落とした。5戦連続負けなしのF東京は、勝利の味を思い出し始めた。

試合開始からF東京が主導権を握ったが、徳島は選手一人ひとりが担当地域を守り、組織立ったゾーンディフェンスで守備を固めた。「前半から、少しボールを動かすことを怖がっていたように思いました。外から見た感じではもっと動かせるのに怖がって失っている場面があったと思います」と、徳島・美濃部直彦監督。指揮官が臆病に映ったほど、慎重な立ち上がりだったのかもしれない。

2トップの津田知宏と、ドウグラスが個人での突破を何度か図ったが、森重、今野の2センターバックに抑え込まれてしまった。ボールを奪う位置が深く、そこから攻撃に厚みを加えることはできていなかった。「2トップと後ろが少し離れてしまっていた。ドウグラスとのコンビネーションを使って何とか1点取りたかった。もう少し工夫しなければいけなかった」と、津田は話す。前半は、F東京がボールを保持し続け、徳島が耐えるという図式のまま、長い時間が経過していった。

徳島の守備は、十分に整備されていた。パスでマークを剥がされながらも、局面では体を張った守備でボックス内への侵入を阻止し続けた。しかし、F東京はゴールをこじ開けた。前半終了間際、谷澤達也が右サイドでこぼれ球を拾う。「今日は、セザーが攻守でいいところに顔を出してくれていた。(あの瞬間も)ファーにいるセザーが見えていた」という谷澤は、ゴールを横切り、ファーサイドへのクロスを選択。セザーは頭で中央に折り返すと、そのボールに梶山が懸命に足を伸ばしてゴールネットを揺らした。

固めた守備をこじ開けた理由は複数ある。谷澤のクロス、セザーの落とし、梶山のシュート。ゴールまでの一連の動きは、どれも精度の高いプレーだった。また、ゴール前を横切った谷澤のクロスと、ファーサイドに抜けてきたセザーによって大きく視線を変えられると、徳島の守備陣はボールウォッチャーになってしまっていた。そこに、3列目にいたはずの梶山が、視界の外から飛び込んでくる。視野を揺さぶるボールと、人の動きによって徳島DFは混乱に陥った。ゴール前に人数は揃っていたが、こうした精度と厚みが加わった攻撃は防ぎきれない。お手本のようなサイドからの崩しでF東京は7戦連続の先制点を掴み取った。相手を完全に欺く、『いたずら』を完成させた背番号10は、喜ぶ輪の中心で口元を片側だけ上げて笑っていた。

ややオープンとなった後半は、スペースが生まれて互いに決定機を作ったが、ゴールは生まれなかった。徳島にも徐々に散発だった攻撃に厚みが加わったが、F東京の守備を崩しきるだけのカタチを多く作ることはできなかった。F東京も追加点を奪いきるまでには至らなかった。だが、最後まで追加点を狙いながらしっかりと勝点3をもぎ取り、味の素スタジアムに歓喜の声を轟かせた。

F東京は前進している。特に谷澤がチームにフィットしてきたことは大きい。得点を生んだ視線の置き場所を変えたクロスだけでなく、羽生の空けたスペースを有効活用し、ゾーンで守る徳島のグレーゾーンへも多く出没していた。最多4本のシュートを放ったのも頷ける数字だ。さらに、複数の選手がそうしたスペースを感じることができれば、チームの関心事である追加点も自然と生まれるはずだ。キャプテンマークを巻く今野泰幸の言葉からも、おぼろげな自信が確信に変わりつつあることがうかがえた。
「やりたいことはできるようになってきたと思うが、まだまだ完成度は低い。欲を言えば、追加点が欲しかった。イヤ、絶対に欲しかった。このメンバーなら絶対に取れると思うし、後半、取れるチャンスもあったと思う。2点目を取れば、次のゲームへの疲労度も違ってくる。進歩はしていると思うし、僕たちのサッカーをしてもっと2点目、3点目を奪っていきたい」

この日の味スタは、1万4530人の観衆を集めた。もっと多くの人が集う場所としての付加価値を彼らは表現できるかもしれない。イヤ、絶対に表現しなければいけない。いいサッカーを見せながら場を作る。昇格圏内が見えてきたからこそ、クラブが目指してきたカタチ「強く愛されるチーム」にも挑戦し続けなければいけない。

以上

2011.06.20 Reported by 馬場康平
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