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【J2:第17節 鳥取 vs 湘南】レポート:予想外の大差がついた『兄弟対決』。弟・鳥取がゴールラッシュで兄・湘南を完封勝利で下す。(11.06.20)

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6月19日(日) 2011 J2リーグ戦 第17節
鳥取 4 - 0 湘南 (18:03/とりスタ/3,509人)
得点者:2' 美尾敦(鳥取)、14' 戸川健太(鳥取)、46' 吉野智行(鳥取)、53' オウンゴ−ル(鳥取)
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平塚時代の1994年からJリーグに所属し、1年でのJ1復帰を狙う湘南と、湘南出身の選手・スタッフを多く抱え、今年初めてJリーグを戦っている鳥取との史上初対決。湘南=兄、鳥取=弟と言っていい2チームの『兄弟対決』は、弟の鳥取が、しかも予想外の大差で勝利を手にした。4−0という一方的なスコアは、他会場でも驚きを誘ったのではないだろうか。

ゴールラッシュは開始直後から始まった。GK小針清允のロングキックを、阿部祐大朗がヘッドで落としたボールが、湘南の永木亮太の下へ。そこに吉野智行が猛然とプレッシャーをかけて永木のミスを誘い、さらに寄せてきた美尾敦がペナルティーエリアのすぐ外でボールを奪うと、相手のディフェンスラインが反応するよりも早くシュートを放ち、わずか1分36秒でスコアが動いた。吉野はかつて湘南で10番をつけてプレーし、美尾はジュニアユース、ユースと湘南で過ごしている。湘南を古巣とする2人のプレーが、いきなりの先制点をもたらした。

鳥取は試合までの1週間、松田岳夫監督が従来の4−3−3を「4−1−4−1のイメージで」と指示して微調整を施し、湘南の両サイドハーフにバイタルエリアでボールを持たせないよう、中盤の4人が細かくポジションを変え、相手の3列目以降からのパスを通させない、通されたらプレスバックして後列の守備に加勢する、という守備の連係を入念に確認していた。しかし松田監督は、ボールを支配されることは念頭に置いた上で「そういう気持ちで入っていくと、本当にそうなってしまう」と語り、吉野も「あまり意識し過ぎると良くない。ホームだから、どんどんいきたいし、前からいく時は、しっかりいかなければいけない」と、消極的になってしまうことを警戒していた。相手をリスペクトしてケアはしつつも、積極性は失わない。そうした意識が、湘南の機先を制した形になった。

逆に湘南にとっては、いきなり主導権を奪われる痛恨のスタート。西部洋平は「相手が立ち上がりからハイプレッシャーで来るのは分かっていました。チームとしても意識していたんですが…」と語るが、立ち上がりは足が止まっており、対応が遅れてしまった。ハン・グギョンの負傷に伴い、サイドハーフからボランチにポジションを下げた坂本紘司も「立ち上がりの失点で苦しくなったのは確か」と振り返る。

前節で栃木に敗れた試合後、反町康治監督は「次のゲームが大事。選手もそういう気持ちでいると思う」と語っていた。西部も「連敗は許されないし、上(上位チーム)についていくという意味でも、みんな、すごく気合いが入っていた」というが、14分にはCKから戸川健太に決められてしまう。前節の2失点は、今季初の複数失点だったが、この日は立ち上がりで早くも2点のビハインド。「気持ちが入っていたぶん、1点目よりも2点目がきつかった」と西部が語ったように、湘南にとっては大きなダメージとなった。

前半はその後も鳥取が主導権を握り、守備では湘南にほとんどチャンスを与えず、攻撃では効果的にカウンターを仕掛けたが、追加点は奪えずに2−0で前半を終了。客観的に見れば、これだけでも予想外の展開だが、鳥取にとっては苦い記憶がよみがえるスコアでもあった。前節の愛媛戦も、同様に2−0とリードして前半を折り返しながら、後半に3点を奪われて逆転負け。大雨で水浸しとなったピッチの影響もあったとはいえ、開幕から得点力不足を補ってきた堅守が大きく崩れた末の敗戦は、チーム全体の自信喪失につながりかねないものでもあった。

それだけに大きかったのが、吉野の3点目。しかも後半開始直後、今度は33秒でネットを揺らした。「早い時間に取ることができてよかった」と本人が振り返る追加点で、鳥取はJ2昇格後初めてとなる1試合3得点を奪う。重圧から解放されると、前半同様にたたみかけ、53分にオウンゴールで加点。服部年宏ですら「4点も入るとは思わなかった。新しい驚きでした」という攻撃力を発揮した。

湘南は、前半を0−1で終えた前節の栃木戦同様に、後半開始から2人を交代で投入。前線に高さのある田原豊を投入したことで、徐々に両サイドを広く使った展開も見られるようになったが、攻撃のリズムが出てきた頃には、すでに取り返しのつかない状況になっていた。次につながる1点でも奪いたかったが、それもかなわず。反町監督は、この日は後半も悪かった試合への入り方を課題に挙げ、「足元を見つめ直さなければいけない、良い時期。これが残り5、6試合で出るよりも、いま出た方が、もしかしたらチームにとってはプラスかもしれない。顔を洗って出直すつもりでやらなければいけないと思います」と、あくまで前向きに語った。次節からは徳島、千葉と続くアウェイ3連戦。これ以上失速すると、昇格レースに大きく影響を与えることは必至なだけに、戦術面もメンタル面も、早期の立て直しが必要になる。

鳥取にとって収穫だったのは、4得点はもちろん、無失点に抑えたこと。原動力となったのは中盤の4人だけでなく、1トップの阿部をはじめとする全選手が、運動量が落ちた後も懸命にボールに食らいついた守備意識の高さ、ハードワークだった。松田監督が「われわれはチャレンジャーなので、まずは相手よりも走る、(攻守の)切り替えを早くする。確実に相手を上回ることができるのは、そこなので、毎試合こだわって進めている」と語った、チームのベースとしている良い面が出ての勝利。京都に続き、昨年のJ1クラブを2試合続けて破った鳥取のホームでの強さは今後、昇格を目指すクラブの脅威となっていくかもしれない。

以上

2011.06.20 Reported by 石倉利英
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