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初夏の６月も半ばを過ぎて迎えるこの第１７節。長良川競技場では勝点４で２０位の岐阜が、同１３で１２位の札幌をホームに迎える。どちらも前節は完敗を喫してしまっているだけに、なんとしても流れを変えたいタイミング。果たして、どういった試合になるのだろうか。
ホームの岐阜は前節、敵地で首位の千葉と対戦し１−３のスコアで敗戦。先制点を許し、１度は追いついたものの、その後２点を追加されて力尽きた。千葉の攻撃の中心であるオーロイに、守備陣が最後まで体を張って粘り強く戦えていただけに、同点にしてから我慢しきれなかったのが残念なところだ。
しかし、攻撃に目を向ければ、４試合ぶりに得点を挙げたこともそうだし、押谷祐樹を軸としたスピードのある攻撃が少しずつ鋭さを増している部分は光明と見たい。ボールを奪ってからのファーストプレーでのミスは多少目立つが、それでもアグレッシブに前へとボールを運ぼうとする姿勢は、着実にチームに勢いを生み出していくはずだ。
「我々は今、勝星から見放されているということで、選手もビハインドになったときに少し自信というかそういうのを失いかけている」と木村孝洋監督は口にする。４連敗中で、今シーズンのここまでの成績も１勝１分８敗という状況。しかし、そうした難しい状況でも耐えながら戦い続けていくことは、絶対にチームに実をつける。我慢強く戦っていきたいところだ。
今週の月曜日には柏からＧＫ川浪吾郎を期限付きで獲得したことを発表。身長１９２センチの長身で、各年代の日本代表に選出されてきた実績を持つこの選手の加入は、ＧＫのポジションの選手層を一気に厚くすると同時に、チームの土台を強固なものにしてくれるだろう。チーム力がワンランク高まった岐阜の姿が、今節は見られるかもしれない。
一方、敵地に乗り込む札幌の前節はホームで横浜ＦＣに０−２で敗戦。放ったシュートがわずか２本ということを考えると、完敗と言うしかないだろう。前々節には４３３日ぶりとなる連勝を達成しており、ここで勝利を重ねられれば大きな勢いが生まれるかもしれない。そんなタイミングでの完敗だけに、チームにとっては痛い結果となった。
そうした状況を受けて今週、石崎信弘監督は「メンバーを、ゼロから見ていく」と、あらためてポジション争いをスタートさせる旨を選手たちに伝えたという。開幕からここまで、負傷以外ではメンバーをある程度固めて戦ってきたが、それを一度リセットさせることでチームに新たな空気を生み出そうという狙いである。今週水曜にはオフ明けにも関わらずいきなり紅白戦を実施し、様々なメンバー構成をテスト。内村圭宏、日高拓磨も負傷から復帰したことを考えても、この岐阜戦では新たな札幌の姿が見られそうである。どのポジションでどの選手が起用されるのか。試合当日の楽しみのひとつになるだろう。
この試合の勝敗を分けそうなポイントを挙げるならば、ホームの岐阜がどれだけテンポよくボールを運べるか、という部分。ここ数試合の岐阜は、少しずつカウンターのスピード、勢いが増してきたところではあるが、前節などはその途中でイージーなミスがありボールを運べず、そこからピンチを招く場面が幾度かあった。対する札幌は高い位置から積極的なプレッシングを仕掛けてくるチームなだけに、ボール運びの部分は非常に大きなポイントになる。ホームゲームであることを考えても岐阜はしっかりとボールをコントロールし、ゲーム全体もコントロールしたいところである。
ともに前節を落としているチーム同士。ここから流れを変えていくためにも、双方にとって大事な一戦となりそうだ。
以上
2011.06.17 Reported by 斉藤宏則
