6月12日(日) 2011 J2リーグ戦 第16節
東京V 1 - 3 草津 (16:03/味スタ/4,199人)
得点者:3' ラフィーニャ(草津)、56' 萬代宏樹(草津)、64' 土屋征夫(東京V)、90'+1 前田雅文(草津)
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痛恨の敗戦とは、このことだろう。
東京Vは、絶対に避けなければならなかった「全部自分たちのミス」(土屋征夫)から3失点を喫し、敗れた。
前半3分、井上平の出した高橋祥平への横パスを掻っ攫った古林将太が、草津の右サイドを駆け上がったラフィーニャへ縦に素早く繋ぐと、芝で足を滑らせた深津康太をあっさり交わし、GKとの1対1をきっちりと決め草津が先制する。
「1点目が本当にもったいなかった。あれがすべて」自分たちがボール保持している中で起こった判断ミスからの失点を、森勇介は大きく大きく悔やんだ。
ここ3試合で1点しか奪えていない今の東京Vにとっては、やはり開始早々から1点ビハインドを背負って戦うのは非常に厳しいと言わざるを得ない。
だが、「あのシーン以外にやられたという記憶がない」と、森が話しているように、特に前半は、失点を含めた立ち上がり数分は草津ペースに押され、全体的にバタついていた感じがあったが、10分を過ぎたあたりからは落ち着きを取り戻して徐々にリズムを作り、自分たちのペースで進められていた。
小林祐希が展開し、両サイドバックと中盤が上手くダイレクトパスをつないで絡み、クロスボールを入れるというサイド攻撃は、得点のにおいを感じさせた。
「最初の15分、勝負をかけよう」と、ハーフタイムに檄を飛ばし挑んだ後半、川勝良一監督はその大事な10分で早くも菊岡拓朗をボランチに投入し、ゲームを動かしに出る。しかしその1分後、草津にまたしてもミスからカウンターを許し、アレックスのシュートはかろうじて防いだものの、クリアボールが詰めてフリーとなっていた萬代宏樹へこぼれ「ごっつあんゴールでした」(萬代)。同点にするはずが、逆に追加点を与えてしまったのだった。
それでも後半19分、河野広貴のCKに土屋が綺麗に頭を合わせ1点差に詰めると、同23分、28分には途中交代のマラニョンに決定的なシーンが訪れるなど、流れは東京Vに。しかし、そのマラニョンの逸機に加え、同32分には飯尾一慶が暴言で一発退場するなど、チームが上向きに勢い付きかけた大事なところでそのムードをストップさせる事象が続けて起こり、勝利チームの権利は遠のいていった。
アディショナルタイムにも、前田雅文にダメを押されて試合終了を迎えた。
ボールは回り、崩しのアイデアも見られた。しかし、1−3という結果は、草津・熊林親吾の言葉を借りれば「崩すところはヴェルディの方が自分たちのスタイルでやれていた。ただ、最後のFWというところで、決定力ある外国人2人がいて、狙いがシンプルに統一されているウチが上。その差が勝敗を分けた」ということだろう。当然、ミスでボールを奪われたことが最大の敗因であることは間違いないが、「ゴールを決めるのが仕事である立場としても、決めるべきところで決められなかったことは申し訳ない」と井上平が唇をかんだように、それぞれのチャンスを逃さず先制、追加点、ダメ押しとゴールに直結させた草津との決定力の差も響いたことは明確だったのではないだろうか。
ただ、その中で、今後に大きな期待感を感じさせてくれたのが、“右サイドバックの森”ではないだろうか。これまでの左でも他とは一線を画していたが、本人が最も得意とする右でのパフォーマンスには格の違いを感じざるを得なかった。井上が「森さんから入るボールはとにかくスーパーなので、それをきちんと生かさなければならなかった」と悔やんだ通り、攻守かかわらず周りとの連携をこれから日増しに深めていけば、攻撃力は高まっていくに違いない。「右はやっぱりやりやすいけど、本職でやるからにはもう言い訳できない」と森。イメージ通りに躍動する姿をぜひ見たい。
勝利した草津は、副島博志監督が「戦術的な部分が当たったゲーム」と語っているように、ポゼッションを得意とする東京Vに対し、まずは守備ブロックを作って守り、ボールを奪ったら両サイドバックが上がって空いたスペースを上手く突いてカウンターを仕掛ける、というほぼプラン通りのゲームだったようだ。
ただ、3分というあまりにも早い時間に先制したことが、逆にチームの課題点を浮き彫りにしたと、熊林は指摘する。「ウチは、点を取ると引いてしまう傾向がある。今日も、前半もう1点2点取りにいってもよかったのに、先制後はほとんど攻めることができなかった」。
だが、一方でFW萬代は「点が入って引いたというよりも、元々が、前に出てくる東京V相手だから、まずは全体で引いて守ろうということだったので、気にはならなかった。ボールも、回されているというよりは回させているというイメージを持って戦えていた」と話す。
こうした認識の差は、実は今後の草津にとって大きな意味を持つのではないだろうか。
熊林は「今日のサッカーは今日だけのサッカー」と表現した。そして、今後の課題として「ウチは、相手の実力が自分たちより少し上のチームとやった方が良いサッカーができる。自分たちがボールを持てたとき、勝っている時にどう戦うか」だという。
この勝利で5位となり、草津は今季いよいよ本格的にJ1昇格を口にしている。だからこそ、J1でプレーしていた熊林は、「きちんと自分たちのスタイルを作らないとJ1に上がっても通用しない」と苦言を呈する。
その意味でも、前述のような『点を取ったあとの戦い方』などをチームとして統一させることは、今後“草津のサッカー”を確立していく上で非常に重要なテーマとなるに違いない。
とはいえ、現時点での両チームの状況が、結果・順位にはっきりと投影されていたゲームだった。
以上
2011.06.13 Reported by 上岡真里江
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