第12節まではＧＫ南雄太、第13節・千葉戦では今季初めて左サイドバックの位置でプレーした原田拓、第14節・横浜ＦＣ戦では根占真伍→片山奨典へのリレー。
ここ２試合、キャプテンマークを巻いている熊本のゲームキャプテンだ。

「古巣だからってこともあったのか、指名されました。今まで、Ｊリーグの公式戦でキャプテンマークを巻いたのは２、３回。気分は少しだけ違いますけど、意識しないようにしてます。この間の試合は、とにかく勝ちたいという気持ちが強かっただけですね」と根占が言えば、昨季キャプテンだったこともあって「いつもと一緒でした」と、キャプテンマークを巻くことによる特別な違いはないと、原田も振り返っている。

指名した当の高木琢也監督は、こう話す。
「まぁ、気分転換ですよ。ベテランだろうが若手だろうが、誰が巻いても構わないでしょ？　その試合のキーマンというわけでもないし、やってない選手が付ける。横浜ＦＣの時は根占から片山で古巣リレーみたいになって、最後は俺もつけようかと思ったけどね（笑）」
今季、高木監督がテーマの１つにしている「選手たちの自主性」を促すためのものか、という問に対しても、「特に深い意味はないです」とはぐらかされたが…。

そういえば先日、今季自ら志願してキャプテンを務めている南にインタビューした際、こんなことを話していたのを思い出した。
「ＧＫがキャプテンをやってるチームはあるし、一緒にやってる時間の中で解決できれば問題ないのかなと思う。ただ、ＧＫは練習でもフィールドプレーヤーと分かれる時間があるし、フィールドの中にいるほうがやりやすい部分もあるのかなとは思います」
現在、チームは５戦負けなしと好調を維持している状態で、雰囲気も悪くない。だがそういう状況だからこそ、メンタルを高いレベルでキープする必要があるのも事実。横浜ＦＣ戦の前には「自分たちの力を過信しないことが大事で、順位が下のチームと対戦する時に、甘く見るわけじゃないにしても、緊迫感が足りないと足下をすくわれる」と、高木監督が練習の前後に選手たちを引き締める場面もあった。例えば原田を左サイドバックで起用したり吉井孝輔を第14節で初先発させたり、時にはシステムをいじってみたりと、「調子がいい選手を使う」と公言して選手たちに危機感を持たせるのと同様、毎試合違う選手をゲームキャプテンに指名することで奮起を促すという効果は、少なくともあるはず。
というわけで、次節の富山戦、誰の腕にキャプテンマークが巻かれているか、注目です。

以上

★【J2日記】のバックナンバーはこちら


2011.06.02 Reported by 井芹貴志