5月22日(日)J1 第12節 山形 vs 仙台(13:00KICK OFF/NDスタ)
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☆山形側プレビュー
J1においてクラブ初の開幕6戦負け無し、現時点で勝点12の3位。だがこれら好記録も、この一戦を落とすようなことがあっては、その悔しさの前に霞んでしまうことになるだろう。ダービーとは、そういうものである。
山形ホームのダービーで仙台が最後に勝利を飾ったのは、ジョエル・サンタナ監督がチームにかけた春の魔法がまだ残っていた2006年J1第1クール。それから5戦、仙台は敵地で勝利を逃し続けている(2分け3敗)。
だが、今ならやれそうな気がする。立ち上がりでは、秋葉勝に開始3分でスーパーミドルを叩き込まれた、昨年第13節の失態を忘れるな。逃げ切りが見え始めてきたら、最近2試合のアディショナルタイムで味わった後悔と、その夜の眠れぬほどの悔しさを思い出せ。そうすれば、今ならやれる。
ホームのサポーターを苦虫を噛み潰したような表情にさせる、アウェイでも冷酷なまでに統制の取れたクールな試合運びは、今の仙台の力なら可能だ。
勝点3を5年ぶりに峠の向こうから持って帰れることを祈りつつ、Jリーグにおいて34度目のみちのくダービー、それに向かう仙台の準備と想定を述べたい。
まず選手のコンディションから。元来リハビリ中だった柳沢敦、原田圭輔を除く全メンバー、どうやらダービー出場は問題ない。
最も心配されたのは、山形出身で仙台生え抜きということで、このカードがやって来る度に普段以上の注目が自ずと集まる菅井直樹。前節は電光石火の今季初ゴールも90分間戦うことができず、今週に入っても本人曰く「左のふくらはぎとアキレス腱の間くらいに、疲労からくる痛みがある」と語り、全体練習から多くの時間離れていた彼。だがそれも「山形戦にはなんとしても間に合わせたい気持ち」(菅井)の表れ。来る週末に向けて大事をとりつつ、20日の紅白戦にはしっかりとAチームで臨んでいた。
そんな状態のチームが考える山形対策は、攻撃では「バイタルを効果的に使え」、守備では「ロングボールに耐えろ」というもの。
パスを繋いでからのシュート練習では、最後尾のセンターバックを含め、バイタルエリアに入り込んだ選手の足元へ強いパスをまず狙う。そしてそこから、ボランチやサイドの選手が連携し、素早くシュートまで持ちこむことが意図されていた。山形が前節まで敷いている、佐藤健太郎をアンカーとする4-3-3では、アンカーの左右に広がるスペースが狙い目となるのはセオリーだ。
一方、守備陣は、渡邉晋コーチの「長谷川悠にどんどん入れてくるぞ」との号令の元、四方八方からゴール前に落とされるロングボールをひたすらに跳ね返す光景があった。
前節、前々節と続いているアディショナルタイムの失点は、同時に「敵のロングボール攻勢に対し、綻びを見せてしまった失点」でもあり、むしろその事実の方が問題ともいえる。長谷川めがけ入って来るボールに対し、ゴール前で必ず2人が「チャレンジ&カバー」の連携で待ち構える。最低限の約束事の徹底で、ロングボールへの不安を仙台は拭おうと試みている。
こうした山形戦に向けてのアレンジ、さらに「紅白戦の後半では、磐田戦の反省を踏まえたサッカーができていた」(梁勇基)という手応えがものになれば、アウェイでも慌てること無く、仙台は戦うことができるだろう。
…と思っていたのだが、そう簡単にはいかないか。
紅白戦を終えた手倉森誠監督に山形の出方を尋ねたところ、監督は若干思案を巡らすかのような表情でこう話す。「山形はおそらく、4-4-2でしょう。高さを増やすために、長谷川に大久保(大久保哲哉)の2トップにして、ボランチもバイタルを使われるのを嫌がって、ダブルボランチにすると考えている」。峠を隔てた隣県同士、何やら情報戦勃発の匂いも漂うが、こればかりは蓋を開けてみるまで分からない。
ただ、こうした両監督の策略は、むしろ今回のダービーの楽しみでもある。
今回の舞台であるNDソフトスタジアム山形のある天童市は将棋の駒の名産地ということで、「双方が指す『将棋』の様な采配の応酬が楽しみ」と監督に振ってみたのだが、手倉森監督には「じゃあうちは、まわり将棋で」とはぐらかされてしまった。
とはいえ、監督はこう付け加える。「急がば回れ、ってね」。
前述した昨年最初のダービーは、試合開始直後にバランスを欠いていたところで失点を喫し、さらに一旦は同点に追いついたものの、山形にボールを「持たされた」状態からカウンターを許して、3-1の完敗を演じてしまった。
現時点で仙台は3位、一方の山形は17位に沈んでいる。だがダービーに順位は関係なく、さらに小林伸二監督はきっと、この一戦に極上の罠を仕掛けてくるに違いない。
そこに乗り込む仙台に求められるは、はやる気持ちで自分たちを乱すこと無く、決して勝ち急がないこと。3連勝時には具現化できていた「我慢」をもう一度取り戻して、さあもう一度、チームを再加速させる貴重な勝利をダービーでもぎ取りたい。
最後に、今回のダービーは、震災後初のみちのくダービーという側面がある。
リーグ中断期には、山形のサポーター達が仙台支援物資仕分けのアシストに駆けつけるなど、積年の敵味方の間柄を超えた絆を感じることができた。こうした活動や多くの心配に対しての感謝は、今も色あせない。
だがその気持ちは、ダービーにおいて毎回の仙台らしく、大人数で峠を越えてスタジアムを黄金色に染めることで表せばいい。
「おかげさまでこっちは大丈夫。だからダービーはいつものように、楽しくやろうぜ」。きっと自分たちがこうした姿を見せることで、ひいては東北がもっと元気を取り戻す。そんな思い、そして再びダービーを迎えられたことへの幸せを胸に、今年も楽しもう、みちのくのお祭りを。
以上
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第12節 山形 vs 仙台】仙台側プレビュー:様々な反省を踏まえ、3試合ぶりの勝利をこのダービーで飾れれば、仙台にとっては大きい。とはいえ「勝ちを焦るな」。(11.05.22)
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