スカパー！生中継 Ch183 後04:50〜
☆豪華賞品が当たる！totoリーグに投票しよう！
----------
横浜FC・岸野靖之監督の帽子にある「根性」の文字は、岡山・影山雅永監督が昨年から訴え続けているチームとしての「幹」たるハードワークに重なる。まずは、「そういうところで負けるわけにはいかない」と影山監督。それを踏まえて、いかにワイドの攻撃が出来るか、いかに安定感のある、しかも粘り強い守備が出来るか。これが勝点３を掴み取るポイントとなる。
今節、横浜FCはDF飯尾和也、岡山はストヤノフが出場停止となる。横浜FCはDFラインに、これまでボランチだった藤田優人をはじめ、森本良、中野洋司、宮崎智彦が並びそうだ。5月18日に行なった流通経済大とのトレーニングマッチでは、ボランチにファビーニョ、佐藤謙介、サイドハーフに荒堀謙次、高地系治、2トップにカイオと昨年まで大宮でプレーしていた藤田祥史が入った。
横浜FCは前節・岐阜戦で後半から「最終的な、決定的な場面を作るため」（岸野監督）、カイオ、ファビーニョをダブルボランチとして同時投入。カイオが低いポジションからビルドアップし、ファビーニョが高めのポジションで守備に貢献することで、今まで掴みきれなかった攻撃の形を取り戻し、同時に守備も機能し始めた。しかしゴールには至らず、１−１の引き分けに終わった。高地の「勝点2を失ったゲームだと思う」という試合後のコメントが、選手全員の思いだったようだ。
一方の岡山は、前節・千葉戦で後半アディショナルタイムに失点し、1-2で破れ、濃密な悔しさを味わった。「最低でも勝点１は取らなければいけない試合だった」と一柳夢吾。さらにストヤノフを欠くことは、横浜FCのカイオがロングフィードで攻守に貢献することを考えれば、対照的な状況ではある。しかし。ストヤノフの代わりにリベロの位置に入る竹田忠嗣は千葉時代、ストヤノフが欠場した際の阿部勇樹を見て学習している。「自分がイメージしているプレースタイルに近づけるか。いいチャンスだと思う」と竹田。影山監督も「例えば取りに行く時など、彼になった時に出てくるチームの良さがある」と話す。また、ロングフィードが減ることについても、ほかの選手がボールに触る回数が増えることで生まれるチャンスもあるとポジティブに捉えている。
この点について竹田は、「イリアン（ストヤノフ）が攻撃的に行くことでボールが落ち着き、自分たちが失わないことで守備をする回数が減る。また裏を狙うことで、向こうの守備もあまり前をとらない。そういう駆け引きの怖さをなくさないよう、後ろで慌てないボールの動かし方をして、ゲームコントロールしたい」。また前節、千葉から25本のシュートを浴びた真子秀徳は、「（前半ストヤノフが退場した36分以降）1人少なくてもDFが組織で対応できていたので、（シュートは多かったが）コースは止めやすいところにきていた。最近はずっと自信をもってやれている」と話す。
攻撃面での岡山の課題は、突破力を期待される妹尾隆佑、裏への動き出しからフィニッシュまで持ち込みたい臼井仁志ら、前の3人が同じ絵を描きながら一体感のある動きをすること。サイドに展開しながら、内側の選手が効果的に絡んで決定的シーンを作り出したい。臼井は「前節は自分のせいで負けちゃったんで」と、このゲームに気持ちが入っている。
横浜FCは、前節の後半に掴んだ手応えを、今度こそ本物にしたいという思いだろう。ともに浮上のきっかけを掴みたい一戦。5月の心地よい風が吹く夕刻、カンスタにはハードワークが浮かび上がるはずだ。
以上
2011.05.20 Reported by 尾原千明
