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【J2日記】大分:33歳の存在感(11.05.18)

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ゴールデンウィーク中に冠となる『宮沢正史カップU−10』を開催したマーシー

33歳。いまだ成長を遂げ、チームに欠かせない存在である。今季は王子様から闘将に変身した(写真:5/15栃木戦より)

クラブで唯一の30代プレーヤーが輝いている。クラブ最年長の33歳であり、キャプテンの宮沢“マーシー”正史だ。ベテランが冷遇されがちな昨今のJに物申す、と言わんばかりに存在感を発揮している。今季、ここまでの6試合をフルタイムで出場し、前節の栃木戦では「やったことはなかったけどおもしろかった」と4−3−3のアンカー役で新たな才能を開花した。「ミヤ(宮沢)はボールを持って落ち着きを与え、展開力がある。幅を使うウチのコンセプトにハマる。これまで守備が弱いと思っていたが、意識的に守備の改善に取り組んでいるし、ボールのないところでのポジショニングなどよく勉強している」と田坂和昭監督は、いまだ成長を遂げるベテランに期待を寄せている。

33歳なんて社会に出れば若造であるが、大分においては大ベテランの様相を呈す。何せシーズン前のクラブ平均年齢が22.3歳で、マーシーの下が27歳になったばかりの阪田章裕である。「若い奴らと話すのは新鮮で、いろんな発見ができる」と宮沢は話すが、同級生の菅原大介ヘッドコーチ、山崎哲也コーチといったスタッフ陣といる時間のほうが多いというのはうなずける。

だがピッチ内では誰よりも走り、誰よりも勝利を欲している。これまでの印象では、漫画『ジャイアントキリング』のジーノのようなユニフォームが汚れるのを嫌う“王子様的プレーヤー”に思えたが、第11節の鳥栖戦あたりから球際で体を張り、泥臭く走り回る“コシさん”のようなプレーでチームを引っ張っている。「これまで紙一重で引き分けたり、負けた試合が多かった。どうすればこっちに結果が出るか考えたら、何かを変えないといけないと思った」。思考の末に行き着いた答えが今のスタイルだった。いつも温和なマーシーがチームのために形相を変えて相手を追いかけ回しているのだから、俺たちも、となるのは当然である。

この確信犯めいたマーシーの行動は、実は田坂流である。ほぼ週1で行われるペース走では、田坂監督自らが選手と一緒に同じメニューをこなす。コーチ、通訳も同じように走る。「スタッフが走っているからサボるにサボれない」という気持ちになる。指揮官とベテランが使うこのポジティブな?心理戦が、チームに「自分もやらないといけない」雰囲気を作り出しているのは間違いない。

もう1つだけ。マーシーはピッチ外でも、チームに、地域に、サッカー界に貢献している。ゴールデンウィークに小学生4年生以下の『宮沢正史カップU−10』を開催した。「10歳以下の選手が試合をしたり、もっとサッカーが好きになってもらうのが目的でした。自分の名前が冠になるのは恥ずかしいですが」と照れながらも、「ここからトリニータを背負う選手が出ればうれしい」と運営費をポケットマネーから負担した。ほかにも、土岐田洸平、前田俊介ととにホームゲーム全試合で、大分県内のサッカー少年団1チームを招待する『招待夢(Show time)シート』をプレゼントしている。

大分のベテランは、ひときわ大きな健在感を放っている。

以上

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2011.05.18 Reported by 柚野真也
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