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【J2日記】北九州:勝つことの重み(11.05.13)

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今季すでに2勝の北九州。その勝利を呼び込んだのは2人の地元出身選手だった。

まずはお馴染みの重光貴葵選手。北九州サポーターならばご存じのとおり強運の持ち主で、毎シーズンの初出場試合は必ず勝っているという。「JFLのときもそうだったし、去年も、今年も。持ってるのかな」。たぶん、いや本当に持っていそうだ。昨季の唯一の勝利にも出場。36試合ぶりの勝利となった4月30日の愛媛戦にも途中出場した。出なかった翌10節の熊本戦は引き分け。そして前節の水戸戦には出場して勝利をおさめた。

そんな重光選手でも、今は本職のサイドバックでレギュラーポジションを得られているわけではない。「甘んじているわけにはいかない」と自分を奮い立たせ、「ホームで勝って新しい一歩をやっと踏み出せた。連勝することでもう一歩踏み出せる」と連勝に貢献することを宣言した。

もう一人の立役者といえば、そう、池元友樹選手。先週、母の日ゴールを決めたいと話していて(J2日記「母の日ゴール宣言」)、なんと、PKながら試合できっちりゴールを決めたのだ。
「嬉しかった」と池元選手。「サポーターがみんな待っていた勝利だった。内容としてもまた来たいと思ってもらえるような試合だったと思う」と内容にも手応えの様子だ。

13日の練習後もとびっきりの笑顔で応対してくれた池元選手だったが、取材の最後に話してくれた言葉が今も頭から離れないでいる。

池元選手はこう話した。
「勝ちの重要性が分かった試合だった」――。

そう。北九州がホーム戦で1年1カ月ぶりに勝利したとき、池元選手は沸き上がるサポーターたちを見上げながら、僕らはピッチから戻ってくる選手たちを誇らしく見つめながら、忘れかけていた勝利への渇望……もっと有り体に言えば勝つとはこういうことかという当たり前の感覚を思い出していたのだ。

これからの北九州は当たり前のように勝ちも負けも引き分けも繰り返していくのかもしれない。しかし僕らは忘れてはいけない。勝つとはどういうことかを自問自答しなければその意味を見いだせなかった日々が確かにあったのだ。

辛苦を胸に次の一歩を踏みだそう。まだまだ勝利は甘美だ。

以上

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2011.05.13 Reported by 上田真之介
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