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【J2日記】鳥取:古巣との対戦、それぞれの思い(11.05.13)

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サッカー選手に移籍はつきもの。03年の加入以来、鳥取一筋でプレーを続ける『ミスター・ガイナーレ』実信憲明のような選手もいるが、Jクラブでの在籍を経て、移籍で鳥取にやってきた選手も多い。当時のクラブでは出場機会がなかったが、鳥取でJリーグ・デビューを飾った選手もおり、そうした選手にとって古巣との対戦は、かつてのチームメイトや関係者に、自らの成長を示す格好の機会となる。

5月8日の第11節、ホームで対戦した千葉は、奥山泰裕の古巣であり、自分をプロに引き上げてくれたクラブでもある。Jリーガーを目指し、東北学院大3年時から名古屋のテストを受けていたが、4年時の07年になって不合格となった。「地元の仙台か、山形に行ければ、と考えていた」というその年の夏、千葉がシーズン途中のキャンプを宮城県で実施。東北学院大が練習試合で対戦し、そのときのプレーが千葉の関係者の目に留まって、残りのキャンプに帯同。そのままプロ契約を結び、翌08年に加入した。その後、1年目の途中にJFLのジェフ・リザーブズへ、翌09年の途中に鳥取へ移籍。持ち味のアグレッシブなプレーでJ2昇格に貢献し、3月6日の今季開幕戦、徳島戦での交代出場が、Jリーグ・デビューとなった。

迎えた千葉戦も控えスタートだったが、前半終了間際に左サイドバックの加藤秀典が負傷。本来は攻撃的なポジションだが、中断期間中にサイドバックでのテストを済ませていたこともあり、そのまま左サイドバックに入った。後半は古巣のベンチの目の前のタッチライン際でプレーし、終了間際の失点で試合には敗れたものの、公式戦では初めてのサイドバックとは思えないプレーぶりで、試合後は松田岳夫監督も高く評価していた。

事情を知らない、かつてのチームメイトや関係者には試合後「『今は左サイドバックをやっているの?』と驚かれた」そうだが、「サイドだったら、自分の中でもある程度できるという思いがあった。ビルドアップで慌てたときもあったんですけど、一番不安だったディフェンスなどは頑張れたので、そこはよかったかな。もう少し慣れて、攻撃面で、もっと上がっていったり、もっと積極的にいくことができればいい」と、確かな手応えをつかんだ。そのまま先発で起用される可能性も十分にあり、新境地を開いたポジションで定着できれば、移籍後初めての古巣との対戦は、キャリアの大きな転機として記憶に刻まれるだろう。

5月15日の第12節、アウェイで対戦する札幌にかつて在籍したのが、井上敦史だ。筑波大を卒業した00年に加入したものの、佐藤洋平(のちに磐田など)、藤ヶ谷陽介(現G大阪)などに阻まれ、03年までの在籍4年間で公式戦出場はなし。戦力外となって04年にJFLの横河武蔵野FCに移籍、07年には鳥取に移籍して、再びJリーグの舞台に戻ってきた。09年以降は公式戦出場がなかったのだが、今季途中に正GKだった小針清允の負傷離脱に伴って出場機会をつかみ、東日本大震災による中断が明けた後は先発として鳥取のゴール前に君臨している。

札幌については、「僕をプロ選手として最初に獲得してくれたクラブですから、すごく感謝しています」と感じている。在籍時はウィル(のちに横浜FMなど)、エメルソン(のちに浦和など)という歴代のJ1得点王や、播戸竜二(現C大阪)などの一流ストライカーと練習で対峙し、貴重な経験を積んだ。甲府のハーフナー マイクの実父ディドや、グレミオ(ブラジル)時代にトヨタカップでクラブ世界一に輝いたマザロッピといったGKコーチにも師事し、「いろいろな選手、スタッフがいる中でできたのは、僕の財産です」と振り返る。
「札幌ドームのピッチに立てたとしたら、すごくうれしい」。中断明け初戦の第8節で33歳にしてJリーグ・デビューを飾り、J2屈指の堅守を誇るチームの守護神に君臨する井上にとって、札幌ドームでの試合は、これまで以上に特別な思いを抱く一戦となりそうだ。

以上

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2011.05.13 Reported by 石倉利英
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