スカパー！生中継 Ch180 後02:50〜
☆totoリーグ
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東京のサポーターが、今シーズンの日程表を開いて、まず確認したのがこのカードのスケジュールだったはずだ。3年ぶりの東京ダービー。負けられない２つの戦いが始まる。
Ｆ東京は、前節札幌に０−０で引き分けた。大熊清監督は試合後の会見、囲み取材でも「微調整」という言葉を何度も使っていた。今シーズンはFW平山相太を戦術の軸に据え、チームのカタチを築いてきた。両ワイドに推進力の高い選手を置いてボックス内で待ち構える平山の高さを生かす。そのカタチで練習試合でも多くの得点を積み上げた。はっきりしたチームの攻撃が定まると、そこからバリエーションを増やしていく作業に没頭できた。だが、平山の高さという絶対的な武器がなくなり、チームは新たな形を模索しなければいけない事態に陥った。まさに札幌戦は、それを再認識させられた試合となった。
しかし、札幌戦から今節までは中３日しかない。限られた時間の中で多くを変えることはできない。大熊監督の言うように「微調整」がチームを蘇らせる鍵となる。指揮官は、一人の選手をピッチに送り込む決断を下すことになるだろう。
「後ろと前の繋ぎ役が必要だった。間で時間を作るような選手を入れて、もう少し攻撃の場面で選手がいい距離を保っていきたい」（大熊監督）
今節は、MF羽生直剛の先発復帰が濃厚となった。羽生の復帰が今のＦ東京のサッカーを変えられるかが、今シーズンの前半戦を大きく左右することになる。札幌戦の後半は、選手の距離感が悪く、チグハグな攻撃が目立った。前線と中盤を繋ぎ、スムーズな攻撃を仕掛けられるか。羽生は、自らがピッチに立つ意味を「僕みたいな選手がいることで生まれるものを示したい」と話す。
また、08年に千葉から移籍し、Ｆ東京での初ゴールはこの東京ダービーで挙げている。08年４月12日、逆転勝利の口火を切る得点を挙げて喝采を浴びた。「Ｆ東京での試合をランキングすれば上位にくる」と言う。左胸のエンブレムを叩いた思い出深い一戦。今度のダービーは、自らの価値を示す大一番となる。リンクマンの本領が試される。試合は明日15時、味の素スタジアムでキックオフする。
そして、同日、もう一つの東京ダービーからも目が離せない。高円宮杯U-18サッカーリーグ2011プレミアリーグ第４節。Ｆ東京U-18が4日10時30分、味スタに隣接するアミノバイタルフィールドで東京Ｖユースと対戦する。下部組織でのダービーは、トップチーム以上に白熱した戦いの歴史がある。トップへと昇格した選手たちのコメントがそれを物語る。
「よくわかってない頃から、ヴェルディにだけは負けてはいけないと叩き込まれてきた。結果がすべての試合。札幌戦ではファンをがっかりさせてしまった。今度は、すっきりしたゲームを見せたい」（DF椋原健太）
「負けられない。技術だけではなく、気持ちで上回らなければいけない。どこにも負けたくないけど、少し趣が違う。暗示のように刷り込まれていた。このダービーで歯車を合わせたい」（DF阿部巧）
５月４日は「みどりの日」。だが、青赤のDNAを持つ選手たちが、みどりの日を青赤の祝祭へと変える。ダービーだけは譲れない。
以上
2011.05.03 Reported by 馬場康平
