5月4日(水)J2 第10節 東京V vs F東京(15:00KICK OFF/味スタ)
スカパー!生中継 Ch180 後02:50〜
☆totoリーグ
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※F東京側プレビューはこちら
さあ、3年ぶりの『東京ダービー』だ。
サポーターにとっては、さぞや待ち焦がれた一戦だろう。
昨季末、F東京のJ2降格が決まった瞬間から、お互いに『この日』の訪れを意識してきたに違いない。再戦がJ2の舞台というのが不本意といえば不本意ではあるが、同じ『東京対決』には変わりはない。
「他の相手には全部負けてもいいからF東京だけには絶対に勝って!とまでサポーターに言われている。サポーターのためにも負けたくない」(河野広貴)。唯一無二のライバル相手に、やっている人も見ている人も惹きこむ “ヴェルディ・サッカー”を全力でぶつけ、必勝あるのみだ。
せっかくのビッグ・ゲーム。どちらも絶好の状況で挑みたいのは言うまでもないが、残念ながらいまの東京Vはお世辞にも「絶好調」とは言えないのが現状だ。
前節の鳥栖戦も、前々節の愛媛戦に続き前半だけで2失点。ハーフタイムに監督から喝が入り後半に1点を返すが、2点目が奪えず敗戦、という「コピーしたような試合」を繰り返し、まさかの開幕3連敗という現実と向かい合うこととなった。
一夜明けた5月1日、ゲームに出たメンバーたちは選手ミーティングを開いて意見をぶつけ合い、問題点のあぶり出しと改善への意識統一に努めた。
攻守とも細かい修正点が話し合われたようだが、終わってから話を聞いた選手たちが揃って強調していたのは「それぞれのあとちょっとの頑張り」だった。特に鳥栖戦の1失点目(味方に当たってコースが変わる不運からの失点)を例に挙げ、「“運が悪い”じゃ片付けられない。あと半歩でも足が出せていれば、カットからこっちのパスにつながったかもしれない。そういう一人一人のもうちょっとずつの頑張りが、全員集まったら大きな変化を生むと思います」と、深津康太は語った。
また、飯尾一慶も開幕から5試合白星をあげられなかった昨季と比べ、「去年も、この“ほんのちょっと”のところで苦しんだ。“もう一歩”が出るようになると、変わったコースがこっちの有利になったり、こぼれ球がこぼれてきたりするようになる。そのためには、全員がとにかく相手よりも走って、出し切らなきゃいけない。この3試合だってみんな本当に頑張っているけど、相手だって頑張っている。ちょっとの頑張りじゃ勝てないってことはもうわかったと思うから、去年できていたことをもう一度しっかりと見直して、一人一人が出し切ることが重要。じゃないとまた、悔いだけが残ってしまう」と危機感を口にするなど、不運を幸運に変えるのも自分たちの力であることを確認し合ったようだ。
“ちょっとしたところ”という意味では、前節の平繁龍一の東京V初ゴールを川勝良一監督は、「相手のDFラインとの駆け引き、飛び出しのタイミングなど、これまでのウチにはなかった動きからだった」と、喜んだ。だが、それ以上に指揮官が高く評価したのは、ゴールへの貪欲さだ。「常にシュートを狙っているし、鳥栖戦では、2点差で負けている中、自分が決めてゴールに入っているボールを、またすぐに自分で取りに行って、2点目を取りに行こうとしていた」。
それこそ、いまの東京Vの最も大きなテーマなのではないだろうか。
「去年はそれをチームの3人、4人がやっていて、逆転したいという気持ちが伝わってきたのに、この間は平繁だけだった。今年はJ1昇格を本気で目指していて、周りも去年以上の成績・内容を求めている。3戦とも内容そのものは悪くないし、みんな決してサボっているわけではないけれど、サポーターに伝わっていない。お金を払って観に来てもらっている、ということの責任を背負って闘わなければいけない」(川勝監督)。
サポーターからの2戦連続のブーイングは、期待の表れ。それは選手たちも十分理解し、受け止めている。昇格への思い、勝利への執着心、得点へのこだわりを、ぜひプレーで体現してほしい。
J1の中でも屈指の選手が名を連ねるチームと戦える楽しみ、『ダービーマッチ』として注目度が高まり、多くの観客の中でプレーできる喜びに、「3年前の対戦時ベンチで出られなかったから、ずっと楽しみにしてきた。サポーターも盛り上がっているし、負けたくない」と、河野が3年越しの思いを熱弁すれば、初ダービーとなる平繁も「初めてだから雰囲気とか想像がつかないけど、相手も相当気持ちが入っていると思う。強い相手に、大勢のお客さんの前で結果が出せたら最高。2戦連発できるように頑張ります」と話すなど、選手たちのモチベーションもとにかく高い。
東京ダービー。相手はF東京。自分たちのサッカーへの自信、J1昇格へ向けた勢いを掴むための最高のシチュエーションが整った。
「サポーター同士の誇りもあると思う。それも背負って初勝利を目指します」(川勝監督)。結果に強くこだわり、浮上の大きなきっかけにしたい。
以上
2011.05.02 Reported by 上岡真里江
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