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【J2:第9節 徳島 vs 千葉】レポート:見事な修正力を見せた徳島。凄まじい強風の中で千葉を下す!(11.05.01)

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4月30日(土) 2011 J2リーグ戦 第9節
徳島 1 - 0 千葉 (13:05/鳴門大塚/4,462人)
得点者:63' 島田裕介(徳島)
スカパー!再放送 Ch183 5/2(月)後06:00〜
totoリーグ中断期間を振り返るJ2編
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凄まじいほどに吹き荒れた強風。その風はスタジアム周辺に広がる「なると金時」畑から砂地を巻き上げてピッチ上空を白く濁らせ、スタンドポールにズラリと揚げられた鯉のぼりやフラッグを引きちぎらんばかりにはためかせていた。さらに、タッチライン外を囲うように敷かれていたシートは試合中にも幾度となく捲くれあがり、時にはその物自体が吹き飛ばされることも─。確かに鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムは風の強さで有名な場所だが、さすがにこの日のそれは尋常でない激しさのものであったと言えよう。

そして当然のことながら、そうした強風は両チームの戦いに大きく影響を及ぼす。なにせ空中へ浮いたボールは予測不能な動きを見せるし、選手たちがいくら細心の注意を払い高さを抑えてキックしてもそれにはほぼ例外なく変化・失速・加速が付けられてしまうのだから。いずれにしても、両指揮官の試合後コメントからも分かる通り、まともなサッカーが出来る状況ではなかったと言って間違いない。
ただ、このようにどちらにとっても非常に難しい一戦ではあったものの、最後の明暗はハッキリ分かれた。徳島が3/6の開幕戦に続きホームで白星を掴んだのだが、その結果を引き寄せたのは紛れもなくチームが見せた修正力。勝機を切り開くためのカギと思われていたポイントを選手たちが見事なまでに実戦し徹したことによって、徳島が是が非でも欲しかった結果を手に入れたのである。

徳島は前節の反省を踏まえ、立ち上がりから千葉に厳しい圧力をかけていく。ひとりひとりが鋭い出足と素早い動き直しで局面での間合いをしっかりと詰めて千葉の選手たちに自由なプレーを許さず、組織としてもコンパクトさを保ち危険なスペースを作らない守備を徹底していった。さらに守備陣は求められたあと一歩の寄せを欠くことなく実践。何度も自らの体を投げ出したシュートブロックを見せ、こちらにおいても徳島は前節からの課題修正を確かに披露したと言っていいだろう。

するとその修正された戦いが勝機を呼び込むことに。63分、自陣右サイド深くでフィード体勢に入った千葉のマーク ミリガンへ衛藤裕が猛然とチェック。小柄な体を粘り強く絡み付けてボールをルーズな状態に持ち込むと、連動して近い距離へ寄っていた柿谷曜一朗がこぼれ球を引っ掛けペナルティエリアへ侵入しPKをもぎ取ったのである。その大事なPKを冷静に沈めた島田裕介ももちろん素晴らしかったが、やはりこのチャンスは「最後まで諦めずに追いかけることでチャンスを作れたら(佐藤晃大)」という意識をピッチ上の全員が共有していたことによって生まれたもの。前記の修正力とともに、徳島の今後の更なる成長に繋がる素晴らしいプレーとして最大級の評価に値するものと言っていいのではないだろうか。

結局、集中した守備を最後まで途切れさせずこの1点を守り抜いて勝利を手中に収めた徳島。美濃部直彦監督は「内容的にはそんなに良いものでなかったと思いますし、攻撃の方はあまり効果的な攻めが出来ませんでした」と語っていたが、それでも千葉から挙げたこの勝点3の持つ意味は計り知れず大きいはず。これを弾みにこれからチームはきっといい流れを掴んでいくに違いない。

対して千葉についてだが、オーロイの不在(ウォーミングアップ中にケガを再発させて試合開始直前にメンバーから外れた)がやはり大きな痛手となったことは否めない。ややラフにボールが飛び交う今日のような展開であれば彼の高さや強さはいっそう強烈な武器となっていただろうし、それによってチームの決定機ももっと増やすことが出来たのではと思われる。事実、ミリガンのロングスローには誰も合わせ切れなかったし、空中戦の多くは徳島に優位を持たれていた。

ただ今後もオーロイ不在でゲームを迎えることは必ずあるだろう。実際に中3日で開催される次節はまだプレーすることが難しいかも知れない。そう考えると千葉はこの一戦で再三左サイドを切り裂き能力のあり様を改めて示した深井正樹や、後半取り戻してきたパスワークの中心となっていた佐藤勇人らを軸に、オーロイのいないシチュエーションでもコンスタントに勝点を積み上げられるようなもうワンランク上への進化を目指さなくてはならない。

以上

2011.05.01 Reported by 松下英樹
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