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【J2日記】熊本:スタグルも、「チカラをひとつに」(11.04.27)

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入場ゲートオープンを前に、各ショップのブースへ挨拶に回る古庄さん(右)。

購入した枚数はショップによって違うものの、「1枚でも10枚でも想いは同じ」と古庄さんは言う。

こちらのお店の女性も着用。

こちらはケンタッキーフライドチキンの的場さん。自筆でも想いを書き込んだ。

当日、各ブースにはデザインと同じボードが貼られた。Tシャツの代金としてスタジアムグルメの各店から集まった売り上げが、クラブを通じて日本赤十字社に義援金として寄付される。

Jリーグが再開した4月23日、熊本のスタジアムグルメブースに出店するショップのスタッフが身につけた、揃いのTシャツ。大きくあしらった「絆」という文字と、日の丸をイメージした大きな赤い円が描かれ、その横にはこうあった。

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POWER OF FOOTBALL,
POWER OF JAPAN,
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POWER OF KUMAMOTO.

「Jリーグの再開が4/23に決まり、スタジアムグルメを提供するという立場で今何ができるのかを考えていて、ジョギング中にポッと思いついたんです」
発案者である「かんしょや」の古庄寛臣さんは話す。
「復興支援Tシャツを製作し、スタジアムグルメ全店舗で着用して復興へのメッセージを送ろう」「Tシャツ代金の一部を、ロアッソ熊本を通じて義援金として日本赤十字社に義援金として寄付しよう」――その思いつきを後押ししたのが、3月29日に行われたチャリティーマッチ・日本代表 vs Jリーグ TEAM AS ONE(Jリーグ選抜)での三浦知良選手(横浜FC)のゴールだった。
「あのカズさんのゴールを見て、思いは固まりました(笑)」
ただ、リーグ再開までは1カ月を切っている。オリジナルデザインのTシャツを手がけている友人(で、サポーター仲間でもある)田添順也さんに相談すると、「作るのは間に合うけれど、早急に始めないと」ということになった。

翌日、クラブに提案書を出して許可を得たが、今回はあくまで出店業者主導の企画。Tシャツの製作と同時に、スタジアムに出店している業者へ企画の意図を説明して賛同してもらい、希望のオーダー数を確認する必要もあった。だが、古庄さんの熱い思いは伝わり、全ての店から賛同を得る。さらに、「原価分を除く売り上げ全てを寄付に」と、デザインや製作を無償で提供した田添さんの協力もあって1枚の単価を抑えることができ、結果として74枚を受注・製作。そして迎えた23日の再開日、スタジアムグルメブースのスタッフの多くが、このTシャツを着て接客にあたった。白地ベースの余白に、それぞれが抱く思いを書き添えて。
「全店舗の賛同までには時間がかかったのですが、中には東北出身の方がいらしたり、スタグル全体としての支援活動ということで、すぐに賛同してくださる方がいらしたり、最終的にみなさんから賛同、協力していただきました。全店舗で着用できた光景を見た時には本当にうれしかったですし、熊本のスタグルブース一同で、ロアッソ熊本を通じて復興への支援活動ができたこと、そして、想いを、チカラをひとつにできたことは、本当に良かったと思っています」と古庄さんは言う。

余談だが、このTシャツなかなか好評で、試合当日に追加注文が入ったそう(スタジアムグルメのスタッフ用なので、残念ながら一般販売の予定はない)。今後、どういった場面でいつごろまで着用するか検討中とのことだが、特に水戸など被災地のクラブのサポーターも熊本を訪れるわけで、Tシャツにも大きく書かれている通り、この取り組みと胸に記されたメッセージは、他クラブのサポーターと熊本をつなぐ「絆」づくりのきっかけにもなるに違いない。

もとより、熊本のクラブが目指す方向性のひとつに、日本一温かいスタジアムづくりがあり、特色豊かなスタジアムグルメを含めたホスピタリティーの精神は、その根幹をなす要素でもある。その思いを形にしようとする熊本の力を、この1枚のTシャツから感じ取ることができた。

以上

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2011.04.27 Reported by 井芹貴志
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