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【中断期間を振り返る】リーグ戦再開に向けて 〜栃木〜(11.04.19)

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サッカーを心の底から楽しめるようになってきた選手達。シュート練習でウイニングゴールを決めた大久保裕樹選手に駆け寄る水沼宏太選手と鈴木修人選手。復興のキーワードは写真のような「笑顔」だと思う。

鳥栖とのアウェイゲームに向かう途中、羽田空港で被災した栃木。当日、宇都宮に戻ることは難しく、遠征組は空港で一夜を過ごした。震災後トレーニングを2日間行ったものの、メインの練習場である栃木SC宇都宮フィールドの一部区域に損壊が見られたことに加え、ガソリンの給油が思うようにできず別の練習場への移動が難しいため、活動は休止となった。

「動ける人は動いたほうがいい」(大和田真史)。オフの期間に選手達は積極的に支援活動を行った。栃木県内の被災地である矢板市、福島県からの避難者がいる那須町に飲料水を届け、宇都宮市内での街頭募金活動にも参加した。さらに避難してきた子どもたちを対象にサッカー教室も実施。個人で避難所を訪問したり、ボランティア活動に参加する選手もいた。自分に何ができるのか。そう問いかけながら、自分にできることを探し、できる限りのことを、できる範囲で行った。

東日本大震災以来、本格的に再始動したのは3月25日。4月23日からのリーグ戦再開が発表され、ターゲットは第8節・カターレ富山戦(@富山)に定まった。再開初戦での必勝を胸に、10日ぶりに行ったトレーニングでは、チームメイトとの久々の再会に笑顔が見られた。
一方で、「僕達の仕事はサッカーだし、サッカーで勇気を与えることは大切だけど…これだけ被害が大きいと…」。廣瀬浩二をはじめ選手達は整理しきれない思いを抱えている。だが、「避難されている方の中にも、栃木SCの試合を毎週楽しみにされている方がいた。その方達のためにも、トレーニングや試合で頑張る姿を見せることの重要性を痛感した」と那須川将大。サッカーで栃木を、日本を盛り上げることが、最終的には社会貢献に繋がる。気持ちを切り替え、徐々に“日常”を取り戻していった選手達は、高いモチベーションでトレーニングに臨めるようになった。

中断によるコンディションの低下が懸念されたが、震災後初のトレーニングマッチ(4月3日)では大宮を4−2で下し、翌週(4月10日)のF東京戦も3−2で勝利したことで、心身両面に問題がないことを結果で証明した。水戸には0−4と完敗した(4月17日)が、気を引き締める材料を得られたと思えば、悪くないトレーニングマッチだったと言える。水戸戦では選手が募金活動を行い(募金額829,335円)、両クラブのサポーターがメッセージを書き込んだフラッグを交換。試合後、栃木サポーターは仙台と水戸にエールを送った。

中断期間を通して笑顔が持つパワーの大きさを改めて痛感し、サッカーファミリーは常に手を取り合える最高の関係にあることを実感もした。いよいよリーグ戦が再開する。自粛ムードの中で押し殺していた感情、喜怒哀楽を思う存分スタジアムで表現できる。止まっていた時計の針は、4月23日から動き出す。

●再開に向けて 松田浩監督コメント
「リーグ戦再開の日程が発表されてからは、練習グランドも使え、全く普段と変わらなかった。再開の目処が立ってからは、モチベーションも高く保っていた。中断期間に選手には休みを取らせたが、ちょうどいいリフレッシュになったと思う。ずっとトレーニングをしていた西日本のクラブのほうが難しかったのではないかと思う。うちは再開の4週間前、3週間前、2週間前にやるべきことをやり、トレーニングマッチも組んでコンディションを戻せた。目標が明確になったので、モチベーションを上げるのは簡単と言えば簡単だった。震災のために一度休みを取ったことで、サッカーへの飢え、サッカーへの喜びを感じ、いい準備ができている。周囲の方々からは再開を楽しみにしているという感じを受ける。
僕等もそうだが、どんな職業の人でも、自分の仕事をしっかりやるのは当たり前。今回の地震のことを受けて、何かに気付いたり、学ぶというよりも、警鐘だと捉えることが大切だと思う。募金活動や避難所の方々とサッカー教室をやることは、僕等ならではの活動。大袈裟かもしれないが、自分の生き方、サッカーへの心構えや姿勢を持って、きちっとやっていかないといけないと感じているし、それをピッチで表現することが大切だと思う。それが最終的に日本が良くなる、世界が良くなることに繋がる。地震で亡くなった犠牲者の方々の尊い命を無駄にせず、今回のことをいい方向へ繋げることが僕等の使命だとしたら、ひとつひとつのことを今まで以上に一生懸命やることが一番大切だと思う。新たな心構えを持ってサッカーに全力を尽くす。それが有形無形の形で社会に貢献することになる。いい姿勢でサッカーをやりきる、やり抜くことが大切だと思っている」

●再開後のスケジュール
■第8節
4月23日(土)J2 第8節 富山 vs 栃木(19:00KICK OFF/富山チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
■第9節
4月30日(土)J2 第9節 栃木 vs 京都(13:00KICK OFF/栃木グチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
スタジアムアクセス状況

以上


2011.04.19 Reported by 大塚秀毅
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