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【AFCチャンピオンズリーグ2011 名古屋 vs アルア】レポート:本来の強さを取り戻した名古屋が、金崎の2得点などで中東の雄を一蹴。グループリーグ突破への可能性を拡げ、次週のアウェイゲームへ臨む。(11.04.13)

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4月12日(火) AFCチャンピオンズリーグ2011
名古屋 4 - 0 アルア (19:00/瑞穂陸/5,914人)
得点者:27' 金崎 夢生(名古屋)、45'+1 金崎 夢生(名古屋)、61' オウンゴール(名古屋)、77' 藤本 淳吾(名古屋)
チケット情報 | ACL特集
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強固な守備と高い個人能力を生かした攻撃、そしてアドバンテージを握ったあとの盤石な試合運び。昨季のJリーグ王者が、ようやく本領を発揮した。シーズン本格開幕前のFUJI XEROX SUPER CUP以来、公式戦3戦連続で勝ち星を挙げられずにいた名古屋が、UAEのアルアインをホームで4−0と一蹴。今季のAFCチャンピオンズリーグでの初勝利を挙げ、グループリーグ最下位から脱出することに成功した。

「どんな形であれ勝つ、勝点3を取るために明日は戦います」
前日会見でストイコビッチ監督はこう発言していた。1敗1分の未勝利で迎えたACL3戦目に、名古屋は格段の気合を込めて臨んでいたのだ。メンバーと布陣は前週のFCソウル戦とまったく同じ。新人の永井謙佑の能力を生かすために指揮官が用意した4-4-2のフォーメーションには、サイドハーフに突破力のある金崎夢生とゲームメイカーの藤本淳吾、中央に中村直志と小川佳純という万能型のMFを並べる攻撃的な顔ぶれが並んだ。ケネディと永井の相性は前戦を見る限りはまずまずといったところ。それよりも2人のFWを純粋にストライカーとして起用できることに、このシステムの利点はある。永井は俊足を生かしたフォアチェックで守備での貢献度も高く、ケネディへのマークも分散できる。かつて指揮官が「最もバランスの取れたフォーメーション」とした布陣は、再びその有用性を実証しつつある。

前週は中国で杭州緑城とのアウェイマッチを戦い、そのまま日本へと乗り込んできたアルアインの布陣は4-2-3-1。ルーマニア人FWのバデアを頂点に、右にUAE代表MFのアルウェハイビ、中央に司令塔アルアムディ、左にブラジル人アタッカーのエリアスを配してきた。アルサーディ、モハメドの両センターバックは長身でリーチもあり、対人能力も高い。チームを率いるガーロ監督は2006年にF東京を率いており、日本のサッカーをよく知っていることも不気味なところだ。実際、ゲーム序盤の主導権を握ったのは名古屋ではなくアルアインのほうだった。

キックオフとともにボールに襲い掛かったアルアインは、高い位置でのプレッシングを敢行し、名古屋の自由を奪いにかかった。「最初からこちらのDFラインでつながせないような入り方だった」(名古屋・増川隆洋)ことで、生命線のひとつであるポゼッションが封じられた名古屋は後手に回った。狭いスペースでのパス回しが増え、大きな展開からのダイナミックな攻撃が構築できない。それを尻目にアルアインはバイタルエリアと左サイド、つまりアルアムディとアルウェハイビを起点に次々と名古屋ゴールへ迫っていった。

しかし、先制点を奪ったのは名古屋だった。防戦一方の展開の中、試合を動かしたのは前日に指揮官からアドバイスを受けた金崎夢生だ。ペナルティエリア外でパスを受けたケネディがDFの間へスルーパスを送る。斜めに走り込んだ金崎はスピードに乗ってボールを持ち出すと、GKをかわして左足を一閃。「もっとリラックスしてプレッシャーを感じずに、自信を持て」という監督の言葉通りの冷静なゴールは、その後も流れを大きく変える値千金のプレーとなった。リードを奪ったことで落ち着きを取り戻した名古屋は、徐々にボール支配率を回復。前半の終了間際には阿部翔平のクロスを金崎が頭で流し込み、点差を2-0として試合を折り返した。

迎えた後半は、アドバンテージを手にした名古屋が完全に試合を掌握した。5分に金崎がGKとの1対1を惜しくも外し、15分には田中隼磨のクロスをファーで待ち受けていた永井がボレーで叩くも枠の外。16分には小川のグラウンダーのクロスを金崎が合わせに行ったが、DFが辛くもクリアするなど攻勢に出た。アルアインは後半開始からバデアに代えてMFアフバビを投入し、エリアスをFWに配置換えしていたが、いかんせん長旅と前半のプレッシングが体力面で響いた。運動量が目に見えて落ちた相手をよそに、ポゼッション率を高めた名古屋は16分にCKからオウンゴールを誘い3点目。後半32分には小川のインターセプトからパスを受けた藤本が、相手バイタルエリア付近でドリブル突破を図る。急にギアを上げたような鋭いドリブルにDFアルサーディはたまらずファウルで止めてしまい、一発退場。絶好の位置で獲得した直接FKを倒された藤本自身が決め、勝利を決定づけた。4点目を境にアルアインは意気消沈。名古屋はこの後、吉田眞紀人と磯村亮太という若手を投入する余裕すら見せ、4-0の大差で試合をフィニッシュした。

圧勝といえるスコアで久々の勝利を飾った名古屋だが、試合後の選手たちの表情はいたって普通。晴れやかというよりは安堵といった感情のほうが勝っているように見えた。増川が「まだスッキリしない。相手が止まってからできたというのでは」と言えば、阿部も「前半のようなプレッシャーでもボールを回せるようにならないといけない」と同調する。2得点の金崎でさえ、「得点の面ではよかったが、それ以外のプレーでミスがあった」と課題に目を向けた。ここ1カ月の鬱憤を晴らすようなゴールラッシュにも、彼らは浮足立つことがない。名古屋は本来の姿を取り戻したのである。高い決定力と強固な守備に支えられたふてぶてしいまでの勝負強さは、ここにきてようやく発揮されるようになってきた。

これでグループリーグ突破の可能性をつないだ名古屋は次週、敵地ソウルへと乗り込む。まだ突破へ予断を許さない状況であり、アウェイでも勝点3が求められる厳しい条件は変わらない。ホームでは「前半だけ良かった」ソウル戦だったが、次は90分間にわたって「素晴らしい」試合をし、決勝トーナメント進出へ逆転の王手をかけたいところだ。

以上

2011.04.13 Reported by 今井雄一朗
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