3月29日(火) 東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ
日本代表 2 - 1 J選抜 (19:26/長居/40,613人)
得点者:15' 遠藤 保仁(日本代表)、19' 岡崎 慎司(日本代表)、82' 三浦 知良(J選抜)
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※試合当日フォト一覧
※東北地方太平洋沖地震に関するJリーグ&各クラブ情報
※JリーグTEAM AS ONE監督・選手メッセージ
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3月29日の大阪長居スタジアムは、熱かった。本当に熱かった。そこで生まれた遠藤保仁、岡崎慎司、そして「キングカズ」こと三浦知良のゴール。思いの詰まった3得点だけでなく、誰もが復興への祈りを込めてこの場に集い、試合を全力でプレーし、サポートした。日本サッカーの「チカラをひとつに」した試合、「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ」は、人々の記憶に残り、語り継がれるであろう、特別なものになった。
熱気は1日中、会場のある長居公園に充満。「夢の顔合わせ」、さらにカテゴリー別の自由席ということで、前夜からできた席を求める行列は、開場前には、長居公園内の周回道路を1周するほどのものになり、どこもかしこも、日本代表やJリーグ各チームのユニフォーム、そして当日販売された「JリーグTEAM AS ONE」の黄色いシャツを着たサポーターでいっぱいになった。
スタジアムには思い思いの言葉をボードやシャツに書き込んでくる人たちが大勢見られ、仙台や鹿島、水戸への横断幕や旗をはじめ、復興へのメッセージがいたるところに並ぶ。そのなかで始まった直前練習から、場内は興奮のるつぼと化し、時にベガルタコールも響き渡る。選手紹介時は、どの選手にも大歓声。この試合の、国際試合とはまた違う、独特の雰囲気、緊張感が満ちていた。
万雷の拍手の中での選手入場。本田圭佑、長友佑都、長谷部誠をはじめ、日本代表はベストメンバーで先発を組んできた。対するJリーグ選抜も田中マルクス闘莉王、中澤佑二、大久保嘉人といった2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会の主力や、小野伸二、小笠原満男といった蒼々たる顔ぶれが並ぶ。審判団も西村雄一、相樂亨、ジョン・ヘサンのワールドカップでレフェリングを行った3氏が務めた。まさに珠玉の顔合わせとなった。その彼らが国歌斉唱時には選手、審判とも一列になり、肩を組んだ。両ベンチもそうだった。気持ちが1つになった。キックオフ前には黙祷。思いを込めて、試合に臨んだ。
どちらも勝利にどん欲に突き進んだ。3−4−3のフォーメーションを敷く日本代表は、本田、岡崎、前田遼一の前線や、長友、内田篤人の両サイドが積極的な仕掛けを見せた。そして、15分には遠藤がワールドカップのデンマーク戦を彷彿とさせるFKを決めて日本代表が先制。SAMURAI BLUEの選手たちは喪章と指を天に高く突き上げる。その4分後にも本田、岡崎のホットラインで追加点。2−0と差は開いたが、一方でJリーグ選抜も小笠原満男、梁勇基、闘莉王らがひたむきに激しいマッチアップで応戦。見応えのある展開が続く。
仙台サポーターがいつも試合時に奏でる「カントリーロード」が、サポーターから響き渡るなか迎えた後半、全選手を出場させるという意向に基づき、ケガの本田拓也、細貝萌を除く日本代表、Jリーグ選抜の面々が登場。そしてクライマックスは82分に起こった。
GK川口能活のロングフィードを、前線に上がっていた闘莉王が岩政大樹に競り勝ってヘッドで落とす。そこに反応したのが、カズだった。44歳の年齢を感じさせない俊敏な動きで抜け出すと、相手GK東口順昭をよく見てシュートを右足で決めた。スタジアムは一斉に総立ち。全力でもぎ取ったゴール、大「カズゴール」コール、そして拍手喝采のなか披露された渾身のカズダンスの舞いは、長く感じられ、会場の誰もがその瞬間に酔いしれた。試合は2−1で日本代表の勝利に終わったが、それだけでないとてつもない力が、両チームから、会場全体から生まれた。まさにTEAM AS ONEになった。
最後は垣根なく、仙台のマスコット「ベガッ太」のぬいぐるみを抱えていた梁をはじめ、全選手、スタッフ、審判団が並び、「がんばろうニッポン」、“To Our Friends Around The World. Thank You for Your Support”の横断幕と一緒に、” You Raise Me Up” 、” You ‘ll never walk alone ”の曲が流れるなか場内を1周。サポーターもいつまでも拍手を惜しみなく送り続けた。
日本代表主将の長谷部は言う。「被災者や被災地の方々に何か伝わったかというのは、僕らには分からないですが、本当に何かしら届いていることを祈るしかない。今回は成功も失敗もないと思いますが、カズさんが点を決めてくれたりとか、非常に意味のあるものだったんじゃないかなと僕自身は思っています。こういう形での試合は初めてでしたし、どういうふうな形でとか、いろいろ考えましたが、結局その答えというのは見つからないし、それに答えがないということしか、答えとして見つけられないので、とにかく、やれたこと自体は本当によかったと思う」と。あくまで、この試合の成功の意義は、受ける側の立場にあるだろう。でも、この試合に関わったすべての人々の思いは共通する。「これが東北に届くことを祈っている。きっと届いたと思う」(三浦知良)。ここからが、復興への本当のスタートだ。
以上
2011.03.30 Reported by 前田敏勝
J’s GOALニュース
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