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【J2日記】水戸:希望への第一歩(11.03.28)

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(C)佐藤拓也

18日ぶりの練習再開となった水戸。初日からハードな走り込みを敢行したが、選手たちは苦しい表情を見せずに走り切っていた

(C)佐藤拓也

昨年10月の負傷以来、初めて練習場に立った吉原宏太。まだ軽いジョギングしかできないが、他の選手と一緒にいられるのは精神的にかなり楽になることだろう

18日ぶりに水戸が練習を再開した。

3月11日、午後の練習前、ミーティングを開始しようとした時に地震は起きた。「立っていられなかった。地面に手をついて体を支えるのがやっとだった」と本間幸司は振り返る。帰り道、道路のいたるところが陥没・隆起しており、選手たちは「すごい地震だったんだ」(岡本達也)と実感することとなる。試合を2日後に控えていたものの、「それどころではなかった」(岡本)。それからクラブは活動休止に入った。

その間、「町のために何かをしよう」(岡本)という気持ちが選手たちの中から沸き上がった。選手寮に帰った後、選手同士で「自分たちに何かできることはないか」と話し合い、クラブと相談の上、選手たち自ら県庁に問い合わせた。だが、県からの返答は「今のところはありません」というものであった。結局、選手たちは安全面を考慮し、茨城から離れて生活を送ることとなったが、「こういう状況だからこそ、日ごろ体を鍛えている自分たちにもできることがある」(岡本)という思いがあったのは事実。この17日間、いてもたってもいられない気持ちだったに違いない。

久々の練習再開ということで、選手たちの表情からは笑みがこぼれ、明るさに満ちていた。気持ちの中では「まだ東北地方を中心に多くの人が苦しんでいる。だから、心底からは喜べない」(西岡謙太)という思いはあるものの、「今日から僕らがやれることはサッカーだけ。いいプレーをすることで町に元気を与えられると思う」(岡本)と、この日を待ちわびていたに違いない。柱谷哲二監督も「被災地の状況などを見て、サッカーをしていいものなのかと思ったけど、我々の仕事はサッカーをすること。今日、サッカーができて少し幸せを感じています」と笑みを見せた。
18日ぶりの新たな船出。進むべき航路ははっきりと見えている。勝利のために、そして茨城に希望の光を灯すために。水戸は再び走り出した。

そしてこの日、もう1つ大きな朗報があった。昨年10月に左足アキレス腱を断裂した吉原宏太が負傷以来はじめて練習場で調整を行ったのだ。まだ軽いジョギングぐらいしかできないが、これまで半年近く病院でリハビリをしていたことから考えると、大きな大きな第一歩と言えるだろう。「練習場に出てこられただけで、個人的に7〜8割回復したと思っている」と充実した表情を見せていた。試合に出場するまでにはまだ時間がかかるだろうが、彼が練習場にいるだけでチームに大きな影響を与えることは間違いない。

水戸は希望に満ちた第一歩を踏み出した。

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2011.03.28 Reported by 佐藤拓也
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