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【J2日記】水戸:見せてやろう、茨城の力を!(11.03.17)

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(C)佐藤拓也

いつも通りのように見えるケーズデンキスタジアム水戸だが、かなりの被害を受けていた。やがては、ここが「茨城復興」の象徴の地となることだろう

(C)佐藤拓也

スタジアムの外、メインスタンド・アウェイ側の柱の下では約10cmの隆起が起きていた

(C)佐藤拓也

アウェイ側・ゴール裏席の、大型ビジョン裏の陥没

あの大地震から5日経った16日、やっとケーズデンキスタジアム水戸に行ってきました。“やっと”という言葉は大げさに聞こえるかもしれませんが、実際に今の水戸で1時間以上の移動をするのはかなり勇気がいることなのです。
首都圏のように公共交通機関が発達しておらず、車社会の茨城において、ガソリンの枯渇は深刻な問題となっています。昨日、水戸の沼田邦郎社長がtwitterで「5時間並んで2000円分のガソリンを入れることができた」と報告していますが、それが現実なのです。さらに、隆起・陥没している道路が多く、各所で通行止めが行われており、幹線道路に車が集まるため、あちこちで渋滞が起きています。まだいろいろ生活面でも不自由があり、なかなか足を踏み出すことができませんでした。

しかし、多くの人から励ましの声をいただいたことで奮い立つことができ、さらに自宅のライフラインも整ってきたので、“やっと”立ち上がることができました。まずはケーズデンキスタジアム水戸に行き、それから選手たちの取材もできたら…と思ったのですが、実家などに戻っている選手も多いということだったので、とりあえずKsスタにだけ足を運びました。

クラブからの発表によると、スタジアムの被害は甚大だったようです。実際、たどりつくと、一見いつも通りのKsスタがそびえ立っていましたが、中に入ってスタッフの方から話を聞くと、やはりクラブの発表通りの被害があるとのことです。しかも、それは「見た目の状態だけ」で、「これから専門家に見てもらって、あらためてどんな被害があるのかを確認する」らしいです。「メインスタンドの被害が大きく、現段階で観客を入れることはできませんね。復旧のメドは立っていません」とスタッフの人は肩を落としていました。
幸いなことにピッチは無傷のようでしたが、周辺の被害は大きいようです。安全上、スタンドに入ることはできませんでしたが、スタジアムの中と外周を1周したところ、あらゆるところに被害の痕が残っていました。特にスタジアム外周のアウェイ側には大きな被害が…。メインスタンドの柱の下では約10cmの隆起が起きており、ゴール裏の大型スクリーンの下は大きく陥没していました。ほかにも地面に亀裂が入っているところがいくつも見られました。震災当日にはメインスタンドにたくさんボルトが落ちていたとのことで、一見しっかりしている屋根にも危険が潜んでいる状況のようです。一昨年に改築されたばかりのスタジアムとは思えない状況でした。ただ、改築していなかったら、もっと大きな被害があったことでしょう。不幸中の幸いと考えたいです。

そうした中でもスタッフが総動員で復旧に尽力している姿に希望を感じざるを得ませんでした。今回の地震で大きな被害があった東北地方が報道で大きく取り上げられていますが、2度目の大地震の震源は茨城沖であり、茨城県も甚大な被害を受けています。ただ、茨城県の現状が全国放送で報じられるのは極めて稀です。茨城県には民放の支局がないということで、今回の件で全国への発信力の乏しさをあらためて痛感しました。しかし、そうした中でも茨城の人たちは1日でも早い復旧のために本当に努力されています。東京電力の計画停電が実施された初日、被害の大きかった鹿行(ろっこう)地区(鹿嶋市、鉾田市、神栖市、行方市、潮来市)で実施されました。しかし翌日、これらの地区は対象外となりました。ニュース番組によると「twitterを中心に抗議が大きかった」からだそうです。1人1人の声が茨城を救うこととなったのです。

間違いなく今回の震災で茨城県のパワーが一つになろうとしています。それをヒシヒシと感じています。県内の道路や線路は驚くほどのスピードで復旧しようとしています。必ず震災前のように、いや震災前以上の復興を遂げることでしょう。その象徴がケーズデンキスタジアム水戸であり、カシマサッカースタジアムになるに違いありません。茨城にJリーグが戻る時、それが茨城の新たな第一歩なのです。
見せてやろう、茨城の力を! 震災なんかに負けていられるか。みんなで力を合わせて、新たな一歩を踏み出そう。

以上

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2011.03.17 Reported by 佐藤拓也
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