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【J2日記】湘南:震災に寄せて(11.03.16)

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平塚も、揺れた。じわじわと横揺れが大きくなっていく。何かに掴まらないと立っていられない。テレビに映し出される映像に湘南のフロントスタッフは皆、息をのんだ。そうしている間にも大きな余震が襲ってくる。ひとまずクラブハウスの外へ退避した。

松尾直人はマッサージルームにいた。故郷の和歌山で阪神大震災に遭い、かつて所属した新潟では中越地震や中越沖地震を経験した。いずれも直接的な被害こそなかったものの、揺れの体感は遠くない。新潟では震災後に被災地へ足を運んだり、サッカースクールで子どもたちを励ましたりもした。「今すぐに現地へ行って何かできるわけではないのでとても歯がゆい。小さいことかもしれないけど、節電とか自分にできることをしっかりやりたい」。自身の身を案じ、すぐに連絡をくれた新潟や神戸の元チームメイトにも感謝した。

続々と伝えられる報道に、松尾と同じく選手たちは皆ショックを受けていた。「いや、もう映像がショッキングすぎて…」茨城出身の石神直哉と佐々木竜太はともに言葉を失った。選手会長の山口貴弘は、仙台に暮らす妻の祖母の無事を知り、帝京高の後輩で仙台在籍の関口訓充からも返事が届いた。「身近でできること、自分にできることを日々努力したい。小さいことでも積み重ねが大事。一人ひとりが自覚すればできると思う」と語る。

宮城出身の加藤望ジュニアユース監督は、震災当日の夜、両親と繋がった。だが仙台市内の実家は、家屋こそ倒れていないものの壁にひびが入り、家中は物が散乱するなど大変な有様だと聞いた。水道管が破裂して水にも不自由していると知り、ありったけのミネラルウォーターを車に積み込んだが、「いま行っても逆に足手まといになるのではないか」と思いとどまった。震災の翌日には、弟が電話越しに「疲れた」と漏らした。サッカー部の同級生のなかには、いまなお連絡が取れない仲間もいる。精神面を含め、今後を憂う。「他人事ではない。海沿いという意味では湘南も同じ。自分に何ができるかずっと考えている」。監督として自身が預かる選手たちには、「人はひとりで生きてるんじゃない。いろんな人たちに支えられているから普通に生きることができているんだということを改めて考えてほしい」と伝えた。

中越地震を知る反町康治監督も被災地を思う。「心が痛む。我々としてはクラブとしてしっかりまとまることが大事だ」。選手会ではお金を集め、クラブが以前より提携しているNGO「ピースウィンズ・ジャパン」による募金活動もスタートした。被災地の水不足を思い、ミネラルウォーターの使い方に配慮するなど、現場でも身近なところから取り組みを始めている。国を呑みこむ甚大な災害だ。眞壁潔代表は長期的な視野で被災地へのサポートを見据えている。ピッチ内外を問わず、湘南ベルマーレとしてできるかぎりの取り組みを今後も行なっていく。

以上

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2011.03.16 Reported by 隈元大吾
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