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【J1:第1節 鹿島 vs 大宮】レポート:常に大宮が先行する壮絶な打ち合いは劇的な同点弾で幕切れ。鹿島は辛くも勝点1をもぎ取る。(11.03.07)

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3月6日(日) 2011 J1リーグ戦 第1節
鹿島 3 - 3 大宮 (15:03/カシマ/23,262人)
得点者:11' 李天秀(大宮)、47' 伊野波雅彦(鹿島)、49' 上田康太(大宮)、58' 岩政大樹(鹿島)、64' 李天秀(大宮)、90'+3 オウンゴ−ル(鹿島)
スカパー!再放送 Ch308 3/8(火)後01:30〜
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カシマスタジアムに集まった多くの鹿島サポーターにとって、開幕戦のお祭り気分を一気に冷めさせられることからゲームはスタートした。
11分、最終ラインの金英權がボールを持った瞬間、最前線の右サイドよりにいた李天秀が全速力で走り出す。すると、伊野波雅彦の頭上を越えたボールは李の足下へピタリと合い、李が落ち着いてゴールを決め、あっという間の先制点を奪って見せた。FUJI XEROX SUPER CUPとアジアチャンピオンズリーグの上海戦という公式戦2試合をすでに戦っている鹿島だったが、奪ったゴールは野沢拓也のフリーキックの1点のみ。決定力不足が課題となっていただけに、この1点が鹿島の歯車を狂わせた。
その結果、前半は総じて大宮のペースで進む。鹿島の選手たちは攻撃に転じてもお互いの意図が合わない。パスミスが多くなり、両手を広げてお互いの顔を見合う場面が何度となくあった。それは、守備への切り替えの遅さを意味するため、いつものような守備ブロックを築くこともできず、ズルズルとラインは下がってしまう。ボールを奪っても低い位置となり、大宮の守備の切り替えの方が圧倒的に早いため、「サコ(大迫)とか、慎三さん(興梠)に入ったとき孤立していた」(遠藤康)という状態。攻めの糸口は掴めなかった。

しかし、後半から鹿島の動きがガラリと変わる。
「後半に関しては鹿島さんがアクセル全開で来ましたんで、それをどういう風にして耐えるかというのが、ゲームのほとんど、45分間の戦略でした」
大宮の鈴木淳監督がそうふり返ったように、鹿島はなりふり構わず攻撃に出た。しかし、それを引き出したのは、アウェイチームの攻撃力だったということは間違いない。追っても追っても突き放す力強さが、この日の大宮にはあった。

47分、CKのこぼれ球を大宮守備陣が処理しきれずゴール前にこぼれると、伊野波雅彦が右足を振り抜く。シュートはバーに当たりながらゴールに入り、後半早々に鹿島が追い付き、嫌な流れを吹き飛ばしたかに思われた。しかし、直後の49分、伊野波にとっては不運なファウルを取られ、ゴール前でのFKを許してしまう。すると、この日、ボランチで抜群の存在感を見せていた上田康太が左足で魅せる。美しい弧を描いたシュートは曽ヶ端準の手が届かないコースに飛び、ゴール右に吸い込まれた。
だが、鹿島も追いすがる。58分、今度は岩政大樹がCKからヘディングシュートを叩き込み、またもや同点に。ところが64分、タッチラインを割ったと思った鹿島の守備が一瞬ゆるんだ隙を狙い、李天秀が左サイドから逆サイドのネットに突き刺す強烈なシュートを見舞う。大宮が3度目のリードを奪った。

ところが、試合はこれで終わらなかった。大宮は藤本主税を下げたあと東慶悟を入れてフォーメーションを[4-2-3-1]から[4-4-2]へ変更。「鹿島の新井場が高いポジションを取ってきた」(鈴木監督)ということで、ラファエルの守備負担を減らす狙いで布陣を変える。しかし、鹿島の勢いは止まらない。次々と攻撃的な選手を入れると、アディショナルタイムが3分を過ぎた頃、チャンスが生まれる。小笠原満男がタメを作ると、野沢拓也が右サイドでDFの裏を取る。そこへ絶妙のスルーパスが通り、野沢は中央へ折り返す。これに大宮DFはたまらずスライディングで跳ね返そうとしたが、無情にもボールはゴール方向へ飛んでしまい、オウンゴ−ルで辛くも鹿島が追い付いた。

「自信と言うよりも課題の方が多いですね」
試合後、上田康太が残したコメントは両チームの選手に共通するものだろう。大宮にとっては3度のリードを守れず、CKの守備に脆さを露呈してしまった。早急な対応が必要だろう。鹿島は相変わらずの決定力不足。大迫勇也、興梠慎三ともに決定的なチャンスを迎えており、途中出場した田代有三でさえ2回のチャンスを外してしまった。
「山形ならああいうときは入っているんだけど、鹿島だと何故か入らない…」
田代は唇を噛んだ。
ただ、ゴールは決まらずとも、先の2試合よりチャンスが作れているのは僥倖だ。これまでサイド一辺倒だった攻撃も、ゴール前のバイタルエリアを攻略するアイデアが出始めている。
「サイドばかりでもダメだし、中ばかりでもダメ。うちは速攻が好きだからって速攻ばかりでもないし、いろんなことをやっていかないと。自分たちと相手の状況を見てから探っていく。みんなで穴をつくってそこを突くことが大事」
主将である小笠原満男は鹿島の特長をそう話す。攻撃のバリエーションが増えたことは、その理想に一歩近づいたことを意味するはずだ。

以上


2011.03.07 Reported by 田中滋
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