3月6日（日） 2011 J2リーグ戦 第1節
栃木 2 - 1 草津　（13:03／栃木グ／6,144人）
得点者：49' 崔根植（栃木）、75' リカルドロボ（栃木）、86' アレックス（草津）
スカパー！再放送 Ch185 3/8（火）前05:00〜
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試合開始２時間前、グリーンスタジアムのアウェイ側ゲートには草津サポーターによる長蛇の列が出来ていた。草津関係者によるとその数は約800人。新チームの船出に期待を寄せるサポーターは開門とともにゴール裏スタンドを埋めた。そんな熱いサポーターの声援を受けて『決戦』に臨んだチームだったが、その思いに応えることは叶わなかった。草津は、宿敵栃木の２トップのパワーに屈し、無念の開幕黒星スタートとなった。

草津は２月２７日のPSM・F東京戦からメンバー二人を入れ替えてゲームへ挑んだ。左SBにはルーキー星野悟に代えて田中淳、右MFにはコンデションが整わなかった後藤涼に代わり前田雅文が起用された。先発メンバー１１人中、新加入選手はGK橋田聡司とFW萬代宏樹の2人。残りは昨季からのメンバーで、チームには『継続』路線が色濃く表現されていた。だが、チームの連携は微妙にズレが生じていた。・

キックオフ直後、草津にいきなりチャンスが訪れる。左サイドを突破したラフィーニャのクロスへ萬代宏樹がヘッドで合わせる。シュートはバーを越えていったが、草津にとっては幸先良いスタートの予感が漂った。序盤こそ小刻みなパスを繋ぎリズムを築いたが、バイタルエリアから先が停滞、シュートまで持ち込めない。そして時間の経過とともに栃木の組織立った守備網に行く手を阻まれるようになる。前半は共にスコアレスだったが、草津のシュートはわずかに２本。栃木優勢でゲームは後半へと突入する。

気持ちを切り替えて後半に入った草津だが開始直後の49分、ラフィーニャが中盤でボールを奪われカウンターを受けると、カウンターから崔根植に豪快な一撃を決められてしまう。「ラフィーニャにボールが入った時点でチーム全体が前がかりになり、一瞬の隙を突かれてしまった」（佐田聡太郎）。草津は、先制点で勢いに乗る栃木に押し込まれ相手のペースでのゲーム進行を余儀なくされる。そして７５分、栃木がDFラインとGKの間にふわりと蹴ったボールへの対応が乱れ、セカンドボールを拾ったロボに角度のないシュートを叩き込まれ追加点を許してしまう。

２点のビハインドとなった草津はリンコンを投入、ラフィーニャ、アレックスのブラジルトリオで反撃を仕掛ける。８６分、熊林親吾の左FKにアレックスがヘッド合わせて１点を返すと、チーム全体で総攻撃を仕掛け栃木ゴールへと迫る。そして87分には熊林の決定的なシュートがDFの手に当たったかに見えたが、ノーファール。草津はその後も栃木ゴールを脅かしたが、粘る栃木を崩すことができずに無念のタイムアップとなった。

黒星発進となった草津だが、終盤にみせたブラジル人トリオの同時起用には迫力があり今後への可能性を感じさせた。だが、球際で栃木のパワーに屈する場面も多く、草津らしいアグレッシブなサッカーが鳴りを潜めたのも確かだ。またバイタルエリアでのシュート意識が希薄だった。戸田和幸は「縦と横のパスをつなぐサッカーを変えるつもりはないが、パスはゴールを決めるための手段だ」とゴールへの姿勢を求めた。

草津は昨季に引き続き、開幕戦を落とす結果となった。昨季終盤に快進撃を魅せた草津だが昨季の状態を１００％とすると、この日のチームの完成度は遠く及ばなかった。昨季開幕５連敗を喫しその反省をもとに今季のスタートダッシュを狙った草津だが、その願いは叶わなかった。しかし、落ち込んでいる暇はない。「次のホーム開幕戦が大事なゲームになる」（松下裕樹）。傷を負ったチームを癒す術は、次節ホーム開幕・愛媛戦の勝利しかない。

以上

2011.03.07 Reported by 伊藤寿学