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☆2011開幕特集｜totoリーグ ｜顔写真クイズ
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最初のJ1昇格、06年の開幕戦（対清水・小瀬）のときは楽しみばかりで結構イケイケ気分だったような気がする。「恋も2度目なら」なんて歌詞やドラマもあったが、J1も2度目なら、前よりも少し現実的に楽しもうとする気分。攻撃面の課題はあるが、終盤のトレーニングマッチの内容は悪くなかったし、開幕戦なので小姑のような気分ではなく、まだ1回も経験したことはないけれど新婚気分で、磐田を「小瀬」改め「山梨中銀スタジアム」に迎えたい。06年のホーム・開幕戦は清水よりも多くのシュートを打ち、内容も悪くなかったけれど0−2で敗れた。その試合で先発した伊東輝悦と市川大祐は今年から甲府の選手だし、甲府で先発した選手で、今年の開幕戦も先発しそうなのは山本英臣だけ。ベンチにいた選手で今も甲府にいるのは石原克哉と保坂一成だけで、時代が進んでいることを感じる。
今シーズンの甲府は三浦俊也監督を迎え、「ゾーンディフェンス」という言葉を使って表現されることが多いが、トレーニングマッチを見ればそればっかりではなく結構オーソドックスなサッカーでもある。神戸のサッカーを見返しても、三浦監督よりも松田浩監督（現・栃木監督）の方がゾーンディフェンスで要求することは細かい。三浦監督の方が選手の判断力を求めるスタイルかもしれない。三浦監督に対しては、「ゾーンディフェンス」という先入観を持って見ていた部分があったけれど、実際に迎えてみるとそうではなかった――というのが現時点での感想。勉強家なのでサッカーに対するロジックは凄いけれど、体温が30度の人ではない、35度はある。同じレベルのロジックで話をするにはこっちが物凄く勉強しなければならないだけ。これが結構難しい…。
キャンプでは4−4−2でスタートした甲府だが、現時点では新チームの始動前に佐久間悟GMが予想したとおりに4−2−3−1（4−5−1）で開幕戦を迎えることになりそう。（甲府にとっての）大物ブラジル人・フジネイがまだ日本のサッカーにフィットしていない不安と、オフに内視鏡手術をした市川のコンディションが戻るまでにもう少し時間が必要という面があるが、これ以外では重いケガ人もなくチーム状態はボチボチいい感じ。山崎亮平、前田遼一がいる磐田の攻撃陣を最後の最後の部分でちゃんと抑えることが出来るかどうかという守備力を一番チェックしたいが、初めてミッキーマウスの声を聞いたときのようなショックを受けることはないだろう。
問題は、攻撃の熟成がまだ進んでいないという点。ハーフナー・マイクが試験会場で携帯をいじっている受験生並みに警戒される中で、2列目の選手がどんなプレーをするかがポイントになりそう。トレーニングマッチではマイクへのクロスが出るタイミングが遅いのが気になったが、2列目の人材が多いだけに三浦監督がどんな組み合わせを用意するのか楽しみ。2列目でタメを作ることが得意な選手がどうも見当たらないので、一本調子になりそうな不安があるが、これは徐々に改善されていくだろう。クロスの精度が高く、マイクの特徴をよく分かっている片桐淳至が2列目に入れば形が出来そうな気がする。ただ、開幕戦での先発があるのかどうかは三浦監督だけが知っている。甲府の2列目の選手はザックから電話が掛かってくるレベルかどうかは知らないが、誰が出ても出来そうな雰囲気はあるので期待したい。このあたりは今年の甲府の強みになる。
札幌にいる隊長時代（ゴン中山）の磐田に比べて今は地味な印象があるが、ヤマザキナビスコカップチャンピオンというタイトルは伊達ではない。人は地味でもチームは強い。甲府がチグハグなサッカーをやれば何点でも決めてくる。まずは、守備からリズムを作ってマイクと2列目の選手を中心とした攻撃でどれだけ多くの決定機を作ることが出来るかどうかが見所になる。大勢のサポーターが来てくれるだろうからその声を力に、「青赤のユニフォームは甲府」って印象つけるような戦いを見せて欲しい。そして、あのチームがJ1に戻ってきたときには、「だって居なかったじゃん。だからJ1の青赤は甲府」って言えるようになっていれば幸せ。「ウチは青赤じゃなくて、赤青ですから…ごにょごにょ」なんてことは絶対に言わない。
以上
2011.03.04 Reported by 松尾潤
