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【J1:第1節 川崎F vs 山形】川崎F側プレビュー:相馬新監督の初陣は難敵山形。一つずつ積み上げてきた練習がどのような完成形になっているのか、非常に楽しみな一戦だ。(11.03.05)

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※山形側プレビューこちら

新しい指揮官として相馬直樹監督を迎え入れた川崎フロンターレのサッカーはどのような試合を見せるのだろうか。ここまでの準備期間を取材してまず感じたのが、これは相当に頭を使うサッカーになるだろうという点である。常に状況判断を求められる練習メニューの中には、おそらくは完成形がこうなるのであろう、という要素が散りばめられており、その種類の豊富さもあって見ていても楽しめる練習が出来ていた。

例えば、最終的に11対11のフルコートでの戦いが透けて見える中、数メートル四方の狭いグリッドでの練習で、相馬監督が思い描くその基本的な要素を体に染み込ませていた。そうした練習が行われていた1次キャンプ中に今季から新加入の田中裕介に聞いたところ「(練習では)頭を使いますが、体に動きを染み込ませるところまで追い込んでいければいいと思います」と、戦術理解の習得に意欲を見せていた。また2年目の小林悠も「(相馬監督のサッカーは)パスを出したら、動くという事を徹底してますね」と話し、オン・ザ・ボールの局面がオフ・ザ・ボールの局面に切り替わっても動きを止めないことを求められていた。

これらの動きの末に到達するのが、チームが一丸となって守備をするシステムである。そのため、練習ではフィジカルメニューの充実ぶりも目立っていた。例えば1次キャンプ中の1月26日には40秒間のインターバルダッシュというものが行われている。わざと乳酸を溜め、そうすることによって乳酸への耐性をつけるのだというその練習を終えた中村憲剛は「攻撃して、守備して、また攻撃するとそれくらい(の時間、約40秒)になるのかなと思いました。そういうのが(ここまでの練習では)全部繋がってますよね」と充実感をにじませていた。極限まで傷めつけられ、疲労感にまみれているはずの練習後にも笑顔だったのは、それだけ手応えのある練習ができているという事なのだろう。

川崎Fの1次キャンプは、宮崎県などを襲った新燃岳の噴火と火山灰の降灰によって中止を余儀なくされ3コマ分の練習が変更となった。また、宮崎空港の閉鎖と高速道路の不通により鹿児島空港への移動の負担を負うこととなってしまう。この件では同宿してコミュニケーションを深めるという点で問題が出ており、新加入の柴崎晃誠が「(キャンプの中断について)もう少しみんなと一緒に居れば、溶け込めるんじゃないかと。(まだまだ)全然ですね」と頭を抱えていた。ただしチームとしては、噴火したその日には1次キャンプの中止を決断し、午後には本拠地川崎へと移動したことで影響は最小限に留まっていると言える。ちなみにその柴崎も3月2日の練習後には「回りとの連携は取れていますし、コミュニケーションも問題ないです」と話しており、チームには馴染めているようである。
練習試合では2月4日に行われた中央大学との対外試合1試合目において、守備面で高いレベルでまとまりが見られた一方、攻撃面でノッキングしているような印象があった。ただ、そうした問題も徐々に解消されつつあるようで、紅白戦などを見る限りでは個の力に頼らないサッカーが実現できているようである。

練習が、細部から試合そのものへと発展する過程において、選手たちの口から出てくる課題も、自らの動き方から、チームとしての連動性について語られるようになっており、その変化も面白いものがあった。例を挙げると、1次キャンプ中の1月26日の菊地光将の「難しいのは出したら動かないとダメというところ。短い距離のパスなら動けるんですが、長いパスを出した際は、どうしても見てしまいますね。そういう動きを頭の中で理解しないとダメですし、意識したいと思います」という言葉や、稲本潤一の「この時期のキャンプは追い込むものですし、苦しい練習になるのは仕方ないと思います。1年間やれるだけの体を作るキャンプなので」といった言葉のように、キャンプ中は自らを視点としたコメントが多かった。それが練習や対外試合などを経て「行くところと行かないところとの理解はだいぶできてきました。回りの動きを見ながらですが、やりにくさはそんなにないです」と話す楠神順平の言葉や、横山知伸の「攻守の切り替えの際のラインの押し上げについてはよく言われています」という言葉のように、明らかにチームとしての連動した動きについて言及するものへと変化してきている。

選手個人からチーム全体へと共通理解が進捗している姿が透けて見えてきているが、それが結果として現れるのかどうかは、正直なところまだわからない。開幕戦の相手は、相馬監督が「やるべき事をやるサッカーをきっちりやっていると思います。穴が空きにくい」と分析する山形である。しっかりと組織を作り、アグレッシブに守備する局面ではリスクを背負い、サイドからの攻撃を特徴とする鍛えられたチームであり、簡単なものにはならないだろう。また、昨季の天皇杯で敗れた相手であり、タイトルを目指す川崎Fにとっては、ホーム開幕戦ということも含めて勝ちたい試合である。

戦術理解が浸透してきているとはいえ、相馬監督の元での公式戦はこれが初めて。そういう点で川崎Fにとっては未知数の試合となる。一方の山形は小林伸二監督に率いられて4年目。2季連続で山形をJ1に残留させており、この試合でも虎視眈々と勝点を狙ってくるはず。この山形を相手に、川崎Fはどれだけのサッカーを見せることが出来るのか。守備のシステムは機能するのか。その一方で、山形の守備を崩す縦へのスイッチがどの瞬間に入るのか。それらのサッカーがチームとしてどのように機能し、ピッチ上にどんな完成形を映しだしてくれるのか。新加入選手の活躍ぶりは?新しいポジションを与えられた選手はどう動くのか。それこそ一言では語れない様々な観点から試合を見てみたいと思う。非常に楽しみである。

以上

2011.03.04 Reported by 江藤高志
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