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チョンブリの真新しいスタジアムにチビッ子たちの高らかな声援が響く。「がんばれ湘南ベルマーレ！」。チョンブリスタジアムのこけら落としとなった練習試合に、チョンブリFCが地元の日本人学校に通う子どもたちを招いたそうだ。チョンブリサポーターが多数集うなか、小さな応援団の心強い声援に、しかし湘南が勝利で応えることはできなかった。
湘南は練習生3選手を含むメンバーで臨んだ（出場選手は湘南ベルマーレ公式サイトでご確認ください）。システムは9日の練習試合同様、今季より積極的に取り入れている中盤ダイヤモンドの4−4−2である。始動以来テーマとなっているとおり序盤から守備意識高く、特にサイドアタックに対するケアやカバーリングなど守備の連係は取れていた。ただ35分に喫した失点は、ポジショニングの隙を突かれ裏へとパスを通されたことに端を発している。サイドからの折り返しに合わせ、チョンブリFCが先制した。

後半に入り、湘南は臼井幸平がタイミングよく駆け上がってチャンスをつくる。10分には右サイド深くからクロスを送り、加入間もないファビーニョがダイビングヘッドでゴールに迫った。またGK野澤洋輔も速攻を演出した。だがチョンブリFCの、とくに中央は固い。GKの好守もあり湘南の攻撃を阻むと、逆にカウンターを仕掛けた。後半19分、前がかりになっていた湘南の虚を突き、左サイドを抜け出す。オフサイドにも見えたが、いずれにせよサイド深くまでボールを運び、バイタルへの折り返しから枠を捉えた。

2点をリードしたチョンブリFCは、ホームの声援をバックにゲームを支配した。球際で上回り、イーブンのボールをことごとく自分たちのものにする。試合はそのまま2−0で幕を閉じ、家路に就くサポーターも皆こけら落としの勝利に満足げな様子だった。

「自分たちがやろうとしている戦い方以前の問題」GK野澤は厳しい口調でゲームを振り返った。
「ゲームに入る気合いが足りない。意図がなく、球際に強く行くわけでもない。チョンブリFCは皆それぞれ自信を持ってプレーしていた。でも自分たちもある意味、日本を代表している立場だし、せっかく日本人学校の子どもたちも応援に来てくれたのに、申し訳ないし、不甲斐ないよね」

慣れないタイの気候にキャンプで蓄積された疲労と、1週間後に開幕を控えているホームチームとはコンディションに大きな開きがあったろう。攻撃についてもまだまだこれからの段階である。一方、ディフェンス面においてはおおむね整理されているように映ったが、即座の対応や瞬時の状況判断、攻守の切り替えなど、実戦を通して経験値を高めていかねばなるまい。

反町康治監督が就任して以来、過去2年のこの時期のトレーニングマッチは相手を上回ることの方が多かった印象だ。逆に捉えれば、キャンプだからこそいまは課題が出てくるほどいい。球際やハードワークを含めて、実戦でしか得られない教訓がある。「2失点してしまった反省を次に活かさなければいけない」と臼井が口にしたように、この日の敗戦をチーム全体の糧としたい。

以上

＜2011シーズンの幕開け！＞
■FUJI XEROX SUPER CUP 2011
2月26日（土）13：35／日産ス
名古屋 vs 鹿島

■NEXT GENERATION MATCH
2月26日（土）10：40キックオフ（予定）／日産ス
U−18Jリーグ選抜 vs 日本高校サッカー選抜
※この試合はFUJI XEROX SUPER CUP 2011のチケットで観戦できます。
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2011.02.09 Reported by 隈元大吾