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【2011Jリーグプレシーズンマッチ 鳥栖 vs 浦和】プレビュー:お互いに新体制で臨む公式戦初陣は、今季の戦い方を見極めるための重要な一戦となるだろう。「考えるサッカー」を体現できるのはホームの鳥栖かアウェイの浦和か。(11.02.12)

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2月13日(日)2011Jリーグプレシーズンマッチ 鳥栖 vs 浦和(14:00KICK OFF/ベアスタ)
■ベストアメニティスタジアム・ネーミングライツ継続記念試合
チケット情報 | ☆スカパー!で生中継:Ch.181/Ch.191/Ch.801
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『リベロ』というポジションを確立しW杯を西ドイツ(当時)が制したのは、1974年のことだった。準優勝したオランダは、『トータルフットボール』と表現された戦術を用いて人もボールも動かした。時代とともにサッカーも色々な変遷があった。『ゾーンディフェンス』や『フラット3』なども記憶に新しい。
そんな変遷の中でも共通して言えることは、『ボールを失わずにゴールに運び、奪われたボールはできるだけ早く奪い返す』事である。これがサッカーであり、そこに生まれる争点に我々は熱狂する。

今年も、素直に熱狂できるシーズンが始まった。今年のJリーグ公式戦初戦は、2月13日ベストアメニティスタジアムのプレシーズンマッチ鳥栖対浦和戦である。この試合の位置づけをどう見るかで、見所の深さが変わってくることを、述べさせていただきたい。

まず、素直にJ2の鳥栖とJ1の浦和が戦うことを見ていただきたい。
カテゴリーの違うチーム同士が公式戦を戦えることは、互いのファンやサポーターにとって素直に嬉しいことである。J2の鳥栖は『胸を借りる』事ができるし、J1の浦和は『上位カテゴリーとしてのプライド』を持って戦うわけで、結果に対するこだわりは浦和のほうが高くなるだろう。鳥栖は、勝てば自信となり、負けても課題を見つけ出す良い機会といえる。
何より、全日本サッカー選手権大会(天皇杯)ならばいざ知らず、リーグ戦前のこの時期にこの対戦を観ることができるのは、サポーターにとっては嬉しい限りである。

次にリーグ戦開幕の約3週間前と言う時期での両者の対戦を見てみてみたい。
鳥栖は、尹晶煥(ユン ジョンファン)がヘッドコーチから監督に昇格し、チーム全体の指揮を執る。表情は穏やかだが、そのうちに秘めた闘志は、現役時代に見せたままの姿である。彼は、どんな状況でも負けることが嫌いな監督である。いやっ、『常に勝つことに全力を注ぐ』監督である。試合中、テクニカルエリアで激しく激を飛ばす姿は、昨季から見ているファンには、おなじみの光景だろう。今季もその闘志は継続された。
対する浦和も、ゼリコ・ペトロヴィッチ新監督の初陣となる。ペトロヴィッチ監督も練習から勝負にこだわっていている姿勢が見える。練習試合でもベンチからよく声を出している姿を見せていると聞く。前監督同様に、こちらも熱いベンチワークが見られそうだ。

もう一つ、注目しておきたいところがある。両チームのチーム構成である。
鳥栖も浦和も4−2−3−1を基本システムとする。ここまでのトレーニングマッチ(TM)では、昨季と同じシステムで戦ってきている。メンバー構成的にも中盤の選手層が厚くなっている。同じシステムで戦うのならば比較がしやすく、テクニックやフィジカルの有意差も見つけやすい。前述したカテゴリーの違いがどこにあるのか、目指すサッカーの違いは何かなど、サッカー通にはたまらない対戦といえる。

選手にも注目しておきたい。
鳥栖は、広島から岡本知剛が加入した。中盤での運動量も高く、パス精度も持ち合わせている好守の要である。鳥栖の『考えるサッカー』を構成する重要な役割を負っている。ここまでのTMでも、その能力をいかんなく発揮している。彼が高い位置でボールをコントロールすると鳥栖の勝機は高くなる。
浦和にもマルシオ・リシャルデスが加入した。このサイトの読者諸兄ならば、いまさら彼の説明は不要だろう。新潟の大黒柱だった彼が、浦和でもフィットするかは、浦和のサポーターならずとも注目しておきたい。
互いに新加入の選手が、どこまでチームにフィットするのか、その能力を発揮できるのかは、今季の戦いを予想する上ではずすことはできない。既存選手とのチーム内での争いも垣間見ることができるだろう。そして、選手起用にも監督の目指すサッカーが見えるはずだ。

最後にこの試合を通じて、選手の顔と名前と背番号を一致させて欲しい。
昨季からの選手でも背番号が変わった選手もいる。新加入の選手は、その特徴を自分の目で確かめる良い機会である。実は、筆者もその一人で、従来のプレビューなら選手名を多く挙げながら、サッカーの面白さと当該チームの魅力をお伝えするのだが、この次期は事前の情報過多状態で、その検証がなかなかできていない。TMとは違う状況でのプレシーズンマッチ(PSM)はとても重要な情報源でもある。J1・J2のスカウトやテクニカルコーチとて同じであろう。ぜひ、ファンやサポーターも試合を録画して分析してみるのも一興だろう。それができるのも、PSMの楽しみでもある。

オールドファンにはたまらない対戦カードとなった鳥栖対浦和。ともに同じカテゴリーで戦っていた時期もある。2000年のJ2リーグ最終戦は、浦和の昇格がかかった大一番であり、95分の死闘を演じた試合だった。鳥栖には当時出場していた選手はいないが、現GKコーチの高嵜理貴がゴールマウスを守っていたし、浦和では山田暢久が出場していた。
なんていうことを語り合えるのもPSMの良さである。
何より、この勝敗はリーグ戦やその他の大会には影響しないので、素直に試合を楽しむことができる。ただし、警告や退場などは公式試合に持越しされるので、気をつけていただきたい。

泣いても笑っても、2011年リーグ戦の開幕はすぐそこまで来ている。サッカーファンには、一足早い春の訪れといえるかもしれない。今年もこの言葉でサッカー到来を祝いたい。
だからサッカーは面白い。

以上

2011.02.12 Reported by サカクラゲン
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