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【第90回天皇杯準々決勝 山形 vs 清水】レポート:存分に持ち味を発揮した山形を、何とかPK戦で退けた清水。苦しい戦いを制し、タイトル獲得に向けて大きな1勝をつかむ(10.12.26)

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12月25日(土) 第90回天皇杯準々決勝
山形 1 - 1(PK 4 - 5)清水 (13:00/アウスタ/11,719人)
得点者:107' 田代 有三(山形)、109' ボスナー(清水)
チケット情報天皇杯特集
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近年のアウスタでの観戦では、いちばんの冷え込み。まるで冷蔵庫の中で試合をするような寒さだったが、ピッチ上とサポーター席では、非常に熱い戦いが繰り広げられた。

チーム内でさまざまなことがあった清水のほうは、良い入り方ができるかどうかがポイントとなる試合だったが、その意味では、選手たちは期待以上の滑り出しを見せた。開始30秒でアグレッシブなワンツーから岡崎慎司がシュートを打って先制パンチを放つと、球際での競り合いでも非常にアグレッシブな姿勢を見せ、序盤のゲームを支配。ボールを動かしながら左右から攻め込んでいき、コンディション的にも充実したところを見せた。
しかし、山形も負けていない。前半は多少押し込まれるのは承知の上で、まったく慌てた様子もなく、ゴール前でも粘り強い対応で持ち味を発揮。清水の迫力あるサイドからの攻めに対しても、ゴール前はきっちりと固め、2列目からの飛び出しにもしつこく付いて行って、決定的なシュートは打たせなかった。そしてボールを奪った後は、風上の利を生かしてシンプルに前線の田代有三にボールを送り、そのキープやセカンドボールからチャンスをうかがう。また中盤の選手たちも、アンカーの佐藤健太郎を筆頭に、清水の早いプレッシャーを冷静にかわし、前線に供給する回数を徐々に増やしていった。
したがって、前半の主導権を握ったのは清水だったが、山形の粘り強い守りを崩しきることができず、山形も時折、効率の良い攻めで清水ゴールに迫る。その結果、前半のシュート数は、清水が4本、山形が5本と、押されていた山形が上回った。
清水としては、「ボールは回せていたけど、クサビのボールが入った後のプレーも良くなかったし、クロスも相手にけっこう跳ね返されていたので、回させられているという感じはあった」(本田拓也)という面もあったが、「山形が非常に素晴らしいサッカーをした」(長谷川健太監督)という面が大きかったのも間違いない。

後半は清水が風上に立ったが、「チャンスがあれば、ミドルシュートを打っていこう」というハーフタイムの指示もなかなか実際のプレーに表われず、清水の出足が徐々に鈍くなってくる中で山形がペースをつかんでいく。それでも清水が押す時間帯のほうが多かったが、なかなか決定的なシュートを打てない状況は変わらなかった。
そして後半30分過ぎからは、逆に山形が主導権を作り、そんな中での38分の左CK。交代出場の増田誓志(後半開始〜)がゴール前に良いボールを入れ、西河翔吾がフリーになって決定的なヘディングシュートを放つが、これはバーに当たって下に跳ね返されてしまう。これが90分の中ではもっとも惜しい場面で、0−0のまま後半が終わって、勝負は延長戦に持ち越された。

延長戦に入ると、山形にもさすがに疲れが見え始め、プレッシャーが緩んできたところで清水が再び主導権を握っていく。それでも、最後のところでは本当に粘り強く耐えるという山形の良さが変わることはなく、延長前半も0−0のままで終了。このままスコアレスでPK戦かと思われた延長後半の2分、山形の左サイドバック・石川竜也のアーリークロスを宮崎光平が胸で落とし、田代がうまくコントロールしてDFをかわし、左足シュート。これが豪快にゴール右に決まり、山形がわずかなスキを生かしてついに均衡を破った。
しかし、その後は清水が意地を見せる。再開直後から気合いの入った反撃に出て、2分後には兵働昭弘が惜しいシュートを放つ。その後の左CKを兵働が蹴り、ボスナーが一際高いヘディングシュートでゴール右隅に流し込んで、すぐに同点に追いつくことに成功した(延長後半4分)。
120分を過ぎたアディショナルタイムには、右クロスのこぼれ球から清水にとって最も決定的なチャンスが訪れ、岡崎がシュートを放つが、これはGK正面で弾かれてしまい、決着はつかず。ついにPK戦で雌雄を決することになった。

PK戦では、先行の山形が2人目の佐藤のシュートをGK山本海人に止められたのに対して、清水は兵働、岩下敬輔、市川大祐、ヨンセンと順調に決めていく。そのまま5人目までいって、最後のキッカーは岡崎。直前の決定機を外していた岡崎だが、ここはエースの意地を見せてゴール左に決め、清水が難敵・山形を何とか退けて準決勝進出を決めた。
しかし、惜しくも敗れた山形にとっても、来季に向けて十分な手応えを残したゲームであることは間違いない。スコアはなかなか動かなかったが、両チームとも非常に気持ちが入って見応えがあり、クオリティ的も満足できる120分間だった。
それだけに、勝った清水としては、今後に向けて弾みにしたい勝利と言える。試合後には、伊東輝悦と市川大祐の「エスパルス栄誉賞」の授与式が行われ、2人が今後もバリバリとプレーを続ける意志を語った。その2人以外にもチームを去る選手・スタッフは多い。彼らのためにも、現体制での初タイトルを獲得するべく、さらに熱いプレーを準決勝(12/29@エコパ vsG大阪)、決勝(1/1@国立)で見せてほしい。

以上

2010.12.26 Reported by 前島芳雄
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