J2リーグ最終節徳島戦で、千葉所属のJFA・Jリーグ特別指定選手として今年3月の第4節草津戦から出場可能となっていた明治大学の久保裕一がJデビューを果たした。久保以降は新たな選手登録がなかった今季の千葉にとって、最後の新戦力の試合出場だ。
千葉は、市原時代の1998年に習志野高校の菅野拓真、2000年に市立船橋高校の永井俊太(高校卒業後は柏に所属)が強化指定選手(当時の名称)として登録されたが、試合出場はなかった。その後は外部の選手を選手登録して育成するよりもチームの若手選手を育成しようとする方針もあり、久保が登録されるまで特別指定選手は登録されなかった。
だが、久保は神戸清雄テクニカルダイレクターや朴才絃アカデミーマネジャーが名古屋に在籍していた時に名古屋U−18に在籍し、明治大学の神川明彦監督が千葉の江尻篤彦監督の明治大学サッカー部時代の先輩だった縁もあって、潜在能力を高く評価されて登録。週末に大学の公式戦がある週の場合、千葉の練習には主に火曜日と水曜日に参加していた。
千葉の練習を経験したことでの久保の変化について、4月24日の関東大学サッカーリーグ第3節の試合後、神川監督は「今日はチーム事情で試合の途中からサイドハーフにポジション変更したが、チームのために求められたことをしっかりやれる選手で、戦術理解力は図抜けている。でも、今日は自分が点を取れなかったことをとても悔しがっていて、千葉の練習に行くようになってからはゴールに対して以前よりも貪欲になったと思う」と話していた。そして、久保自身は5月15日の関東大学リーグ第7節の試合後、「Jリーガーはシュートを普通にどんどん打っていくので、今年に入ってからは特にシュートを意識してプレーしています。FWは結果が大事なので、ゴールを一番意識してプレーしないといけないと思います」と話していた。
すでに6月30日に来季の千葉加入内定が発表された久保は、千葉の一員としてJリーグの公式戦のピッチに立った前述の徳島戦の試合後、「試合に出る時はかなり緊張していた」ため、60分に交代出場後はタッチラインに近い位置で自分に入ったロングボールを味方に落とす際、ミスをして何度かボールがタッチラインを割る場面もあり、「最初はボールを相手に取られていた」が、「徐々に緊張がほぐれて落ち着けたので、伸び伸びプレーできた」とのこと。だが、徳島戦で記録されたシュート3本はいずれもゴールの枠を捉えられず、「FWなので、ああいうチャンスはしっかり決めないといけない」と反省していた。
今季の千葉の公式戦は全て終了したが、久保には明治大学サッカー部員としての最後の公式戦である全日本大学サッカー選手権大会(通称インカレ)が、12月18日に開幕する。久保は前回大会の決勝戦で決勝ゴールを決めるなど優勝に貢献し、今大会は連覇がかかる。明治大学は今年の関東大学リーグ戦で優勝しているが、近年では関東大学リーグ戦優優勝校は同年のインカレで優勝できていない。だが、徳島戦の試合後、久保は「(インカレも)優勝します」と笑顔でキッパリ宣言。久保の来季につながる活躍に期待したい。
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2010.12.08 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
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12/4のJ2第34節徳島戦でJリーグデビューとなった久保裕一選手。
(C)赤沼圭子
週末は大学の試合、週中は千葉の練習に参加していた久保選手。写真は11月18日の練習の様子。
名古屋U-18時代の久保選手。写真は2006Jユースカップ準決勝vsF東京戦。
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