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いよいよ始まるJユースカップ2010決勝トーナメント。クラブユースの最後を締めくくる大会が、いよいよ佳境に入ろうとしている。グループリーグを勝ち抜いた20チームが一発勝負のトーナメントを繰り広げる。ここでは12月5日から始まるこのトーナメントを、準決勝までの4つのブロックに分けてプレビューしていこう。
※編集部注:トーナメント表の左上のブロックから便宜上A、B、C、Dに分けます
◎Aブロック(磐田ユース、愛媛ユース、センアーノ神戸ユース、京都ユース、湘南ユース)
注目は京都ユースvs湘南ユースだ。京都ユースはアタッカー陣に個性派が揃っている。前線には190cmのハイタワー・三根和起を配置し、時にはキープ力に長け、個でも打開できるFW久保裕也を起用する。どちらも1トップとして前線でターゲットとなり、三根は高さを生かしたヘッドで存在感を示すと、久保は動きながらDFラインの裏へ飛び出すプレーで、バイタルエリアを活性化させる。1.5列目には、駒井善成、伊藤優汰、山下嗣紋という弾丸ドリブラーを配置。彼らが三根や久保を追い越して、矢継ぎ早にドリブルで抜け出していく。誰かが阻まれても、すぐに前線から激しいプレッシャーを掛け、ボールを奪ったら再び迷わず前に仕掛けていく。対する湘南ユースはU-19日本代表の遠藤航が出場できるかどうかがポイントになる。彼はCBでもボランチもこなせる選手。今年の10月には中国で開催されたAFC U-19選手権にU-19日本代表の最年少メンバーとして出場し、CBのレギュラーとしてプレー。結果は準々決勝で韓国に敗れ、来年のU-20W杯の出場権を逃すという憂き目に会ったが、この経験が彼を大きくし、Jリーグでも堂々としたプレーを見せ、着実に成長している。遠藤が出場できれば、チームも締まり、京都ユースの個人技を生かしたサッカーに十分に対抗できる。
磐田ユースは今年苦しんでいる。昨年は高円宮杯全日本ユース準優勝という輝かしい成績を収めたが、今年はクラブユース選手権では東海地区予選で名古屋ユースに敗れ、出場を逃すと、高円宮杯全日本ユースでは広島ユース、柏ユースに敗れて、グループリーグ敗退に終わった。結果を残せていないが、昨年のメンバーが残り、実力は十分にある。塚田玄徳、柳生要造、清水貴文のアタッカー陣を、鈴木凱士と和久田章太の中盤のコンダクターが巧みに操る。この攻撃がどこまでスムーズに行くかが、磐田ユースの巻き返しの鍵となるだろう。愛媛ユースもアタッカー陣が面白い。すでにトップチームでプレー経験のあるFW近藤貫太に注目で、彼は161cmと小柄だが、豊富な運動量と豊富なアイデアを持ち合わせ、バイタルエリアでスペースメーク、ドリブル突破、スルーパス、そしてシュートと幅広い選択肢を持っている。ここに屈強なフィジカルとパンチ力でゴールを陥れる、エースストライカーの金村賢志郎、インテリジェンス溢れるパスと展開力で攻撃を司るMF平田翔也が絡むと、破壊力は倍増。チームが掲げている高い位置からのプレスがはまれば、一気に上位進出する可能性を秘めているチームだ。
◎Bブロック(FC東京U-18、新潟ユース、塩釜FCユース、柏U-18、大宮ユース)
安定感のあるFC東京U-18、新潟ユースと柏ユースが面白い。今年の高円宮杯全日本ユース準優勝のFC東京U-18は、秋岡活哉と前岡信吾の強力2トップに、現在絶好調のMF佐々木陽次の中央のトライアングルを中心に、ピッチを広く使ったアタッキングサッカーが魅力。「今年のチームは両サイドが鍵を握る。攻撃だけでなく守備もサイドがポイントとなる」と倉又寿雄監督が語ったように、武藤嘉紀と江口貴俊の両MF、村松和稀と廣木雄磨の両サイドバックが、豊富な運動量を生かして、サイドで連動しながら、前への推進力を出していくことで、より中央のタレントを生かせるようになっている。サイドでの素早い攻守の切り替えをベースに、一気に相手陣内になだれ込んでいく。リスクマネジメントがしっかりしており、安定感は広島ユースと共に今大会ナンバーワンだ。ここに追随するのが新潟ユースと柏U-18だ。新潟ユースは10月から11月にかけて行われたU-16アジアユース最終予選で主軸として活躍したDF早川史哉と、同代表のFW川口尚紀、安定感抜群の大会屈指のGK渡辺泰広がキーマン。
柏ユースは今年から下平隆宏監督が就任。プリンスリーグ関東参入戦を落とすなど、スタートは良く無かったが、「徹底して選手とコミュニケーションを図った」という下平監督の努力もあり、チームは上昇気流に乗ると、クラブユース選手権では準優勝に輝いた。東京Vユースとの決勝戦でも、延長までもつれ込む大接戦を見せ、躍進の大会となった。1トップの山嵜駿、司令塔の熊谷達也、ワンボランチの相馬大士、U-16日本代表ではボランチを務めるが、チームではCBをこなすスーパールーキー・秋野央樹と、センターラインにパスセンスに秀でた選手が並び、強固な軸を形成。高円宮杯全日本ユースでグループリーグ敗退に終わった悔しさをバネに、安定した力を発揮し、大崩れしないチームに仕上がっている。
◎Cブロック(東京Vユース、千葉U-18、三菱養和SCユース、神戸U-18、札幌U-18)
ここはかなりの激戦ゾーンだ。注目は札幌ユース。今年のチームは1、2年生が多くレギュラーに顔を連ねながらも、3年生が要所を締めている好チームだ。1年生は昨年度の高円宮杯全日本ユース(U-15)で準優勝を果たしたメンバーで、技術が高くドリブルがうまいMF神田夢実と、果敢なオーバーラップとクロスでチャンスを作るDF堀米悠斗。彼らは共にU-16日本代表でも主軸として活躍し、彼らが司る左サイドは非常に面白い。前線には180cmのストライカー下田康太がおり、2年生に目を向けると、荒野拓馬と前貴之のダブルボランチが攻守のバランサーとして、核になっている。そして3年生は夏まで怪我に苦しんだ、すでにトップチームでプレー経験のあるエース・三上陽輔、高速ドリブルと破壊力抜群の左足を持つMF菅原康介、抜群のキャプテンシーを誇る安定感抜群のGK松原修平の3人がチームを引き締める。全学年がバランスよく噛み合っており、この激戦ブロックを突破すれば、頂点も見えてくるかもしれない。
クラブユース選手権覇者の東京Vユースも、全学年にバランスが取れている。GKキローラン菜入、DFキローラン木鈴、高野光司、MF小林祐樹ら3年生がチームを牽引し、すでにトップデビューし、初ゴールも決めている2年生FW南秀仁、U-16日本代表の1年生MF楠美圭史らも存在感を放つ。そして中3ながらU-16日本代表のFW高木大輔、菅嶋弘希も食い込んでくるだろう。特に高木は、トップチームで活躍する高木兄弟(俊幸、善朗)の弟で、U-16日本代表ではサイドバックを務めるユーティリティー。注目の選手だ。幅広い年代が核をなすこのチームも面白い。
名将・黒田和生監督率いる神戸ユースは、左サイドのチャンスメーカー・峯崎聖久、屈強なフィジカルを誇る、終盤の切り札・FW多木理音、アンカーの片岡爽、空中戦に強いCB釘貫泰弘、攻撃的サイドバック・秋山貴嗣ら3年生が成長し、さらにU-16日本代表の184cmの大型DF岩波拓也という、楽しみな1年生がおり、面白いチームになっている。だが、すでにトップチームで活躍しているエース小川慶治朗が出場できるかどうか。彼が前線に入ると、攻撃がより活性化するだけに、ここがひとつのポイントになる。
名古屋入りが内定しているFW田中輝希を中心に、MF田鍋陵太、佐藤聖ら個性的な中盤の選手を揃える、高円宮杯全日本ユースベスト4の三菱養和もおり、どこが勝ち抜いてもおかしくない。
◎Dブロック(横浜FMユース、清水ユース、アミーゴス鹿児島、広島ユース、C大阪U-18)
高円宮杯全日本ユースを制して、勢いに乗っている広島ユースが今大会の優勝候補だ。今年の広島ユースは個々のタレントの質はもちろん、何よりその団結力がすさまじい。もともと熱血漢の森山佳郎監督の下、毎年まとまりのあるチームになるのだが、今年はその質が違う。きっかけは今年のクラブユース選手権。グループリーグ最終戦で、広島ユースはFC東京U-18に2点差以上で勝利し、かつ同グループの京都ユースvs三菱養和SCの試合で、京都ユースが引き分け以下でないと、決勝トーナメントへ進めないという窮地に立たされていた。だがこの試合、森山監督の「闘え!!!!」の檄に選手たちが呼応。何と終了間際に2点差となる2点目のゴールをDF宗近慧がバックヘッドで押し込み、2-0の勝利を飾った。同時に京都ユースが三菱養和と引き分け、まさに広島ユースの執念が引き寄せた奇跡の展開で、大逆転でグループ1位通過を決めた。ここからチームの結束はさらに固くなった。守備の要・宗近、中盤の要衝・砂川優太郎、ハイセンスなストライカー・井波靖奈を中心にまとまり、破竹の勢いで高円宮杯チャンピオンになった。今大会も抜群の結束力を見せてくれるはずだ。
横浜FMユースはクラブユース選手権では準決勝で東京Vユースに敗れ、高円宮杯全日本ユースでは準々決勝で静岡学園に敗れた。頂点まであと一歩のところで敗れており、この大会は勝ちきることを目標にしている。中心はボランチの熊谷アンドリューと、テクニックのあるMF松本翔とMF後藤拓斗。熊谷の展開力から、サイドでも中央でもプレー出来る松本と後藤の2人がフレキシブルに動いて、バイタルエリアを活性化。守備も保田隆介を中心にまとまっており、勝ちきる要素は十分に持っている。それだけに、すでにトップチームに定着しているFW小野裕二が加わるかどうかによっては、さらに可能性は高くなる。
清水ユースは、1年生の頃から注目を集めてきた技巧派MF柴原誠と、前線のパワーパンチャーの柏瀬暁のホットラインが軸。ここにキックセンスがあるMF石原崇兆、U-16日本代表MF石毛秀樹が絡んで、厚みのある攻撃を展開する。C大阪ユースはクラブユース選手権でグループリーグ敗退し、高円宮杯全日本ユースの決勝トーナメント初戦で、広島ユースに1-7の大敗。U-19日本代表のエースストライカー・杉本健勇がトップ昇格で抜けた穴は確かに大きいが、U-16日本代表の期待の1年生FW南野拓実と、身体能力が高いFW風間健治、キャプテンのMF夛田凌輔が中心となって、この大会までには立て直してくるだろう。西日本クラブ代表のアミーゴス鹿児島も、安定感のあるGK船川航司朗がおり、Jユース勢の間に割って入らんとしている。
以上
2010.12.03 Reported by 安藤隆人
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