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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J1:第33節 神戸 vs 清水】レポート:数的不利でも攻めた神戸、茂木のゴールで清水に勝利!執念でホーム最終戦を飾り、逆転残留に望みをつなげる(10.11.28)

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11月27日(土) 2010 J1リーグ戦 第33節
神戸 1 - 0 清水 (14:04/ホームズ/14,061人)
得点者:83' 茂木弘人(神戸)
スカパー!再放送 Ch183 11/29(月)前07:30〜
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崖っぷちの状況でホーム最終戦に臨んだ16位神戸は、数的不利を強いられながら、終盤の茂木弘人の決勝ゴールで1-0と清水に勝利。同日、引き分けた15位F東京との勝点差を1に縮め、最終節での逆転残留に望みをつなげた。

快晴のホームズスタジアム神戸に、14,061人の大観衆が集ったこの一戦。キックオフ前の場外から、神戸サポーターがチームを支えるべく、一体となって勝利へ向けた雰囲気が作られていた。「俺達の歌と手拍子で支えよう」という横断幕が入口に掲げられたホームゴール裏では、サポーターが肩を組んでサポーターソングである「神戸讃歌」を熱唱し、スタジアムに入っていく。試合前、スタジアム全体で「神戸讃歌」を歌ったときには、クラブカラーであるクリムゾンレッドのマッチデープログラムをサポーターが掲げて、スタンドは神戸色に埋め尽くされる。

もちろん、この試合で引き分け以下なら、場合によっては今節でJ2降格が決まってしまう、緊迫した状況だった神戸。それでも、一触即発のピリピリ感というよりは、チームの勝利のために結束して盛り立てようというムードが、スタジアムには流れていた。その要因は、チームが一丸となって戦い、第28節G大阪戦以来、攻撃的な、内容の濃いサッカーで2勝3分と、結果を残しているからに他ならない。そして今節も、サポーターの声援に応える活躍を、神戸のイレブンが見せる。

前半こそ硬さが目立ち、清水に序盤から決定機を作られていく神戸だが、自軍ゴール前でGK徳重健太やDF北本久仁衛ら守備陣が身体を張って相手のシュートをブロックするなど、ピンチを凌いでいく。すると、ケガから3試合ぶりに復帰した吉田孝行、高校生ながらすでにレギュラーの一角として不可欠な存在となっている小川慶治朗らを中心に、攻勢に転じる。

ハーフタイムで和田昌裕監督のもと、立て直しを図ると、後半は完全に主導権をつかんだ神戸。ポポ、吉田、小川と立て続けに左サイドから相手ゴールへ迫り、いつ得点を決めてもおかしくないところまで持って行くが、清水GK西部洋平の好守に阻まれ、さらに75分には攻守にピッチを駆け回り、中盤で機能していたボランチの田中英雄が、2枚目の警告を受けて退場。流れが一旦沈みかけたに見えた。

ただ、その田中が退場となるアクシデントが起こっても、「点を取らないことには、ウチは、今日はもう勝利しか次への望みというのはなかった」(和田監督)こともあり、その退場と同じタイミングで、吉田に代えて森岡亮太を投入した神戸。攻めに出るメッセージをピッチに送ると、これが実ったのは、83分だった。

右サイドバックの石櫃洋祐が仕掛け、右から中に切れ込みながら左足でミドルシュート。そのリフレクションに素早く反応した小川が、ゴール右前に飛び出す。ここで小川は「GKに当たってこぼれたとしても、左サイドから誰かがつめてくれると思って」、右足を振り抜く。シュートはしっかりヒットせず、左側へ流れたが、これに詰めていたのは、左サイドバックの茂木だった。身を投げ出すように、無理な体勢から左足を合わせた、まさに執念を感じさせるゴールで、均衡を破った神戸。スタジアムのボルテージは最高潮に達する。

その後、数的不利のなか、清水の反撃にさらされたが、この貴重な1点を守り切って、白星をつかんだ神戸。タイムアップの瞬間はピッチで、ベンチで、そしてスタンドで、選手やスタッフ、サポーターが勝利の雄叫びをあげた。「今日はスポンサーの方々はじめ、ファン、サポーター、本当にたくさん詰めかけていただき、最後の最後まで選手と一緒に戦ってくれたおかげで勝てた」と会見冒頭に謝辞を述べた和田監督。運命の最終節に向けては、「とにかく点を取って、勝ちに行くサッカーをしていきたい。最後、奇跡を信じて、戦いたい」と、J1残留に向けて、強い意気込みを語っていた。

一方の清水は、前半押し込みながらも、決め手に欠き、「相手が10人になってから、ウチの選手みんなに隙ができてしまった」(岩下敬輔)ことで、J1では神戸に5戦ぶりの敗退。リーグ戦でのACL出場圏内入りも遠くかすむ痛い黒星となった。「時間が経つにつれて、神戸のほうが強い気持ちがあった」と岡崎慎司。長谷川健太監督も「神戸の執念が結果につながった状況だったのではないかと思う」と相手の気迫を讃え、「(最後のチャンスでの)岩下のシュートもベンチから見て入ったと思ったが、ウチの原(一樹)がクリアをするような形になってしまい、あれも今日の試合の流れを象徴しているようなシーンだと思う」と、試合を冷静に振り返っていた。

「泣いても笑っても最後の試合。最後勝って、残留して終われるように、そのためにこの1週間をより充実した内容にして、試合に臨みたい」と神戸の森岡。「監督はじめ何人か今季でチームを去る選手もいる。リーグ戦で、アウスタでやるのは最後だし、いい形で締めくくれるよう、みんなで頑張りたい」と清水の兵働昭弘。神戸も、清水も、それぞれの思いを胸に今季のJ1最終節に挑む。

以上

2010.11.28 Reported by 前田敏勝
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