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【J1:第33節 広島 vs 仙台】プレビュー:ホーム最終戦、J1残留を掛けて乗り込んでくる仙台に対し、広島はサポーターのために全力を尽くす。(10.11.26)

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11月27日(土)J1 第33節 広島 vs 仙台(17:30KICK OFF/広島ビチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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広島が唯一、リーグ戦で勝利していないクラブが仙台である(栃木や富山、北九州など未対戦チームをのぞく)。無人の野を行く独走状態だった2008年のJ2時代も、2分1敗。広島ビッグアーチでの闘いでは、広島が圧倒的に攻め込んだのにゴールできず、後半アディショナルタイムに中原貴之がヘディングを決めて仙台が辛勝するというドラマティックな展開。中原のマークを外してしまった森脇良太は、試合後、涙が止まらなかった。
ちなみに、2002年に行われた広島のホームゲームでは、延長戦でDFのバックパスを藤吉信次にさらわれ、Vゴール負けを喫した。この試合に敗れたことで広島はJ2降格へと加速してしまい、勝者となった仙台はJ1残留に大きな一歩を踏み出した。このような過去の歴史を考えても、広島対仙台戦は一筋縄ではいかない宿命にあるようだ。

広島は前節・清水戦での敗戦により、来季のACL出場の可能性が断ち切られた。今季最大の目標が潰えたことで、チームを包む落胆の色は色濃い。ただ、そんなムードを払拭するべく、中島浩司は淡々と語る。
「ACLを目指していたけれど、それがサッカーの全てではない。少なくとも、サポーターがスタジアムに足を運んでくれるかぎり、いいサッカーをお見せしようと努力するのは当然のこと。試合があることそのものが、僕らにとってのモチベーションなんです」
特に対仙台戦は、今季のホーム・ラストゲーム。ACLからヤマザキナビスコカップ、そしてリーグ戦。ケガ人をたくさん抱え、一歩間違えれば残留争いに巻き込まれる可能性すらあったチームを支えてくれたサポーターのためにも、選手たちは少しでも上を目指して闘わねばならない。それが、プロとしての責務である。

一方の仙台は、黙っていてもモチベーションが上がる闘いとなる。明日の試合で引き分け以上の結果を残せば、自力でJ1残留を決めることができるのだ。気持ちが高ぶらないはずがない。ただ、「引き分けでもいい」という状況は、仙台にとっては一方で難しい状況を余儀なくされる。もし14時キックオフの神戸対清水戦で神戸が引き分け以下の結果に終われば、仙台のJ1残留は闘わずして決まる。そうなれば、プレッシャーからも解放され、自分たちのサッカーを広島にぶつけることができるだろう。だがもし神戸が勝てば、仙台の選手たちに「引き分け以上が必要」という重圧がのしかかり、必要以上に失点を怖がる状況に陥ってしまうかもしれない。

攻撃的な広島を相手にする以上、守備をベースに闘うことは当然だが、その意識があまりに強くなり過ぎると、10試合10得点と絶好調の李忠成や抜群の切れで毎試合得点に絡んでいるミキッチらをはじめとする広島攻撃陣の圧力に、腰が砕けてしまう可能性もある。仙台にとって重要なのは、チャンスがつかめずとも焦ることなく、しっかりと我慢して守り続けること。それができれば、得意のセットプレーによって勝利のチャンスをつかむことができるはずだ。特に広島は、そのセットプレーでの守備に大きな問題を抱えているチーム。ヤマザキナビスコカップ決勝では、5失点中3点をセットプレーで決められ、G大阪戦も清水戦も致命傷となった2点目はセットプレーから失っている。梁勇基の精度の高いキックと中原や赤嶺真吾らの高さが噛み合えば、広島は厳しい状況に追い込まれるだろう。

広島はここまで、セットプレー時には西川周作が積極的に飛び出し、高さに欠けるDFをカバーしながらピンチをしのいできた。だが最近は、紫の守護神の飛び出しをファウルギリギリでブロックするチームが増え、その密集の中で身動きがとれなくなり、フリーでシュートを打たれるシーンが増えている。マンマークで守る広島としては、その「広島対策」をふまえて集中力を研ぎすまし、どういう状況でもフリーの選手をつくらないよう、コミュニケーションを密にして守ることが重要だ。

最近の広島は森崎和幸と青山敏弘を中心とした中盤が抜群に機能し、質の高いサッカーが展開できている。ただ、つまらないミスやセットプレーでの失点によって、広島のサッカーへの評価が実情以下になっていることも否めない。そういう「安い失点」(ペトロヴィッチ監督)をゼロに抑え、「これが広島サッカーだ」というプライドを見せつける。それこそ、チームをずっと支えてくれた紫のサポーターに対する感謝表明となるだろう。

以上

2010.11.26 Reported by 中野和也
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