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【J1:第28節 横浜FM vs 広島】レポート:横浜FM中村の真骨頂。芸術的パスで勝敗を決す。広島は『決戦』前に内容では及第点。(10.11.01)

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10月31日(日) 2010 J1リーグ戦 第28節
横浜FM 2 - 1 広島 (15:05/ニッパ球/12,568人)
得点者:24' 高萩洋次郎(広島)、33' 小野裕二(横浜FM)、81' 清水範久(横浜FM)
スカパー!再放送 Ch181 11/2(火)後11:00〜
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試合後、両監督は奇しくも同じ言葉を口にした。
「いいゲームだったと思う」
勝った横浜F・マリノス木村和司監督がそう言うのは分かるが、敗れたサンフレッチェ広島ペトロヴィッチ監督のそれは「負け惜しみ」と、受け取られるかもしれない。だが、違う。「いいゲーム」を『共演』していたのは確かだろう。お互い攻撃的サッカーを標榜するチーム同士。ポゼッションを大事にするため、無駄に蹴るクリアが少なく、攻守の切り換えが速かった。

特に前半は、その部分で広島の方が良かったように思う。守備の際は全員で中央を固め、攻撃に転じれば、両サイドの山岸智、森脇良太が一気に高い位置へ駆け上がる。続いて3バックの左右、槙野智章と横竹翔もグッと開き、サイドバック然とした動きで、攻撃をサポート。彼らのオーバーラップを引き出す、トップ下2枚の高萩洋次郎、高柳一誠のボールキープ、ダイレクトプレーも巧妙で、序盤は相手のバイタルエリアを上手く突いていた。
24分の先制点も高柳の縦パスが起点に。球足こそ長くなったが、相手DFが処理にもたつく間、李忠成が後方からカット。こぼれ球を高萩が押し込んだ。

前半の横浜FMは、「攻撃の時にどこでスピードを上げるのか、どこに狙いをもって行くのかという部分で、もっと徹底できればよかった」(田中裕介)。足元のパスが多く、全体的には一定のリズムで攻めるため、相手を崩し切れずにいた。

しかしこの日は、希代のファンタジスタが別次元のプレーで、停滞した流れを変えてしまう。それは中村俊輔のこと。横浜FMは中盤の形を、前節までのボックスからダイヤモンドへ変更。トップ下に入った中村は自由に動き、下がってボールをもらうことも。そこから広い視野を生かし、相手の急所をえぐる正確無比な左足のミドル、ロングのフィードを展開した。前半だけで5本ほど、高精度のパスが見られ、そのうちの1本が先制点につながる。
33分、自陣から中村は逆襲のロングパスを、前線左サイドを走る山瀬功治へピタリと合わせる。山瀬はDFと交錯したが、田中がシュートを放ち、小野裕二の頭に当たってゴール。
81分の清水範久の逆転弾も中村が演出。ノールック気味のミドルパスを、右サイドを疾走した栗原勇蔵へ。栗原の折り返しを清水が決めた。

チーム全体として良かったのは、むしろ守備面の方かもしれない。「迫力をもってボールを奪いに行くことができた。逆に取りに行けない時は、相手にボールを回させていた感じ」(飯倉大樹)と、意思統一が明確に図れていた。後半、広島自慢のパスワークを、ほぼ発動させずに済んだのはそのためだ。
この日の守備と中村の好調が続けば、ACL出場圏内へまだ十分、近づける。
 
3日にヤマザキナビスコカップ決勝を迎える広島は、リーグ戦の無敗ロードが途絶えたわけだが、「いいゲーム」ができたことはプラスのはず。また、佐藤寿人がケガ明け後、初のベンチ入り。今回出番はなかったが、頼れるエースの復帰は決戦に向けて、まさに朗報である。

以上

2010.11.01 Reported by 小林智明(インサイド)
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