10月30日(土) 2010 J2リーグ戦 第32節
岐阜 0 - 1 横浜FC (16:04/長良川球/3,013人)
得点者:90'+1 久木野聡(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch186 10/31(日)後08:00〜
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結果は岐阜が横浜FCに0-1で破れ、ホーム無敗が8試合連続で途切れた。この結果はある意味妥当で、ある意味妥当ではなかった。簡単に言えば、勝てる試合でも、負けるべく試合でもなかった。
それはいったいどういうことか。この試合は両チームにとって、決め手が無かった。試合前、岐阜にとってのポイントは、横浜FCの出場停止選手CB早川知伸の代役が誰になるかであった。蓋を開けてみると、本来はボランチのホベルトがCBに下がり、サイドのチャンスメーカーの高地系治をボランチに、左のサイドハーフにエデルを起用してきた。
この采配に岐阜は手を焼いた。岐阜の戦い方は、岡山戦の後半と同様に、押谷祐樹と嶋田正吾の2トップを置き、いつもの佐藤洸一をターゲットにした縦関係の2トップではなかった。押谷と嶋田の裏を突く動きを生かして、バイタルエリアを攻略し、チャンスを作ろうとする狙いであったが、CBに身をおいたホベルトによって、思うように切り崩すことは出来なかった。
立ち上がりチャンスを作ったのは横浜FCの方だった。横浜FCは阿部巧、野崎陽介の攻撃的な両サイドバックをうまく使いながら、攻撃のリズムを掴むと、3分には右サイドを突破した野崎のマイナスの折り返しを、フリーのDF渡邉将基が狙うが、これはバーの上。16分にはクリアボールをMF武岡優斗が強烈なミドルを放つが、これはGK野田恭平のファインブロックに阻まれた。
対する岐阜も22分に右サイドの西川優大からの折り返しを、嶋田が狙い、そのこぼれに押谷が反応するが、これはGK関憲太郎のファインセーブに阻まれた。だが、その後は押谷がボールを持っても、「ホベルトはフィジカルが強くて、裏に抜けることが難しかった。それによって縦パスを受けるより、サイドから行くことが多くなってしまった」と語ったように、ホベルトの存在がひとつのブロックを作り出し、結果として裏のスペースを消され、サイドに押し出される形となってしまった。
それでも押谷は当初の狙いであるボランチとCBのギャップで受けようと動くが、より厄介になったのが、押谷にボールが入るたびに強烈なプレスバックを仕掛けてくる高地の存在だった。高地は視野の中に常に押谷を入れ、彼にボールが行く流れになると、必ずといっていいほど身体を寄せて、ホベルトと共に強烈なプレスバックを仕掛けた。これにより押谷は自由に前が向けなくなり、岐阜の攻撃の生命線である前線の起点が遮断される事態を招いてしまった。
しかし、横浜FCもうまく岐阜の起点をつぶし、リズムを分断することが出来たが、反対に攻撃面では、ホベルトがCBに下がった影響で、中盤でタメが作れず、奪ってからサイドを突くまではいいが、一度攻撃がテンポダウンしたときに、思うように仕切り直しが出来なかった。本来はホベルトと八角剛史のダブルボランチがDFラインの前でブロックを形成し、ボール奪取から鋭い展開を見せるが、テンポダウンすると、すぐにこのダブルボランチがボールを収め、攻撃を再構築する時間を作っていた。だが、この試合ではそれが思うように出来ず、高地も押谷への守備と、奪ってからの素早い縦への仕掛けなどで、攻撃のアクセントにはなってはいたが、ボールを落ち着かせるまでには至っていなかった。
こうした要因が、試合をどちらかに決定付けるまでには至らせなかった。試合は共に決め手を欠き、必然のドローの流れで進んでいった。だが、横浜FCがその必然を断ち切った。断ち切ったのは、84分に武岡に代わって投入されたFW三浦知良だった。
カズは投入されるや否や、岐阜のバイタルエリアで抜群のポジショニングを見せた。うまくボールを引き出しては、ワンタッチ、ツータッチのシンプルなプレーで、サイドに展開したり、2列目に預けて、2次動作に移るなど、投入されたばかりとは思えないスムーズな動きを見せた。これにより、バイタルエリアを経由せずにサイドに展開されていたボールが、カズを経由するようになり、岐阜にとっては嫌な位置で起点を作られ、徐々にDFラインが下がり、より全体が間延びをしていった。
そして横浜FCは、ようやく掴んだ攻撃のリズムを逃さなかった。ロスタイムに突入し、1分が経過しようとしたとき、前線にロングボールが放り込まれる。落下地点にDF田中秀人が入ったとき、ファーサイドには反応したカズが待ち受けていた。そこに目が行ったのか、田中のヘッドはバイタルエリア付近に戻ってしまった。すると間延びして出来たスペースに交代出場のFW久木野聡に走りこまれ、決勝弾を浴びてしまった。
一人の選手の投入で、流れは変わり、試合を決定付けた。カズの投入までは、この試合はドロー決着が妥当であった。それを一人の大ベテランに覆された格好となった。
0-1。この結果はある意味妥当で、ある意味妥当ではなかった。結果として、三浦知良という一人の偉大なるフットボーラーの凄みを見せ付けられた。
以上
2010.10.31 Reported by 安藤隆人
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