10月30日(土) 2010 J1リーグ戦 第28節
浦和 0 - 1 山形 (15:04/埼玉/21,625人)
得点者:81' 田代有三(山形)
スカパー!再放送 Ch180 11/1(月)後11:00〜
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シュート数は山形の倍以上となる22本を記録した。CKの数を見ても、13対2と浦和が圧倒した。しかし、結果は0−1。山形がセットプレーの一撃で勝ち星を掴んだ。浦和は「山形が勝つならこれしかない」という形でやられ、大事なリーグ終盤戦で2連敗を喫してしまった。
主導権を握ったのはやはり浦和だった。立ち上がりからボールをつなぎ、敵陣でゲームを進めていく。山形は小林伸二監督から「今日はあまり行くな」という指示が出ていたこともあり、引いて守ってゴール前で跳ね返す時間帯が続いた。
ひたすら耐え忍び、数少ないチャンスを待つ。「引かれることはわかっていた」と浦和・細貝萌が語ったように、それが山形の持ち味であり、勝つための戦い方でもある。「立ち上がり20分、最大に集中しなければいけないところでうまくいったと思う」。小林監督は序盤に失点を許さなかった選手たちを称えた。
ただ、山形の守備は必ずしも完璧だったわけではない。DFラインが引いて守りを固める一方、前の選手が高い位置から中途半端にプレッシャーをかけにいくシーンが何度も見られた。複数人で連動して追い込むわけでもなく、出足も鈍かったため、プレスは簡単にかわされていた。守備では、陣形をコンパクトに保つことが重要な要素の一つだが、山形は前と後ろがバラバラに動くことで間延びするケースが珍しくなかった。「相手は前から来ている人もいたし、DFライン自体は深かったから回せた」と柏木陽介も振り返っている。
浦和は間延びしてできたスペースを縫うようにパスを回し、チャンスも作った。特に目立っていたのがエジミウソン。スペースでうまくクサビのボールを受けて起点となり、前を向けたときはゴールも狙った。背番号17は前半だけで6本ものシュートを打っている。
試合開始から30分くらいまでは浦和が押し込んでいた。だが、守備陣が軽率なプレーを連発したことで試合の流れに変化が生じる。サヌの無謀なサイドチェンジと山田暢久の処理ミス、坪井慶介の不用意なボールロスト、そして山岸範宏のパスミス。前節の磐田戦で高い授業料を払ったはずだったが、集中力を欠くプレーが立て続けに出てしまった。「ああいうので流れが変わることがある」とは小林監督の弁だが、実際に風向きが変わった。
それまでの山形は全く攻め手を欠いていた。ボールを取ったらすぐに前方のスペースに大きく蹴り、1トップの長谷川悠を走らせてどうにかしようという、非常に可能性の低い攻撃しかできていなかったが、浦和のミスが頻発した時間帯を境に息を吹き返した。前半終了までの15分間で3回ほどいい形を作っている。
ただ、後半に入ると再び浦和がペースを握る。ハーフタイムで宇賀神友弥に代え、高橋峻希を送り出したが、この交代策が当たった。高橋は後半開始5分にクロスでチャンスを作ると、66分にも決定的なクロスを入れ、72分にも鋭いクロスでエジミウソンのチャンスを演出した。体を張る献身的なプレーと当たりの強さ。高橋は持ち味を存分に発揮し、カンフル剤となった。
後半はほとんど浦和のハーフコートゲームだった。試合展開も前半の形とほぼ同じ。山形は4−1−4−1(4−3−3でもいいが)とバイタルエリアにMFが1人という形で戦っていたが、浦和はアンカーの両脇にできるスペースを使うことでペナルティエリア付近まで容易にボールを運べた。試合後、北村知隆は「サイドバックが中につられることが多くて、上下動が多くなったのできつかった」と振り返っていたが、サイドバックが中に引っ張られていたのは、アンカーの両サイドにスペースができていたのも原因の1つだ。
浦和はバイタルエリアまでは攻略できた。しかし、そこから先で手こずった。縦のパスは通る。だが、クサビの落としが収まらない。ワンツーが決まらない。ラストパスが通らない。仕掛けのテンポが一定。フォルカーフィンケ監督が「今日はペナルティエリア内で得点を決めるために必要なメンタルの強さ、質を発揮できなかった」と嘆いたように、フィニッシュの局面で精度を欠いた。
山形の奮闘も光った。中盤での守備は完璧ではなかったが、ゴール前での粘り強い対応は称賛に値した。選手全員が懸命に戻り、体を投げ出してゴールを死守したシーンは一度や二度ではなかった。GK清水健太のファインセーブも何度か飛び出した。
そして81分、山形はワンチャンスをものにする。数少ないFKの機会を得ると、石川竜也のキックに田代有三が頭で合わせた。「ちょっと離れていたら、ラインが下がったので、その隙に前に出ようと思った」というエースの動き出しは見事で、シュートの場面ではフリーになっていた。
浦和は最も注意すべきセットプレーの一発に沈んだ。山形は技術では浦和に劣ったかもしれないが、気迫で凌駕した。東北の戦士たちはどこまでも精悍で、どこまでも凛々しかった。
以上
2010.10.31 Reported by 神谷正明
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