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【J2日記】福岡:それは渋谷の居酒屋で始まった〜アビカラプロジェクト〜(10.10.27)

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(C)中倉一志

カラーゴールネットの贈呈式。左から、アビカラプロジェクト代表の谷脇良也さん、河野創さん、吉武亮さん、そしてアビスパ福岡代表取締役社長・大塚唯史氏。

(C)中倉一志

贈呈式に駆け付けた関東在住のサポーターの面々。関東方面でのアウェイゲームに駆け付けて熱い応援を続けている。今回のアビカラプロジェクトにも積極的に参加した。

(C)中倉一志

ネイビーとシルバーに染められたカラーゴールネット。サポーターの思いのこもったゴールネットが揺れるたびに、クラブとサポーターのきずながより一層強くなっていく。

10月24日、アビスパ福岡の歴史に新たな2つの出来事が記録された。1つはレベルファイブスタジアムで初めて開催された福岡ダービー。「我々にとって歴史の第一歩。絶対に負けるな」。篠田善之監督は、そう言って選手たちをピッチに送り出した。

そして、もう1つは、関東在住のサポーターが中心となって進めてきた『アビカラプロジェクト』から、ネイビーとシルバーの格子模様のゴールネットが寄贈されたこと。「プロジェクトは、レベルファイブスタジアムを少しでもアビスパカラーに染めたいとの思いで始まりました。これをきっかけに、スタジアムがより一層アビスパカラーで染められるようになり、1人でも多くの方たちにクラブをサポートしてもらって、J1昇格を果たし、何時かクラブがJ1優勝を果たすための力になれればいいなと思います」。主要メンバーの1人である谷脇良也さんは、プロジェクトの経緯を話す。

そのゴールネットが揺れたのは20分。こぼれたボールを拾った末吉隼也のクロスボールは、ファーサイドのスペースに入り込んでフリーになっていた中町公祐へ。そして、中町がヘディングで折り返したボールを永里源気が押し込んだ。湧き上がる歓声。抱き合う中町と永里。それは、単なる先制ゴールではなく特別なゴール。チームとサポーターの絆をさらに深める新たな歴史が始まった瞬間だった。そして、さらに祝福のゴールは続く。24分、山形辰徳のアーリークロスに合わせて北九州の最終ラインの裏へ飛び出した大久保哲哉が頭で合わせた。お祭りごとならこの男。それはサポーターの気持ちに応える最高のゴールになった。

『アビカラプロジェクト』。それは渋谷の居酒屋での会話から始まった。現在、Jリーグのクラブで、ゴールネットをクラブカラーに染めているクラブは多い。その中で、愛媛FCはサポーター主体で設置されたもの。だったら、アビスパサポーターにだってできるんじゃないか。そんな会話だった。日頃から、クラブをサポートするということはどういうことかを話し合っていた関東の仲間たち。その会話がきっかけになりプロジェクトが動き出した。具体的な形になったのは2月頃。開幕戦でチラシを配り、ブログやツイッターを使って募金活動を開始すると、全国に住む多くのサポーターから賛同の寄付が集まった。そして10月24日、北九州とホームで戦う歴史的な日に、サポーターの思いが形になった。

「僕たちの活動に多くの人たちが興味を持ってくれて、そして、クラブからの協力をいただいて、やっとここまで来れました。実際にゴールネットを見た時は涙が出そうで鳥肌が立ちました。でも僕たちはきっかけを作っただけで、多くの人たちの支援がなければできなかったことです。ですから、これはサポーターのみんなで作り上げたもの。最高です」と話すのは、同じく主要メンバーの吉武亮さん。そして、同じく河野創さんは、「スタンドに駆け付けたお客さんがゴールネットを見て変わっていると気づいてくれることがうれしいし、それをサポーター主体でやれたということを知ってくれることがうれしい。これをきっかけに、『じゃあ私はこういうことをしてみよう』とか、『こんなことをやるのもいいんじゃないか』と考えてくれる人たちが1人でも増えたらいいなと思います」と振り返った。

大上段に振りかぶって行動する必要はない。何気ないことや、ほんの小さなことでもいい。クラブに関わるそれぞれの人たちが、それぞれの立場でクラブを支えるために何ができるかを考え、そして、自分のできることから行動に移していく。それは最初は小さな力。でも、全国に散らばる仲間たちが同じ思いでつながることで、それは大きな輪とになり、やがて、自分たちが思い描いていた以上の力になる。それはクラブとサポーターをつなぐ絆。そして、その絆が街とクラブをつないでいく。

これから先、何度もネイビーとシルバーのゴールネットが揺らされることだろう。そのひとつ一つがアビスパ福岡の歴史として、みんなの心に刻まれていく。その積み重なる記憶とともに、アビスパ福岡と、それを支える人たちの輪は広がっていく。そして誰もが、クラブがJ1昇格を果たし、いつかはJリーグで日本一になる夢を胸に描く。
けれど、もっと大きな夢がある。それは、アビスパ福岡が、福岡の街で生まれ育った喜びと、この街に関わって生きる誇りを象徴する存在になること。そして、街がアビスパカラーで溢れること。アビカラプロジェクトはその第一歩だ。

以上

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2010.10.27 Reported by 中倉一志
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