10月24日(日) 2010 J1リーグ戦 第27節
大宮 2 - 2 川崎F (16:00/NACK/10,740人)
得点者:5' 矢島卓郎(川崎F)、11' 森勇介(川崎F)、49' 深谷友基(大宮)、69' 石原直樹(大宮)
スカパー!再放送 Ch181 10/26(火)後00:30〜
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1シーズン34試合を戦う中で、どの試合も平等に重要ではある。だが、開幕戦、最終戦を始め、単純な勝ち点計算を超えた意味合いを持つ試合もある。今季の第27節川崎F戦も、そのひとつであった。試合前から熱気が高まったこの1節、何がなんでも勝点3が欲しい試合だった。だが、結果は勝点1に留まった。試合には上々の入りを見せるも、あっという間に2点を先行される。だが、後半に入りセットプレーから執念の2得点。鈴木淳監督も「選手の意地が見えた」と表現する戦いぶりを後半は見せた。ただ、それだけにあっさり失った2失点が悔やまれる。藤本主税は「簡単に2点を失った前半を見るのか、追いついた後半を評価するのか、どう考えたら良いのか分からない試合」と腑に落ちないような表情を見せていた。
試合の立ち上がりは大宮のものだった。キックオフから1分も立たないうちに李天秀がシュートを放ち、気合を見せ付けた。だが、あっさりと試合の流れは川崎Fのものとなる。5分には、黒津勝のポストプレーから矢島卓郎が抜け出し先制点を叩き込む。すると、11分には追加点まで奪われる。中央のエリアで中村憲剛が左サイドを走る小宮山尊信へスルーパスを送ると、小宮山は中へクロスを入れる。そこへ森勇介が走りこみ右足で落ち着いて決める。さすがに優勝争いに絡む川崎Fは、大宮の中盤と守備陣の間にできた一時的なギャップを見逃さなかった。更に、そのカウンターのスピードは、大宮の比ではなかった。もちろん前線の選手たちが俊足であるが、全体としてカウンターのチャンスだと判断した瞬間からゴールへ向かうスピードが圧倒的に速く、大宮としてはイヤなムードが漂いかけた。
だが、2点先制したあと川崎Fが試合のペースをスローダウンさせたことで大宮はペースを取り戻していった。22分、ペナルティエリアやや外ピッチ中央で、金久保順からの横パスを受けた金澤慎が右足を振りぬく。これはポストをたたき、ラインギリギリの位置に落ちるなど、惜しいシーンも徐々に生れるようになった。
ハーフタイムには、「サイドバックとセンターバックの距離が開き過ぎていた」(北野貴之)と守備面の修正を行いピッチに送り出される。すると開始早々の49分、右CKでショートコーナーを選択、金久保がクロスを上げるとニアサイドで青木拓矢が頭で流し、中央で深谷友基が右足で押し込んだ。
「前半の終わりのほうから攻撃のリズムは良かったけれど、やっぱり守備からという確認をして後半は入った」と藤本が話すとおり、後半は川崎Fにチャンスらしいチャンスを作らせず。逆に大宮が、攻撃の流れをつかみ始める。ベンチも早々に動きを見せ68分には、青木に代えて石原直樹を投入。攻撃の意図をはっきりと見せる。すると直後の69分、同点弾が生れる。コーナーキックからの流れの中から、藤本がセカンドボールを拾い、ラファエルが鋭いボールをゴール前へ送ると、最後は入ったばかりの石原が頭で合わせる。まさに、意地を見せた同点弾であった。試合終了間際には李天秀のロングボールに途中交代の市川雅彦が追いつこうとする惜しいカウンターのシーンもあったが、追加点はならず。勝点1を得るに留まった。
「どこかで点は取れると思っていた」と藤本が話すとおり、川崎Fはカウンターの強烈さとは裏腹に守備ではどこか脆さを見せていた。セットプレーからの2失点ではあるが、「隙を見せてしまった」と高畠監督は肩を落とした。川崎Fの場合、3点目を取れなかったことよりも2点を守りきれなかったところが自分たちの欠点を露呈しているのではないだろうか。
一方の大宮は、やはり前半に2失点を喫した守備は今後も修正していかねばならない。それでも、攻撃に出なくてはならない後半の落ち着いた攻撃ぶり、ロングボールから前線を走らせてチャンスを作り出す試合運びを見ていると残留には大きく近づいたように見える。もちろん、この1試合は勝点3が必須ではあった。それでも大きな勝点1を得たことを評価できる一戦となったはずだ。
共に得たのは勝点1ではあるが、その意味合いは大きく違うそんなゲームとなった。
以上
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