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前節、今季最多の５失点を喫しＧ大阪に敗れてしまった大宮。14位と順位が変わったわけではないが13位仙台との勝点差が０から３に開いてしまった。降格圏にいる神戸との勝点差は４、「周りも気になる時期になってきた」と藤本主税が話すとおり決して気の抜けない状況だ。そんな中9月11日清水戦以来の、NACK5スタジアムでのホームゲーム開催に向け「久々だし、楽しみ。待っていた」と藤本を始め選手たちは笑顔を見せている。
今週重点的に行ったのは、当然のことながら前節の５失点の反省。「大量失点をしてしまい、切り替えと言うか、色々な意味でひとつひとつ修正が必要だった」と鈴木淳監督。大量失点を喫した直後は、案外サバサバとしたもので「逆に吹っ切れた」という声を選手スタッフから聞くことが多い。僅差での敗戦よりも、もう仕方なかったこと、と捉えるしかないという意味なのだろう。だが、今回鈴木監督が強調するのは「切り替えというより、修正」という点だ。そして、それは今回の５失点による修正というだけでなく「この先も常に一つ一つ修正していく」という、地道な作業の一環であるということのようだ。
では、具体的にＧ大阪戦の反省を川崎F戦にどのように活かすのか？答えはこうだ。「前回は退場者が出たため（攻撃の起点となる）遠藤にプレスにいけなかった。今回は同じタイプではないが（同じく攻撃の中心となる）中村憲剛というボールの出所をおさえていかないと」と鈴木監督は話す。中盤で、起点を作らせないか。「ケンゴからの攻撃が川崎Fには多いから、こちらはマンマークではないがゾーンの中で誰がどうつくか、確認した」と藤本は今週のトレーニングを振り返る。
「前節はうまくブロックさえ作れなかったからまずブロックを作る。川崎Fはとにかく速いイメージで、最終的に仕掛けられるのが強みだとは思う。ブロックを作った守備で粘り強く守っていればチャンスは来ると思う」とイメージを巡らせるのは青木拓矢だ。個の攻撃力がある川崎Fに対しどう対処するかといえばやはりチームでの守備ということになるのは必至。「相手が一人であれば二人で守る、二人であれば三人で対応したい」と鈴木監督は話すが、そのためにも全体の意思統一が何よりも大事になるはずだ。
一方の川崎Fはどうかといえば、「『NACK5スタジアムには苦手意識がある』ってショージ（村上和弘）が言っていた」と藤本が明かす。昨年まで川崎Fにいた村上からの、実は貴重な情報ではある。NACK５となってから、ここでは大宮の１勝１分といまだ負けなし。これまで07年は2分、08年は大宮が2勝、09年は2敗という対戦成績ではある。だが、過去の成績だけで勝負は測れない。今節はジュニーニョが負傷により欠場濃厚ではあるが、前節４試合ぶりにフル出場を果たした中村憲が１得点と復調を見せているのもやはり怖い。「ジュニーニョは欠場するみたいだけど、それ以外にも選手はいるから怖さが減るわけではない」と青木は警戒心を強めていた。
ただ、どんな相手であれ今の大宮に必要なのがNACK5スタジアムでの勝点３だ。「勝って、サポーターをスカッとさせたい」と藤本は話すが、それがクラブの総意であることは間違いない。
以上
