10月17日のJ2リーグ戦第30節水戸戦。キックオフの1時間前に、アーティストの光永亮太さんがホーム側ゴール裏スタンドの前で、自ら作詞・作曲した『Over』(2006年2月1日発売のCDシングル『Day By Day』のカップリング曲で、千葉のオフィシャルサポーターソング)を弾き語りで熱唱した。CDの『Over』には、2005年9月24日のJ1リーグ戦第25節清水戦の試合開始前、市原臨海競技場で光永さんと一緒に録音したサポーターのコーラスが入っている。フクダ電子アリーナ(フクアリ)での千葉のホームゲームで試合終了後に流れることも多く、当時を知る千葉サポーターにはとても思い出深い楽曲だろう。この日も千葉サポーターは『Over』を光永さんと一緒に歌っていて、光永さんが歌い終わると「光永亮太」コールが起こった。そして、光永さんの歌の後押しもあったせいか、試合は千葉が苦戦しながらも1−0で勝利を収めた。
千葉サポーターならば知っている人は多いが、光永さんは千葉の下部組織の市原ジュニアユース(当時)に在籍していたことがある。千葉のスタッフの話によると、今回の光永さんの来場は、ジュニアユース在籍時の光永さんを指導し、現在は千葉U−18監督の大木誠さんが「久しぶりに試合を見に来ないか」と声を掛けたことがきっかけだったとか。だが、最初から光永さんに『Over』を歌ってもらうつもりだったわけではなく、光永さんが千葉を応援する思いで「じゃあ、ギターを持って行きます」と言ったことから、スタジアムで『Over』を歌ってもらうことになったそうだ。ちなみに、大木監督はジュニアユース時代の光永さんに「サッカーよりも陸上競技のほうが向いているんじゃないか」と勧め、陸上競技に転向した光永さんは中学時代と高校時代に好成績を収めている。
筆者は『Over』を千葉の試合取材に行く時の電車の中で聴くことが多い。歌詞にはスタジアムでプレーする選手、そして選手を応援するサポーターの姿が描かれているが、冒頭の部分を聴くと、いつも千葉の初代の練習グラウンド(舞浜)が頭の中に浮かぶ。千葉が使用してきた練習グラウンドや試合会場の中で、舞浜が最も潮風を感じる場所だからだろうか。舞浜での出来事がいろいろと思い出されてきて、懐かしい気持ちになる。さらに、舞浜からスタートした千葉というクラブの歴史や、練習グラウンドで流してきた汗が試合での活躍につながることにも、思いは及ぶ。そして、今季のJ1昇格、将来のJ1優勝で、歌詞にあるような歓喜の歌声がフクアリに響くことを楽しみにしている。
千葉サポーターにとっての『Over』のように、Jリーグの各クラブのサポーターにはそれぞれオフィシャルソングへの強い思いがあるだろう。だが、下部組織に在籍した過去を持つアーティストが制作し、歌うオフィシャルソングは、ちょっと特別な感じがする。残念ながらプロ選手にはなれなくても、こういう形でクラブとの関わりが続いていくのも素敵なことではないだろうか。
ちなみに、『Over』のメロディは2007年11月18日からフクアリの最寄駅であるJR蘇我駅のホームの発車予告ベルとして使われている。車内で『Over』を聴きながらJR蘇我駅に到着すると、そこでも『Over』がちょっと聴けちゃうのだ。
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2010.10.20 Reported by 赤沼圭子
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