10月17日(日) 2010 J2リーグ戦 第30節
栃木 2 - 0 北九州 (13:03/栃木グ/3,742人)
得点者:49' パウリーニョ(栃木)、78' リカルドロボ(栃木)
スカパー!再放送 Ch182 10/18(月)後02:00〜
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ジェフユナイテッド千葉、柏レイソル、ガンバ大阪とのハードなアウェイ3連戦後、ホームで最下位・ギラヴァンツ北九州を相手にすることは、容易ではないことが想像できた。だからこそ、栃木SC・松田浩監督は、この一戦を「ある意味チャレンジ」と位置付けた。強豪相手に出来たことが、順位が下の相手にも変わらず出来るのか。メンタルが上手くコントロール出来れば問題ないが、実際には「気の緩み」という最も恐れていたことが起こり、思うような試合運びが出来なかった。それでも、45分で修正が図れた。だから、2-0で勝ち切れた。強豪に立ち向かうよりも難しい試合を勝ち切ったことを、指揮官は高く評価した。
「最大の敵は己。己に克つことから始めよう」と選手を送り出した松田監督だが、前半は「しっかりやろうと思っても、どこかに隙があった」(船山貴之)。アラートさが不足し、球際での激しさが感じ取れない、ぼんやりとした立ち上がり。ボールを奪ってもスイッチが入らず、切り替えが遅かったことから、出し手は受け手を探す状態が続いた。横方向にボールは動いても、縦への勝負パスが入らない。閉塞した事態でダイアゴナルランを繰り返した水沼宏太。ひとり状況の打開にかかるが、周囲の反応はパッとしなかった。無失点に抑えたことが、せめてもの救いだった。
開始2分、関光博の無回転FKで流れを呼び込んだ北九州は、丁寧にショートパスを繋ぎ、人もボールも良く動いた。右サイドバックの佐藤真也を前線に上げるシステム変更も奏功し、栃木を混乱させる。だが、「中盤で前を向き、ボールを持てたが、そこからの工夫が足りなかった」(池元友樹)。27分には池元がドリブルからシュートに持ち込むがサポートが足りず、厚みのある攻撃からチャンスを生み出せなかった。
後半に入ると栃木が目覚める。ゴールネットを揺らすまでに要したのは、わずか4分。サイドに人を寄せてから、空いた中央のスペースへ侵入したパウリーニョがゴール上段へ、まさに「突き刺す」という表現が相応しいミドルから先制点を挙げる。ゴール後は前半の低調な試合展開が嘘のように、相手を巧みに揺さぶった。両サイドバックの赤井秀行と那須川将大が攻撃参加するなど肉厚な攻撃を繰り出し、78分にリカルド・ロボが加点。大久保裕樹のロングフィードに、スパッとラインを切り裂くように水沼が反応し、シュートは打ち切れなかったが、ロボがこぼれ球を確実に撃ち込んだ。リードを得た栃木はリスク管理をしつつ、那須川と高木がFKからゴールを襲うなど攻撃姿勢を貫き、ホーム連勝で8位に浮上した。
「何人かは攻撃に行ったが、形が作れなかった」と、与那城ジョージ監督が後半を振り返るように、北九州は単発の攻撃が多く、連動した動きに乏しかった。66分、7月まで栃木に在籍していたレオナルドを投入。流れを変えようとするが、一発で裏を狙う単調なロングボールが増えるだけとなってしまった。
「自分も含めて北九州は成長しないといけない」
レオナルドは厳しい表情で、そう語る。堅守速攻を追求するのか、それとも前半に見せたパスでの局面打開を狙いとするのか。明確なスタイルが見えてこないことが、低迷の原因のような気がする。栃木も昨季は成績を残せなかったが、徹底してゾーンディフェンスを磨き上げ、今季の躍進に繋げた。北九州には残り7試合で来季への希望を見出して欲しい。
薄氷を踏むように、事を慎重に進めた松田監督。1枚目の交代カードを切ったのは88分。通常は“クローザー”に岡田佑樹を指名するか、廣瀬浩二で追加点を狙いに行くが、北九州戦ではまず鴨志田誉をトップ下に入れ、杉本真、小野寺達也の順番で選手交代を行った。先週のG大阪戦ではリードしながら交代後に逆転を許した悪夢が、「交代することで前回は逆転負けしたので、ネガティブな方へ作用すると不味いかなと」、松田監督に普段とは異なるカードの切り方を選択させた。些細なことかもしれないが、細部まで気を配った指揮官の采配も勝因のひとつに挙がる。
ひとつの勝利、ひとつの敗戦で順位が大きく変動する団子状態は、恐らく最終節まで続くだろう。混戦を抜け出すためには、ディテールにこだわらなければならない。粛々と週明けのトレーニングから次回のファジアーノ岡山戦の勝利へ向けて、手抜かりのない準備が始まる。
以上
2010.10.18 Reported by 大塚秀毅
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