10月9日(土) 第90回天皇杯3回戦
鹿島 2 - 1 熊本 (13:00/カシマ/3,834人)
得点者:14' マルキーニョス(鹿島)、26' 福王 忠世(熊本)、45'+2 岩政 大樹(鹿島)
チケット情報 |天皇杯特集
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開始2分、いきなりチャンスを迎えたのは熊本だった。鹿島の選手たちがピッチ中央でボールを奪いきれないと、ボールは鹿島の右サイドの裏のスペースに出る。ラインを高く押し上げていたため守備の選手が足りず、鹿島陣内で3対2の状況が出来ていた。すかさずゴール前に待つカレン・ロバートにボールが出る。しかし、カレンは満足なシュートを放つことが出来なかった。左サイドから猛然と帰陣してきたジウトンが間一髪で間に合い、体をはった守備を見せたのだった。
策士でもある高木琢也監督に率いられた熊本は、通常のリーグ戦とは違う布陣を敷いてきた。それは、つい数ヶ月前に日本代表が南アフリカの地で見せたのと同じもの。中盤の底にアンカーを置いた4-5-1だった。時に最終ラインに6人もの選手がいるような守り方だったため、オズワルド・オリヴェイラ監督は「超守備的」と評したが、わずか1週間で統率の取れた守備陣形を構築してきたことは賞賛に値する。2部リーグの選手であっても急激な方針転換に対応できるインテリジェンスを有するのは、日本人選手ならではだろう。しかし、相手は鹿島。こうした守られ方は、今季これまで何度となく経験してきた。
「そういうやり方に対しても、どうやれば崩せるのかを選手たちも理解しているのではないかと思います」
監督の言うとおり、選手たちに困った様子もなく淡々と試合を進めていったのである。
とはいえ、淡々としたリズムだけでは得点は奪えない。そのなかで、緩急をつけたのが小笠原満男だった。平均身長が低い熊本の弱点を突く意味合いもあってか、この日は中田浩二が前線に飛び出すことが多かった。その結果、小笠原がボールを触る回数は必然的に増えていった。すると10分を超えたあたりから、ビシビシと勝負のパスが打ち込まれていく。12分には右サイドを駆け上がる新井場徹に大きな展開のパス。そこから派生した野沢拓也のシュートは惜しくも阻まれたものの、小笠原は攻撃を指揮していく。
そして、14分。小笠原から興梠慎三への縦パスがスイッチとなる。ゴール前から引いてくさびのパスを受けた興梠は、フォローに入ってきたフェリペ・ガブリエルに落とす。すると、フェリペはさらに縦のパスをマルキーニョスへ。いままで横方向ばかりだったパスが、一気に3本も縦に繋がると熊本の守備陣はまったく付いていくことができなかった。守備ラインを抜け出したマルキーニョスは、飛び出してきたGKの南雄太もかわして無人のゴールへボールを流し込み先制点を挙げた。
ただ、この場面では良いプレーを見せたフェリペがこの日は不調。26分、GKから受けたパスを自陣ゴール右前で、詰めてきた片山奨典にあっさり奪われてしまう。周りが慌てて対応に走ったが、ゴール前にマイナスのパスを通されると福王忠世が落ち着いて合わせ、熊本が同点に追い付く。
その後も、重石が取れたように熊本の選手たちが動き回る。ボールを奪うと中盤の選手たちが次々と飛び出していき、それまで自陣にへばりついていた印象が嘘のよう。43分には鹿島のお株を奪うような大きなサイドチェンジから吉井孝輔がミドルシュート。同点に追い付いたことで伸び伸びとプレーしていた。
しかし、この時間帯で得点を奪ってしまうのが鹿島。前半終了間際のセットプレーで岩政大樹がヘディングシュートであっさり勝ち越し点を決め、熊本に良い流れのまま前半を終えることを許さなかった。
後半、熊本は選手交代による布陣変更でペースアップしようとするが、鹿島はそれを許さない。ポゼッション率を高めて終始試合をコントロールし、2-1のままゲームを終わらせた。
これでベスト16に進出した鹿島は、次戦、セレッソ大阪と対戦することとなった。今季2戦2敗。同じ相手に3度負けることは許されないだろう。しかし、まずはリーグ戦だ。
「11月17日(天皇杯4回戦)まではリーグ戦に集中して取り組んでいきたいと思います」
オリヴェイラ監督もそう言って記者会見を締めくくった。
以上
2010.10.10 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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