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【J2:第29節 水戸 vs 愛媛】レポート:水戸はサイドバックが躍動するも、終盤に追いつかれ3戦連続ドロー。そして、悲劇が起きた……。(10.10.04)

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10月3日(日) 2010 J2リーグ戦 第29節
水戸 1 - 1 愛媛 (13:04/笠松/4,027人)
得点者:81' 遠藤敬佑(水戸)、87' ジョジマール(愛媛)
スカパー!再放送 Ch185 10/4(月)後10:00〜
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6試合負けのない水戸だが、6試合中4試合が引き分け。「負けないけど、勝ちきれない」(小池純輝)状況を打破しようと、木山隆之監督は前節からサイドバックに保崎淳、小池という攻撃的な選手を置き、そしてボランチには大橋正博と村田翔という展開力に優れた選手を並べる策に出た。「1点は取れるようになったけど、2点目が取れない。勝ちきるためにももう一歩踏み出さないといけない」と木山監督は、これまでのカウンターサッカーから攻撃的なサッカーへ切り替えることを決断。前節は大分の中盤の展開力に翻弄され、守備的な戦いを余儀なくされたが、今節こそは自分たちで主導権を握る戦いをするという意気込みを持って挑むこととなった。

選手たちは期待に応える動きを見せた。大橋が起点となり、両サイドに効果的な展開を見せ、サイドバックのオーバーラップを引き出し、チャンスを作り出した。30分には左サイドを突破した保崎がペナルティエリア内で倒され、PKを獲得。これは片山真人が失敗してしまうが、それでも水戸ペースのまま試合は進んだ。
再三いい形で攻めながらも、愛媛の守備を崩すまでには至らず。膠着した展開が続いた。しかし、81分、ついに均衡が崩れた。村田と小池のコンビで右サイドを崩し、最後は村田からの折り返しを遠藤敬佑が押し込み、水戸が待望の先制点を挙げたのだ。そのまま逃げ切りを図りたかったが、愛媛も意地を見せた。87分に左サイドを突破した三上卓哉からのクロスをジョジマールにボレーで合わされ、同点にされてしまったのだ。3試合連続で1対1のドローとなった水戸。「1点を取られたことより、2点目を取れないことが課題」と木山監督は言う。主導権を握りながらも2点目を奪えなかったことが勝利を逃す原因となってしまった。
ただ、「やろうとしていることが形になっているのは明らか」という大和田の言葉が示すように、やっとチームとして目指す形が垣間見えたのも事実。「2点目」の壁を越えるためにも、この日のサッカーを継続することしかないだろう。進むべき道が見えたのだから、あとは進むだけ。もうぶれてはいけない。
愛媛にとって「勝点1を取れたことは満足しないといけない」(バルバリッチ監督)試合だったと言えるだろう。序盤から「パスミスや攻撃姿勢の欠如、集中力も欠いた」(バルバリッチ監督)ことで水戸に主導権を握られ、耐えしのぐ時間が続いた。DF陣の奮闘により、1失点に抑えたことによってドローに持ち込んだが、いつものように中盤でポゼッションしながら攻める形は見られなかった。チームは成長を遂げていることは間違いない。だが、まだ試合によって波があることをこの試合で露呈してしまった。それがなくなった時にチームはワンランク上のレベルに行くことだろう。今節の課題を糧に、さらなる進化を遂げたいところだ。

ただ、試合はそれだけで終わらなかった。
悲劇は88分に起きた。右サイドでドリブル突破を試みた吉原宏太が相手とも接触していないのに急に倒れこんだ。左足アキレス腱を押さえたまま立ち上がれない吉原。そのまま担架で運ばれていった。4日に行われる検査で正式に症状が判明することとなるが、木山監督が「アキレス腱が切れていると思います、たぶん。99%、そうでしょう」と力なく語ったように、おそらく左アキレス腱が断裂していることだろう。吉原は以前から左アキレス腱を痛めており、いつこういう事態になってもおかしくない状態であった。それでも吉原は歯を食いしばり、戦い続けてきた。「開幕からチームを引っ張ってくれて、体がきつかったと思うけど、そういう姿を見せず、いつも先頭を走ってくれていた」と大和田真史が言うように、どんなに苦しい時でも弱音を吐かず走り続ける吉原の姿を見て、水戸の選手たちは前を向いて戦うことができたのである。それだけに吉原の負傷は選手たちに大きなショックを与えたようだ。「今日は勝ち負けよりも、宏太さんの怪我がすべて。それしか頭にない」。この日、左サイドで躍動を見せた保崎はうつむきながらスタジアムを後にした。

だが、「下を向くんじゃなくて、これから宏太さんのために戦わないといけない」と遠藤は気丈に語った。それこそがこれからの水戸の選手たちに求められていることだろう。「このチームは宏太さんのチーム。これからしっかりやらないと会わす顔がない。宏太さんに認めさせるぐらいにやらないと、僕らの未来もない」と村田は声を振り絞った。吉原がいなくなって水戸はダメになった――そう言わせないためにも、残り9試合、そしてその先も、1人1人が今まで以上に強く、たくましく戦わないといけないのだ。逆に、これを機に若い選手がチームを引っ張るようになった――そうなることを吉原は最も望んでいることだろう。あとは「宏太さんの1日でも早い復帰を祈るばかり」(大和田)。水戸に携わるすべての人が、吉原が再びピッチで躍動する日を待っている。

以上

2010.10.04 Reported by 佐藤拓也
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