「最初、バーを越えるかなと思ったんだけど、まず右に揺れて、かと思ったらいきなり落ちた」と、その軌道には本人も驚いたという会心のキックだったようですが、ヒーローインタビューでは、「僕にしか蹴れないFK」と豪語。それほどまでにこだわりを持った、自慢の武器なんだそうです。
ところが、俊幸選手がこだわっているのは、FKだけではない。
「僕、例えばインタビューなどでサポーターへのメッセージなどを求められても、『応援よろしくお願いします』だけは絶対に言わないって決めているんです」
なぜ？
「まず、Ｊリーグの新人研修で教わりました。『ありきたりだから、できれば少し変えたほうがいい』って。僕も、人と一緒ってイヤだし、いつもみんな同じじゃサポーターもおもしろくないと思うんですよ。だから、もっとサポーターが燃えられて、応援したくなるような言葉を毎回言おうと思っています」
この話を聞いた直後の第28節、俊幸選手は前述のFKゴールを決め、同じく得点を挙げた弟・善朗選手と兄弟揃ってヒーローインタビューを受けました。
その際、最後にリポーターさんから「サポーターにメッセージをお願いします」のフリ。
早速、どんな言葉が出てくるのか大注目で聞いてみました。
「J１に向かって本気で戦うので、サポーターも一緒に戦ってください。お願いします！」
なるほど。確かに「一緒に戦って下さい」というのは、サポーターにとってもより応援したくなる一言なのではないでしょうか。
ところが、その一方で実は、俊幸選手の前にマイクを向けられた善朗選手は、しっかりと「応援よろしくお願いします！」と、コメントしていたのです。それを聞いた俊幸選手は「あ〜あ、言っちゃったよ。善朗、言葉に詰まってそれしか出てこなかったんだなぁ〜って思いました」と、思いきりダメ出し。兄弟とはいえ、他人の言葉としても気になるのだから、やはり、相当のこだわりを持っているようです。
きっとこれからも、何度もヒーローインタビューに立つ俊幸選手。FKやプレーはもちろんですが、どんな言葉でサポーターを盛り上げてくれるのか注目してみるのもおもしろいかもしれませんね。
と、ハードルを上げておきます。俊幸選手!!
以上
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2010.10.02 Reported by 上岡真里江
