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9月のJ1リーグ戦3試合では、勝利することができなかった4位Ｃ大阪と9位新潟。その両者が、終盤戦での再浮上に向けて、そのきっかけとしたい10月最初の試合で、約1カ月ぶりの白星をかけて対戦する。
今季はすでにヤマザキナビスコカップとリーグ戦の計2試合で顔を合わせている両者だが、その成績はＣ大阪の1分1敗。大阪長居スタジアムで行われた4月のヤマザキナビスコカップ予選リーグでは、ホームのＣ大阪が押し込み続けるも決め手に欠き、一瞬の隙を突かれて新潟FWミシェウにゴールを献上。これが決勝点となり、0-1と敗れたＣ大阪は、新潟の黒崎久志監督に公式戦初勝利をプレゼントしてしまった。また、W杯中断明けの7月に東北電力ビッグスワンスタジアムで行われたJ1第13節では、1-1のドロー。その3日前に、ACLの影響により延期されていた第11節広島戦をアウェイで戦っていたＣ大阪は、過密日程のなかで敵地に乗り込んだこともあり、「連戦によるフィジカル的な疲れ」もあって、本来のパフォーマンスを出しきれず。引き分けに持ち込むのがやっとだった。
そのように、Ｃ大阪としては、今季の新潟戦では苦戦中。加えて、リーグ戦でも9月は2分1敗と勝利から遠ざかっているだけに、8月28日の第21節大宮戦（○2-0）以来となるホームゲームでは、是が非でも勝点3を得たいところだ。しかし、今回はFWアドリアーノ、MF家長昭博の主力2選手が出場停止。そのうえ、第24節神戸戦でJ1デビューを果たした19歳のルーキーFW永井龍も、今夏にトップ昇格している17歳の高校生FW杉本健勇とともにAFC U-19選手権中国2010に臨むU-19日本代表メンバーに招集中のため、不在。攻撃の駒を多数欠くなかでの試合となるが、前述の2試合ではケガや出場停止のため欠場していたDF上本大海とMFマルチネスの両選手が、今年の新潟戦に初登場。リーグ最少失点に貢献するセンターバックと、夏の快進撃を支えた舵取り役の存在は、チームにとって大変大きいこともあり、これまでの対戦とは違う展開も大いに期待できる。
家長不在により、司令塔としてさらなる活躍を求められるマルチネスは、「9月は確かに勝てない試合が続いたが、決して悪い試合ではなかった。今まで自分たちがやってきた、先制してきっちり守るサッカーを、今後もやっていきたい」と、Ｃ大阪のサッカーを貫いて勝利を目指すことを強調。また、マルチネスとともに、攻撃の中核を担う乾貴士も「（メンバーが）代わったからどうとかは、あまり言いたくない。（連係の）感触は問題ないし、そのなかで結果をしっかり出せればいい」と、主力の欠場を言い訳にするつもりは毛頭なく、強気に勝ちに行く姿勢も変わりはない。レヴィークルピ監督も「（自チームが）どういう形でも、みんないい状態であり、自信を持って選手を送り込むことができる」と、新たに出番を得る選手たちをはじめ、新潟戦へ挑むメンバーに対して、全幅の信頼を寄せている。首位名古屋との差をこれ以上広げるわけにはいかないＣ大阪としては、チームの総合力が問われる大事な試合となる。
一方の新潟は、エースストライカーだったFW矢野貴章がドイツのフライブルク移籍のためにチームを離れた8月末の第21節横浜FM戦から、勝ち星に恵まれず。加えて大黒柱のMFマルシオ リシャルデスもケガのため3試合欠場中ということもあって、9月も1分2敗と、Ｃ大阪以上に苦しんだ。さらに、前節の先発メンバーだったDF酒井高徳、MF加藤大が、U-19日本代表戦参加のために不在。Ｃ大阪同様、台所事情は厳しい。
それでも、4月14日のヤマザキナビスコカップで初勝利してから勢いが生まれた新潟は、その後リーグ戦で11試合無敗（7勝4分）という快進撃につなげたこともあり、縁起のいいＣ大阪とのアウェイ戦で再び勝利して、上位戦線に食い込みたいところだろう。前節ケガのため出られなかったマルシオ リシャルデス、ミシェウの両ブラジル人がこの試合に間に合うか、そして、DF永田充、GK東口順昭らを中心に、Ｃ大阪の強力攻撃陣相手に、堅い守備でリズムを作っていけるかが、見どころとなってくる。
9月30日に発表されたザッケローニ新体制での日本代表メンバーには、残念ながらＣ大阪からも、新潟からも、招集された選手はいなかった。しかし、選ばれてもおかしくないタレントは、両者に数多く揃っている。ザッケローニ監督を後悔させるような、驚くような活躍を見せる選手の登場を願いつつ、金鳥スタの濃密な空間で展開される、勝利だけを目指す両者の熾烈な戦いに期待したい。
以上
2010.10.01 Reported by 前田敏勝
